アナルフリーダム-第7話
夫の不倫を知った私は茫然自失のまま万引きしてしまうが、ある男性に救われる。
人生に絶望した私は、沖縄の彼の住まいに招待され美しい女性と出会い、生まれ変わる。
作家名:優香
文字数:約3030文字(第7話)
管理番号:k133
官能に翳む視線の先で、両脚を大きく拡げて掲げた秘部に喘ぎを噴き掛けるように囁き、楓が舌先を肛孔から離して私に微笑んだ。
今度は唇と舌の代わりに、楓の指が肛孔を捉えた。
「いや、い、言わないで。は、恥ずかしい」
“亜由美さんも”?
楓も肛門で快感を覚える、という事なのか。
楓が私の尻肉を抱え直して、秘部が天井を向くほど、私の裸身を折り曲げた。
背中が楓の両膝の狭間に、尻肉が楓の二つの乳房で、太腿が楓の両腕で固定される。
“ああ、楓さん、よ、汚れるのに。ああ、ゆ、指が、お尻の孔に挿って来る”
楓が女陰に溢れる愛液を塗した両手の人差し指を、私の不浄であるはずの肛孔に挿入し、肛孔を柔らかく揉みほぐすように拡げて行く。
「ああ、お、お尻っ、ゆ、指っ、い、挿れないでっ。ひ、拡げちゃ、い、厭っ」
官能に霞む視線の先で、愛液と楓の唾液に塗れて開いた私の女陰の向こうに、楓の両人差し指を咥え込んだ私の淫猥な肛孔が妖しく洞を開いて蠢いているのが視える。
「厭じゃないでしょう?お尻の孔、こんなにされて感じてるんでしょう?」
「ああ、そ、そんな事っ」
自分の肛門など、生まれて初めて視る。
手入れした事もない女性器を囲む恥毛の叢が、8の字を描いて肛孔を取り囲み、汗と愛液に濡れて淫猥に肌にへばり付いている。
その中心で、私の肛孔が楓の指を咥えて、まるで幼い頃に遊んだ磯に生息しているふじつぼのような形状をして、洞を開いている。
放射線状の筋が中心に向かい、その頂上が口を開き、楓の指の動きに呼応して妖しく蠢いていた。
初めて目の当たりにしたせいであったかも知れないが、とても自分自身の肉体の一部だとは信じられなかった。
ふと、今度は、背中に触れている楓の太腿の付け根が愛液で滑っているのを感じた。
さっきは女性器が愛液に塗れて私の太腿を濡らした。
今はさらに夥しい愛液が溢れ、楓の太腿まで濡らしていた。
楓が?
私の肛門を愛撫しながら?
愛液を太腿の半ばまで滴らせて?
興奮している?
「き、気持ち良いんでしょう?お、お尻の、あ、孔が」
楓が熱く喘ぎながら、私の肛孔の蠢きを視詰めている。
その瞳が官能に潤んでいた。
先刻も、私の裸身を愛撫していた楓の女性器が愛液に塗れていた。
私の女性器を愛撫する楓が愛らしい唇から熱い喘ぎを洩らし、官能に美しい瞳を潤ませていた。
今も、私の肛門を指で愛撫しながら、楓が明らかに興奮していた。
一目視て私の心をときめかせた美少女が。
嬉しい。
また、心の中の何処かで何かが崩れ落ちて、そこから光が挿し込んで来た。
媚肉の奥底の疼きが大きくなる。
それは明らかに性欲を伴っていた。
“もっとお尻の奥まで指を挿れて”
“もっとお尻の孔を拡げて”
はしたない言葉が脳裏を過った。
だが、勿論口に出来るはずがない。
恥ずかしい。
肛門粘膜の快感と理性がせめぎ合う。
肛孔に両中指が添えられた。
一気に柔らかく解れた肛孔がさらに拡がり、楓の両手の二本の指の第二関節まで咥えている。
“もっと拡げて、根元まで指を挿れて、お尻の孔をめちゃくちゃにして”
心の中でそう叫んだ瞬間、楓が指を抜き去り、私に覆い被さって来た。
「いやーっ、や、止めちゃ、い、厭っ」
想わず本音を言葉にしてしまっていた。
楓がキスを貪って来た。
楓の唇を貪りながら楓の首を抱き、太腿で楓の太腿を挟み込む。
太腿に触れた楓の女陰と太腿が滴り溢れた愛液で滑った。
楓の女性器は、全裸になった最初からずっと刺激を受けていない。
にも拘わらず、愛液を滴らせ続けている。
やはり、私の全身を愛撫し、女性器を愛撫して私をエクスタシーの絶頂を極めさせ、さらに今も、私の肛孔を口と指で愛撫しながら、楓も興奮しているのだ。
楓が愛おしい。
