闇の男-第8話
日本の夜の世界を支配する男、武藤甚一(じんいち)と、それに立ち向かう元社会部記者、「ハイエナ」こと田村編集長らとの戦いを描く、官能サスペンス長編。
作家名:バロン椿
文字数:約3070文字(第8話)
管理番号:k077
美智代は「あ、や、やめて下さい……」と必死にもがくが、「先生」は焦らない。
抱き寄せ、再び唇を合わせると、唾液が混じるまで離さず、それから舌を挿し込んできた。
それと同時に、美智代の豊かな乳房に手を掛け、ゆっくり、ゆっくりと揉みしだく。
濃厚な口づけと、乳房への執拗な愛撫、変な気持ちになった美智代は「あ、ああ、あっ」と呻き、小豆のような乳首も痛い程に硬くなってきた。
それを指先で感じ取った「先生」は手を下腹部に伸ばし、指先は肛門に届いた。
慌てた美智代は「あ、うぅぅ……や、やめて下さい……」と最後の力を振り絞ってもがいたが、「先生」は乳房と同じように股間を手のひらで揉みほぐし、じっくり攻めてくる。
そして、指先が小陰唇の中に入ってくると、淫らな気持ちが大きくなり、体から力が抜けていった。
それを待っていたかのように、「先生」は小陰唇を押し広げ、指を膣の奥まで挿し込み、肉襞を掻き上げる。
強く、弱く、深く、浅く。
膣からは愛液は溢れだし、指が動く度に、ピチャピチャと音を立て、シーツには大きな染みが広がっていた。
堪えきれなくなった美智代は「あ、あ、あっ、いや、あ、あ、あっ、あっ、あ、あああ……」と大きな声を出して喘いだが、さらに、親指の腹でクリトリスを捕え、転がすように嬲られると、もう何が何だか分からない。
隣のベッドでは三郎が茜にペニスを挿入し、パンパンと腰をぶつけているが、そんなことにも気がつかない。
勿論、夫とのセックスでもたっぷり濡れるし、必ず逝くが、それは「ままごと遊び」だと思える程、レベルが違う。
痺れるような快感が、腰から背筋に掛けて絶えず這い登ってくる。
35歳の女盛りの体に火がついてしまった。
その美智代を仰向けに寝かした「先生」は、舌を這わせて、全身をくまなく舐め回し、仕上げに顔を股間に埋め、クリトリスをしゃぶる。
初めは「あっ、あっ」という短い喘ぎだったが、最後は「いやぁー、やめて、やめて、やめて……」と叫び声のような喘ぎになった。
頃合いだと思った「先生」は美智代の太腿を持ち上げると、両膝の裏に手を入れて両脚を大きく広げた。
はしたない程に濡れた小陰唇はパックリと口を開け、赤い膣肉が瑞々しく輝いている。
そこに夫のものより太くて長いペニスを摘まんだ「先生」は亀頭を挿し込み、それからゆっくりと体を重ねてきた。
狭い膣口を押し広げるようにして、亀頭が中に入ってくる。
体を貫かれた美智代は「あっ、あ、あああ……」と呻き、首を左右に大きく振った。仕上げに、「先生」が美智代の腰を引き寄せると、二人の体は完全に繋がった。
原因が夫にあるとはいえ、越えられてはいけない一線を越えられてしまった。
だが、自然の摂理とは皮肉なものだ。
押し広げられた膣が元に戻ろうと縮まり、ペニスを締め付ける。
「おお、いい、いいなあ……」
悦んだ「先生」は腰を使い、ペニスを抜き挿しするが、膣が絡みついているだけに、刺激はさらに強まる。
気がつくと、美智代は「先生」の背中に爪をたて、「あ、あっ、あっ、あっ、あ、うっ、うっ、うっ、ああっ、あああっ……」と部屋に響くような大きな声で喘ぎ、しがみついていた。間もなく、「先生」も「おおぉ…」と低い声を漏らし、美智代の膣の中に激しく射精した。
歯ブラシの恐怖
3日後、「ちょっと来い」と再び呼び出された。
