闇の男-第7話 3000文字 バロン椿

闇の男-第7話

日本の夜の世界を支配する男、武藤甚一(じんいち)と、それに立ち向かう元社会部記者、「ハイエナ」こと田村編集長らとの戦いを描く、官能サスペンス長編。

作家名:バロン椿
文字数:約3000文字(第7話)
管理番号:k077

「チンチンだったらどうする?」
こう言い放った男の顔に感情はなかった。
雄介は膝ががくがくと震え出した。
「どうして、あんな写真があるんだろ?」
疑問だが、そんなことを考える余裕はない。
「ほら、雄介、謝りなさい」と悦子に言われると、その場に土下座して、「す、すみませんでした」とひたすら頭を下げた。

だが、その男は「許す」とか「分かった」とか何も言わず、タバコを吸っているだけ。
しばらくして、そのタバコを雄介の手の甲で揉み消すと、「そのうち、借りを返してもらうから」とだけ言って、部屋から出て行ってしまった。
雄介は手の甲に赤く残った火傷の痛みなど感じる余裕はなく、膝の震えは家に戻っても収まらなかった。

不信

「お父さん、雄介はどうしているの?」
世津子は夏休みになっても一度も顔を見せない雄介のことが気になり、父親の橋本誠之助に聞いたが、「雄介は町田さんに預けた。元気らしいよ。絵画展に入選しているぞ」とパンフレットを投げて寄越すだけで、振り向きもしない。
そのパンフレットのことは世津子も知っていた。
だが、雄介の作品と言われる絵は彼の構図の取り方、筆遣いではなかった。
自分の絵画教室で見出だした才能だから、世津子にはよく分かる。

セクシーランジェリーショップ01

「これ、雄介の絵じゃないわよ」と父に迫ったが、彼は「個展の準備で忙しいんだ。知らんよ」と言うだけで、世津子の顔をまともに見ようとしない。
それどころか、「用が済んだら出ていってくれないか」と父が絵の具を混ぜているが、パレットは見ていない。
困った時の癖だ。
彼が「忙しい」という個展だって、アートギャラリー・マチダが支援してくれてやっとこ開催に漕ぎ付けたもの。
きっと、何か隠している。

「お父さん、雄介を売ったんでしょう?」と世津子は手にしたパレットを突き付けたが、「知らん。出て行け!」とその手を撥ねつけた。
「お父さん、絶対に許さないから……」
世津子の父に対する不信の念は確信に変わり、もう親子の亀裂は修復できないものになってしまった。

美智代の体

ヌードを撮られたあの日から、「体を絞れ」とスポーツジムに通わされることになった。
しかし、結婚してから運動らしい運動は殆どしたことがなかったから、背丈は158あるが、体重は56キロ、鏡に写った姿は完全なポッチャリ体形。スリーサイズなんか恥ずかしくて測れない。
だが、ジムに行くと、待ち構えていた女性インストラクターがいきなり「裸になって下さい」と言ってきた。

「あ、あの……」と美智代は戸惑うが、「指示されていますから」と強引に全裸にされると、メジャーでバスト、ウエスト、ヒップと測定し、その結果を「84ー65ー85」と専用の個人カードに記入していた。
夫の借金の形に生け贄として差し出されたことを考えると、いったいどんなことまでされるのか、怖くなったが、そんな事情も知らないインストラクターは淡々と、「まずは、腰回りの余分なお肉を取りましょう」とトレーニングが始まった。

最初は「手を頭の後ろに押し付けて」とマットに膝立ちになり、「両腕をしっかり広げて、お腹回りを捻ることを意識して、右から軽く」と、インストラクターに合わせて体を動かし、続いて「バストアップです。まずは胸の前で両手を合わせて……はい、いいですよ。それから、肘と手首までの線を水平に保って……あ、ダメ。肘が下がってます……そう、そう。いいですよ。そして、手のひらにグーと力を入れて、そのまま10秒……」と進んでいった。
気がつかぬうちにTシャツは汗でぐっしょり、最後は「太腿を細くするスクワットです……」と約1時間。終わった時は体がパンパンに張っていた。

