アナルフリーダム-第4話
夫の不倫を知った私は茫然自失のまま万引きしてしまうが、ある男性に救われる。
人生に絶望した私は、沖縄の彼の住まいに招待され美しい女性と出会い、生まれ変わる。
作家名:優香
文字数:約3100文字(第4話)
管理番号:k133
華奢な撫で肩、バランスを考慮して誂えたような、小振りだが、つんと上向いて引き締まった美しい乳房、その頂の飾りに埋め込んだ宝石のような愛らしい乳首、削いだように縊れた腰、しなやかな太腿の頂上に清楚で上品な美貌に不似合いなほど生え繁った恥毛の叢が眼に跳び込んだ。
女の私でも、その裸身の美しさに眼が釘付けになり、想わず溜息が出る。
「そ、そんなに視ちゃ、は、恥ずかしいわ」
彼女が美貌に恥じらいを浮かべ、戸惑っている私の洋服を脱がせ始めた。
「ここではずっと裸で過ごすのよ」
ずっと全裸?
彼女と?
彼も全裸?
彼に全裸を視られるの?
返す言葉がないまま突っ立っていると、彼女が私の洋服を剥ぎ取って行く。
元恋人とは、部屋にいる時は何時も全裸でいさせられたが、セックスする関係になってからであった。
それも、自分から積極的に全裸になった事はなく、何度も拒んだが、何時も洋服を取り上げられていて、それでも常に恥じらいはあった。
彼も楓もほぼ初対面である。
その二人と、ここで全裸で過ごす?
そして彼とセックスする事になるのだろうか?
しかし、楓が彼とここで全裸で過ごしているという事は、二人はやはり親子ではない。
そして当然二人はセックスをする関係なのだろう。
眼の前のキングサイズのベッドが妙に気になる。
ブラジャーを外され、ショーツを脱がされるままに片脚ずつ上げる。
躊躇しながらも楓の手で全裸にされ、思案を巡らせ、乳房を腕で、恥毛の叢を掌で覆う私に楓がいきなり抱き付き、そのベッドに圧し倒した。
「ああ、素敵。亜由美さん、きれいよ。さすがに彼が気に入った女性だわ」
楓の熱い吐息が私の唇をくすぐる。
「ああ、そ、そんなっ、わ、私なんて」
素敵?
きれい?
彼が私を気に入った?
楓も?
極度の内気な性格で、引っ込み思案で、親しい友人もなかった私は、生まれて以来、誰かに自分の事を直接言葉にして称賛された記憶がなかった。
無口な夫は勿論、元恋人でさえ、言葉にして聴かされた事はなかったはずだ。
戸惑いと面映ゆさが、楓の裸身の感触に重なって躰を熱くする。
「謙遜しなくても良いわ。女の私がどきどきするくらい素敵だもの」
楓が私の乳房に乳房を擦り合わせるようにして、唇を重ねて来た。
楓が?
私が楓に胸をときめかせている様に、楓も私を視て胸をときめかせている?
生まれて初めて肌を重ねる女性の裸身。
生まれて初めて交わす女性とのキス。
それも同性でありながら、一目視ただけで激しくときめいたほどの美少女と。
唇を吸われ、舌を挿し入れられただけで、唇と舌が妖しく疼き出す。
乳房と乳房が重なり、乳首が擦れ合う。
互いに裸身を蠢かすと、楓の恥毛の叢と私の恥毛の叢が擦れ合う。
初めて経験する女性、楓との裸身の触れ合いが媚肉の奥底の疼きを高鳴らせる。
永い時、こんな官能的な触れ合いを忘れていた。
私は彼女を抱き締め、夢中で応じていた。
彼女も興奮して来たのだろう、鼻息を荒くして小さく呻き、息苦しくなると唇を離して熱い喘ぎを洩らす。
楓の喘ぎと私の喘ぎが唇の狭間でぶつかる。
媚肉の奥底が一層激しく疼き始めた。
「亜由美さん。素敵。好きよ」
楓が唇を触れるように囁く。
「ああ、か、楓さん」
「好き」と言われても返す言葉がない。
恥ずかしさの余り、「私も」と出掛かった言葉を飲み込む。
その唇が私の瞼から額、そして眦から耳に這う。
舌が耳の孔をそよぎ、耳タブから耳の付け根、そして項から首筋に移動して行く。
さらに肩から腕を掲げて腋を唇で啄み、舌が這い回る。
「ああ、そ、そんなっ」
そんな愛撫を施されたのは生まれて初めてだった。
耳、項、首筋、腋。
そんな部分で官能を覚えるなんて知らなかった。
夫と結婚して以来、夫がセックスする際でも、私の裸身を眺める事さえしなかったせいで、自分の肉体の見栄えを気にしなくなっていた事に気付いた。
