美人ジャーナリストは虜の身がお好きのようで-第5話
大手新聞社を退職した佐藤郁子はヒマと美貌と豊満な肉体を持て余す、フリージャーナリスト。
恋人の猛のツテを頼り、彼の先輩高見から依頼された仕事。
それは政界の性事情をスクープするための潜入取材、いわば密偵だった。
SM嬢に扮し、裏社会の面々と対峙する郁子だが敢え無く捕まってしまい…。
窮地に堕る郁子だが、秘めたるマゾヒスティックな性癖を存分に満たされる淫靡な調教に加え、政界のプリンスとのハードなプレイに酔いしれる羽目に…。
果たして郁子の運命はいかに?
作家名:邪道
文字数:約3720文字(第5話)
管理番号:k140
第六夜:調教主は政界のプリンス様
「この娘かい、ほう…素敵なお嬢さん、って感じじゃないか。ほんとに、この娘、SM嬢なのかい?」
(こ、この人…大海紳一郎…クン…)
ソレは政界のサラブレッドで元首相経験者の大海浩一郎の長男で、衆議院議員文部科学副大臣だった。
今宵のターゲット、守旧派と目される狩野善一郎のような長老にも公然と反論し、変革を訴える青年議員だ。
彼の出方次第では、次期首相候補とされる狩野率いる派閥に属する、子飼いの議員の宰相の椅子も遠のくのでは、と評判だ。
そのイケメンかつスマートな所作で国民的人気も高い、将来の総理候補でもある人気ナンバーワン政治家の思わぬ登場に郁子は心を昂らせた。
これでなかなかミーハーな郁子は社会部時代、政治部への転属を強く希望したが念願叶わなかった過去がある。
政界に興味があることもあったが、何せ、サラブレッドで知られる大海紳一郎に一度は、お目にかかり、お近づきになりたかったからに他ならない。
そんな願望を抱いた女子は郁子だけではなかったようで、鵜の目鷹の目で彼を狙う記者や女子アナは多かった。
彼がODAIBATV局出身の現代のクレオパトラと名高い女子アナと結婚した時は、一人、紳一郎ロスに苛まれた郁子でもあったが、よもやこんな形で彼にお目通りが叶うとは―――。
しかし、多くの女たちの憧れのイケメン政治家が、よもやSM趣向があるとは思わなかった郁子。
世の中の大方の女はサド気のある男に嫌悪感を抱きかねないところだが、マゾ気質の郁子はこれまた股間を熱くさせられた。
(ヤダ…紳一郎クンが…この柴田って男に夜な夜な歪んだ欲望を満たす相手の仲介をさせているの?)
郁子は股縄に刺激されているクリトリスがヒクつき、愛液がシーツに滴り打ちる痴態を晒すことも厭わず、調教主になるであろう大海を見上げる。
「さ、佐藤…郁子と申します…。あの…ホステス経験はあるんですけど…SMの方は初心者で…どうぞ、お手柔らかに…」
媚びを売るような可愛い表情に、大海はふっと微笑んだが、ベッドに横座りに腰を掛けると、郁子の顎に手をかけた。
「フフフ、嘘をつかないでいいよ。君みたいな華のある娘、一度見たら忘れないからね」
「え、えぇ?」
郁子は狼狽した。
「一度君とは顔を合わせているよね。旭日新聞の新社主就任パーティを取材していたよね、シケイ新聞社会部の元美人エース記者、佐藤郁子さん」
「え、えぇ、知っていたんですかぁ?」
あまりに間抜けた質問だとは思った郁子だが、精神的にもこのイケメン御曹司の掌の上で転がされ、いや緊縛され、弄ばれたも同然だった。
「君はスパイだろ、フフフ、なかなか良いな。こんなに可愛い女の密偵と一夜の危険な逢瀬を愉しめるなんて、柴田君に感謝するよ」
「え、じゃあ、この女、先生のスキャンダルを狙って!?」
「おそらくね、でもいいじゃないか。今の時代、女は愛嬌も度胸も必要だしね」
と、どこまでも鷹揚な大海は、郁子をいたく気に入ったらしい。
いや、性癖がマッチすることを察したのかもしれない。
「じゃあ、この女、徹底的に痛めつけて、指示を出した親元を白状させましょうや! 卜部の野郎、こんな女をホステスだって売り込んできやがって!」
柴田が気色ばむ。
「いや、本当に良いさ。彼女のことをもっと知りたい。郁子君が秘密を握っているのなら、僕が聞き出すよ。このエッチなカラダに、ね」
そんな妖しげな言葉も流し目の美しい大海に囁かれるだけで、囚われの女でいることの陶酔感に浸る郁子だった。
「偽名も使わず潜入取材、だなんて、君はなかなか骨のある娘さんだね」
大海は柴田たちを退散させると、郁子の亀甲の縛めを解きにかかる。
精悍で逞しい肢体に支えられながら、縄を解かれるだけで解放感に酔いしれる郁子だ。
育ちの良さとワイルドさ、二つを兼ね備えた彼は、郁子のような女が一番、惚れるタイプだった。
「ンンあぁ…」
股縄を外されるときには卑猥な声が漏れる。
もっと惨めな姿を、この惚れ惚れする様なイケメンに鑑賞されたうえ、適度にいたぶってもらえると思っていた郁子は少々気が抜けた思いだった。
が、ソレはすぐに間違いだと気が付く。
ベッド・ルームの白い壁には四肢を繋ぎ留める黒い革ベルト式の拘束具が備え付けられていたことに気が付いたのは郁子。