毎日、こんなことを繰り返していると、1週間後、スカートが緩くなってきた。
体重も2キロ減っている。経緯はともあれ、体型の変化は嬉しい。
そして、ジムに通い始めて1ケ月ほど経った頃、PTAの会合に出た時、皆から「美智代さん、何だかとてもきれいになったみたいね」と言われた。
しかし、事情が事情だけに素直に喜べない。
だが、体は確実に絞られている。
背丈は158cmで変わらないが、腰回りの贅肉が無くなり、体重は8kg減って48kgになっていた。
鏡を見ると、頬が引き締まり、顎の線もきれいに見える。
インストラクターがサイズを測ると「84-56-84」になっていた。

そんな折、「いつものところに来い」と「先生」から呼び出しがあった。
今日こそ体を弄ばれる……そう思った美智代は怖々ながらも、「あの、今日は都合が悪くて」と断った。
すると、「そうか」と返事があり、「ふぅー」とタバコを吹かす音が電話越しに聞こえてきた。
嫌な予感がしたが、その予感通り、「なら、海外にでもいくか?」と凍りつくような言葉が返ってきた。
心底震えあがった美智代は、「い、いえ、行きます、行きます」と答えたが声は裏返っていた。

人気の売れ筋ランジェリー02

取るものも取り敢えず、ホテルに駆けつけると、今日はスタイリストもカメラマンもいない。
その代わりにサラリーマン風の20代後半の男と、主婦のような40近い女が共に下着姿で待っていた。
ソファーに腰を下ろし、ウイスキーを飲んでいた「先生」が「三郎と茜だ」と顎でしゃくると、その二人も「よろしく」、「きれいね」と会釈してきたが、何だか様子がおかしい。
アルコールで少し顔が赤らむ「先生」は「ははは、本当にいい女になったな」とご機嫌だ。
そして、「じゃあ、始めるか」と立ち上がると、「先生」も服を脱ぎ、全裸になった。
日焼けした筋肉質の体、背中には龍の彫り物、そして、黒々とした陰毛から顔を出している亀頭は大きく、獲物を狙っているヘビのように見える。

「三郎と茜」と言われた二人もその場で下着を脱いで、同じく全裸になった。
(えっ、まさか、そんな……)
美智代は後退りしたが、三郎の腕を掴まれ、「さあ、あなたも」と茜にワンピースの背中のファスナーを引き下ろされた。
もう逃げようがなく、下着も取られ、全裸にされた美智代はそのまま奥の寝室に連れていかれた。
いつもの真っ白なシーツが掛けられたキングサイズのダブルベッドは少し右に寄せられ、隣に小さな簡易ベッドが置かれていた。

弄ばれた女体

このままでは生け贄にされてしまう。
「い、嫌です!」と美智代はドアノブを握って抵抗しようとしたが、「先生」の力は強い。
「ははは、可愛いなあ」と軽々と抱き上げられ、そのままダブルベッドに運ばれてしまった。
パニックになった美智代は「た、助けて!」と手足をバタつかせて暴れたが、「先生」に「諦めろ」と押さえつけられ、「よく見るんだ」と頭を掴まれ、隣のベッドの方に顔を向けられた。

そこでは、早くも三郎と茜がチュッチュッと唇を合わせていたが、テレビや映画で観るラブシーンとは全く違い、シーツの擦れる音も相まって、淫靡な雰囲気が漂っていた。
そして、間もなく、二人は体をクロスさせ、互いの性器を舐め合いだした。
アダルトビデオなど見たこともない美智代にとって、初めて見る他人のセックスは衝撃的、胸がドキドキして、顔が火照ってくるのが自分でも分かる。
それを「先生」は「どうしたんだ?顔が赤いぞ」とからかう。
美智代は悔しさと恥ずかしさで泣き出しそうだったが、「先生」はそんなことにお構いなく、「本当のセックスを知らないんだな、お前は」と太い腕で抱き締め、「今からたっぷり教えてやるから」と、唇を合わせて、チュッパッ、チュッパッと吸ってきた。

(続く)

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