結婚して以来腋毛の処理をしていなかった事を、一瞬後悔したが、しかし、こんな状況になるのを想像していた訳ではない。
楓の腋毛を再確認して、多少安堵する。
私の腕を掲げた楓が腋を舌で舐め上げ、腋毛を唇で咥えて引っ張る。
「ああ、そ、それっ、だ、だめっ」
腋を口で愛撫されるなど、やはり生まれて初めてだった。
楓が愛撫する腋から電流のように快感が流れ、媚肉を疼かせる。
想わず、逃れようとしたが、楓がきつく腕を抱えて離さない。
「感じるのね?腋が感じるなんて、亜由美さんって、セックスなんてしませんって上品なイメージだけど、性欲が強いんだわ」
「そ、そんなっ、ち、違うわっ」
「違わない。普通の女性は、腋を愛撫されてもくすぐったいだけなのよ」
楓が愛らしく微笑むと、再び私の腋を口で愛撫する。
楓に指摘されたように、くすぐったいのではなかった。
むずがゆいようなじれったさが媚肉の疼きを激しくする。
「ああ、こ、こんなのって」
「ほら、感じてるんでしょう?」
応えの言葉が出ない。
楓が私をうつ伏せにした。
脇腹から腰骨、そして背中全体を唇と舌が這い回る。
それぞれの部分が、楓の手指と唇と舌の感触に反応して快感を生む。
そして、楓が裸身をずらす度に、楓の乳房と恥毛の叢が私の肌を刺激する。
媚肉の奥底の疼きが激しさを増し、膣内が熱い滴りで潤うのが判る。
快感を求めて、勃起した乳首を無意識にシーツに擦り付けている自分に気付く。
熱い滴りに潤み始めた媚肉に自ら刺激を与えるように、無意識に尻肉が蠢き、太腿が擦り合わさる。
楓の愛撫が太腿の中心線から外側を伝って踝、さらに脚の指一本一本を口に含んでしゃぶり立てる。
「ああ、よ、汚れてるのに」
引こうとした脚を楓が強く圧さえて尚もしゃぶり立てる。
脚の指にさえ性感があるのか。
裸身を蠢かせると、膣粘膜の奥底から溢れた愛液が女陰の襞を濡らし、尻肉の狭間まで滴っているのが判る。
全身を手と口で愛撫されるなんて、生まれて初めての経験だった。
一緒にいる時には、何時も私の裸身の何処かに触れていた元恋人にさえ、踝や脚の指さえ、口に含むなどされた事がなかった。
全身の肌が泡立ち、肉体の全てが疼き始める。
裸身全体が性感帯になったように感じる。
しかし、それは未だ直接的な性感部への刺激ではなかった。
かつてのセックスとオナニーで開花した快楽の源泉である乳房と女性器への愛撫は未だなかった。
それが私をよけい焦らせ、媚肉を疼かせる。
乳房を、女性器を愛撫して欲しい。
最も快感を覚える部分を愛撫して欲しい。
そう感じるほど、官能が昂まっていた。
しかし恥ずかしくて言葉に出来ない。
仰向けにされ、楓の唇と舌がふくらはぎから太腿の内側を這い上がって来た。
これからやっと女性器を愛撫される。
しかし期待に反して、楓の唇と舌は女性器を避け、乳房さえも触れず、太腿から脇腹を通り、私の唇まで戻って来た。
私は自分から楓の首に抱き付き、キスを貪っていた。
唇の自由を奪われて、噴き出す熱い喘ぎが鼻孔を拡げ、恥ずかしい程鼻息が洩れる。
楓の唇がこんなに愛おしい。
楓の掌と指がこんなに私の媚肉を疼かせる。
生まれて初めて直接的なセックスでない愛撫で私の性欲を燃え上がらせたのは、女性である楓であった。
楓の唇を貪るほど唇と舌が性感帯となって性欲を煽り立て、乳房が、女性器が愛撫を欲して熱く疼き続ける。
“触って、欲しい”
楓の手は?
片手は私の髪を撫で、片手は腰骨を撫でている。
私は恥じらいをかなぐり捨て、自分の欲望を伝えるために、腰骨を撫でている楓の手を掴んで女性器に誘った。
意外な事に楓の手が逃げた。
“ああ、ど、どうして?”
楓の美しい瞳を覗き込んだ。
楓の瞳は優しく、意地悪な眼差しではなかった。
楓が私の裸身を愛撫しながら興奮している?
楓の瞳も官能に潤んでいた。
どうして?
その時。
(続く)
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