楓の唇が愛おしい。
楓の指と掌が愛おしい。
楓の裸身の全てが愛おしい。
元恋人にも、夫にも感じた事のない想いが生まれた。
私は想わず楓を強く抱き締め、キスを貪ると、楓が応じてくれた。
二人の鼻息がぶつかり、頬を熱くする。
楓が唇を離すと、二人の唇に唾液の糸が延びた。
「お尻の孔、感じたんでしょう?」
「ああ、い、言わないでっ、は、恥ずかしいっ」
「もっとお尻の孔、指で愛して欲しい?」
「ああ、は、恥ずかしい」
言葉にするのを躊躇っていると、楓が私の尻肉を抱えて肛孔を指先でなぞり上げた。
その二本の指が、肛孔にめり込み、肛孔を寛げるように円を描いている。
「お尻の孔、愛して欲しいんでしょう?」
楓が、先刻のように、私に言葉で求めさせようとしているのが判った。
だめ。
我慢出来ない。
「ああ、か、楓さんにっ。お、お尻の孔っ、あ、愛して欲しいのっ。お、お尻の孔、もっと一杯愛してっ」
恥ずかしさの余り、楓の首に抱き着いた。
遂に、恥ずべき肛門への愛撫を言葉にして求めた。
また心の何処かで何かが大きく壊れ、眩い光が降り注いだ。
ぞっとするような官能が湧き起こり、媚肉が激しく疼く。
さっき、女性器への愛撫を求めた時もそうだった。
恥ずかしい事が快感に繋がるのだ。
その快感を言葉にする事が、さらに快感を煽るのだ。
そもそもセックス自体がそうなのだ。
裸身を晒す。
乳房を晒す。
性器を晒す。
性器を口で愛撫し、愛撫される。
指で愛撫し、愛撫される。
性器を繋ぐ。
肛門さえ、愛撫される。
それを言葉にして求める。
全て恥ずべき事なのだ。
そしてそれが快感を呼び起こすのだ。
「じゃあ、お尻の中、きれいにしましょうね」
楓が私を抱き起こした。
そうなのだ。
今更のように気付く。
肛門を愛撫する前提として、肛門内部に溜まった排泄物を出して、肛門内部を清潔にしなければならない。
楓に手を引かれ、部屋を出て階段を下りる。
ふと、楓の指先が私の肛門内部の排泄物に触れて汚れたのではないかと感じた。
それで“きれいにしましょう”と言ったのだ。
排泄は昨日の朝して以来だった。
今朝、してくれば良かった。
恥ずかしさに身が縮み、冷や汗が噴き出る。
どうやって?
普通に排泄しても、全て出し切れるものではないのではないか?
浣腸?
二文字が脳裏を過る。
子供の頃、夏休みで遊びに行った母親の実家で、飼育していた乳牛が便秘になり、獣医がやって来て浣腸した。
従姉達に誘われ、怖い物視たさに、牛舎の窓から覗いた。
一升瓶ほどの巨大な注射器だったのを憶えている。
乳牛は間もなく大量の排泄物を噴き出し、撒き散らした。
その光景が脳裏に蘇る。
どうやって?
何処で?
楓が私を誘ったのは浴室だった。
トイレではないのか?
広い浴室。
正面の窓から陽光を浴びて眩しく燦めく真っ青な珊瑚礁の海が視える。
先に部屋を出ていた紳士が浴槽に溢れる程湛えたお湯に浸かって、こちらを視ていた。
彼の視線の先で晒した、先刻の自分の痴態を想い出して、全身の毛穴から汗が噴き出すようだ。
恥ずかしくて彼の貌を視る事が出来ない。
まさか?
ここで?
浣腸される?
彼が視ている前で?
余りの展開に混乱して、拒絶の言葉さえ出て来ない。
たった今まで、私の肛門を愛撫してくれ、私が肛門でも快感を覚える事を知られ、恐らく自らも肛門で快感を覚えるであろう楓なら、そして“もっとお尻を愛撫してイカせて”と望んだ私に“お尻の中をきれいにしましょう”と私を誘った楓なら、未だ許せるかも知れなかった。
しかし、彼は、私の欲望を知らないはずだ。
いや、楓が私の肛門を愛撫する前に彼はいなくなった。
楓が私の肛門を愛撫し、私が肛門への愛撫で快感を覚え、楓にさらに激しい愛撫を求めるのを判っていて、そして、まさか、私が楓に浣腸されるのさえ判っていて、先に浴室に来ていた!?
(続く)
※本サイト内の全てのページの画像および文章の無断複製・無断転載・無断引用などは固くお断りします。
リンクは基本的に自由にしていただいて結構です。