スーツの上着を脱いだ紳一郎のエスコートを受け、手首足首をあれよあれよという間に縛られてしまった。
「柴田たちはすぐに、下品な縛りをしたがる…。Mな女の子の心理を理解していないんだよね…。どう、鎖で繋がれた女スパイ…いやお姫様…かな?」
大海は郁子の顎に手をかける。
「フフフ、ショーツがびしょ濡れじゃあないか。エッチな娘さんだ…。柴田たちに捕まって、何をされたの?」
「えぇ…何って」
赤面しつつ、言い淀む郁子。
「すぐにショーツ一枚になるよう言われて…地下室に連れていかれて…乳首と…アソコを、電流と気持ち良くなる振動で責められて…」
よくもまあ、赤裸々に恥ずかしげもなくこんな体験を吐露できたものだと郁子は思う。
「ふーん、そう。じゃ、バイブくらいはナンとも思わないか? プライベートではこういうのを使ったことはあるの?」
大海はさらりと聞いてくる。
「え、えぇ…か…、カ、カレシと…」
「やっぱり彼氏がいるんだ。そうだろうねえ、君くらいの美女になれば当然だな。まぁ、気にすることはないさ、僕だって妻がいる…。お互い、秘めたる願望を満たす、共有し合うためココにいる…。そういう関係だな」
紳一郎はスマートな口調で言うと、突然、郁子の右の乳首を唇で挟み込む。
「あッ…あぁんんッ…」
嫌がる間もなく、郁子は恍惚の表情を浮かべる。
「実はさ、君が記者時代、ずいぶんと郁子君のことを調べさせてもらったことがあるんだ」
「う、うそでしょ…?」
「いやいや、僕は嘘がつけない性質でね。聡明そうな顔立ちといい、反してムチリとしたスケベそうなカラダツキといい、好みだったから…。いつか、お近づきになりたいとは思っていたけど、こんな形で再会できるとは、ね」
紳一郎は意地悪く、口擦で屹立し切った郁子の乳首をピンと指で軽く弾く。
「あうッ…」
「ほら、予想通りエッチなお嬢さんだったわけだ…。僕の見立てに狂いはなかったね」
紳一郎はそう囁くと、今度は舌でもって、郁子の首筋から、その火照りきった肉体に唾液のラインを描いてゆく。
「あ、あッ…あぁ…」
郁子は裸体を震わせ、恍惚の表情を浮かべるだけだ。
(ああ、もう弄ばれっぱなし、いたぶられっぱなし、イジラレまくりっていうこの感じ…堪んないわぁッ)
柴田たちに捕まり、調教の前戯を施されているときから昂らされた性感は、隠れた性癖が羞恥心という襞を突き破り、本能の赴くままこのイケメン権力者に身を委ねたい、と訴えている。
(性欲がどんどんたまっていく感じ…。私ってば、こんなにスケベな女だったんだ…。こんな素敵な男に鎖で繋がれて、愛撫されて、それだけで、こんなに濡れて、喘いで、イキたがるなんて…)
自分の多淫ぶりにほとほと呆れつつ、紳一郎に弄んでもらった後には、心ゆく迄ベッドの上で絶頂の悲鳴を上げてみたいものだ、と心底思う郁子だ。
肉体を貪るように、口で、指で、言葉で愉しまれている間、郁子は繋がれた四肢を艶めかしくうねらせ、悦楽の波に嬲られるようにして弧を描くように見悶える。
時折、ああ、ああッという卑猥なヨガリ声に混じり、イカせて、抱いてと、哀願めいた囁きを呪文のように唱える郁子。
「いいだろう、そろそろ僕も見てみたいんだ、君の昇天する貌を、さ」
紳一郎はなかなかサディスティックな表情で郁子を見つめる。
その視線を浴びるだけで、肉体の火照りを覚え、早く心地良くしてと、催促するように甘い視線を投げ返す郁子だ。
郁子は、秘裂を丹念かつ執拗に責め苛むバイブの先端の波動に酔いしれ、クリトリスをヒクつかせていた。
「あぁ、大海センセイ…」
「紳一郎、と呼んでくれていいよ」
大海はさらりと言いつつ、バイブを巧みに操り、郁子の股間を責め続ける。
「し、紳一郎さんは…エ、エスッ気が…おありなの?」
郁子自身虜の身となり、柴田らに虐められマゾ気質を最高潮まで昂らされ、いわばスタンバった状態でこのイケメン政治家に引き渡され、執拗にその肉体を貪られているのだ。この上なく気持ちいい展開だろう。
「サド…っていうより、変態かなぁ…。ふふふ」
紳一郎は、じゅぷじゅぷとショーツに愛液の雫を浮かべ、冷めかけた興奮の中にもまだ心地良い波動に身を委ねる郁子を昇天させんとし続けている。
「オナニーマニア…かな。肉体関係は不要だ…。僕は自分の性癖を満たすことを最優先に考える男なんだよ。女が感極まって昇天する、あの眉間に皴を寄せて恥ずかしい声を上げる…そんな瞬間がたまらないんだ」
(なあに、この人…超自己チュー…でもいい男…)
「君が昇天したら、ふしだらなジュースをべっとり漏らしたパンティ、譲ってくれるかい?」
(へ、変態…ッ、もしかしてこの人って?)
不思議なもので、平凡な男ならば変態気を吐露された時点で覚めるものだが、そこは女のサガ、権威を嵩に着た男の魔力には抗えず、どんな要求でも聞き入れるつもりにもなりかける郁子だ。
(ふふふ、いいわ、私の愛液塗れのショーツ、あげちゃう)
(続く)
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