美智代は体を弄ばれることを覚悟していたが、指示された部屋がいつものスイートではなく、普通のツインだった。
ノックすると、「はい」と声がしてドアが開き、「お待ちですよ」とスタイリストが迎えてくれた。
緊張して中に入ると、「先生」がいつになく優しい声で、「掛けなさい」と前のソファーを指差した。
美智代がそこに腰を下ろすと、「楽しかったな」と言われたが、体を弄ばれた悔しさから、唇を噛みしめ下を向いていた。
そこにコーヒーが運ばれてきた。
「先生」はそれを一口啜ると、美智代をじっと見つめ、それから「お前は本当にいい女だな」と言った。
今さら何よ……美智代は悔しさを通り越し、怒りで頬がピクピクしてきたが、「先生」はタバコに火をつけると、「惜しいが、お前に相応しい男が見つかったので、そいつにお前を譲ることにした」と言った。
その瞬間、美智代は体が震えてきた。
3日前に「海外にでもいくか?」と脅されたばかり。
「ゆ、譲るって、海外……」と泣き声になったが、「ははは、バカな。可愛いお前を誰が海外なんかに売るものか。安心しろ」と「先生」は笑い出した。
それならば、誰の女にされるのか?
不安は広がるばかりだったが、「先生」は考えたこともないことを言い出した。
「譲る男は16歳の高校生だ」
「じゅ、16……」
「どうした?不満か?」
「あ、いえ……」
このまま「先生」の女になることも嫌だが、16歳なんて、そんな子供の相手をさせるなんて、まるで見世物……嫌だ、そんなことは絶対に嫌だ……
しかし、タバコを吹かした「先生」は、「頭が良くて、体はきれいな、いい男だ。もっとも、ちゃんとセックス出来るか試させてしまったから、童貞ではないがな。あははは、すまんな、美智代」と笑った。
嬲るもいいとこだ。
美智代はみるみる顔が青ざめたが、「嬉しいだろう?お前のマン●は本当に素晴らしい。感激したよ。だから、俺のチンポじゃダメだ。若くて将来のある男のチンポが必要だ。そいつで思う存分突いてもらえ」
と嬲りが続いた。
酷すぎる、あまりにも酷すぎる。
逆らうことは怖いけど、とてもそんな話は受け入れられない。
美智代は「嫌です」とはっきり言った。
美智代は殴られると覚悟していたが、「先生」はタバコを灰皿に置き、残っていたコーヒーを飲み干し顔色一つ変えず、「そうか」とだけ言ってカップを置いた。
そして、「そうか、断るのか」と繰り返すと、スタイリストに「あれをくれ」と言って、ソファーに深く座り直した。
美智代は怖くなった。
「先生」がこうする時は、必ず新しい手口の脅しが加えられることをこれまでの経験から感じ取っていた。
「これですか?」
「おう、ありがとう。」
スタイリストがソファーの前のテーブルに並べたのは歯ブラシだった。
「歯ブラシにも色々あるんだ。これなんかすごく柔かい」と、「先生」はその中の一つを手に取ると、「おい」とスタイリストに手渡した。
何をされるのか、美智代は身構えたが、スタイリストは受け取った歯ブラシで美智代の腕と頬を軽く擦った。
フェザータッチ。
まさにその表現がぴったりの感触だった。
だが、こんなことで終る訳がない。
「ははは、くすぐったいか」と一人頷く「先生」は「柔らかすぎてダメか……それではこれはどうだ?」と別の歯ブラシを手に、美智代の腕にあててきた。硬い。
そして、ニヤリと笑うと、「試してみようか」とテーブルにあるリンゴを掴んでその歯ブラシで擦り出した。
すると、たちまち、皮が破れ、果肉が削り取られて、テーブルの上は果汁でびしょびしょになった。
まさか、まさか……美智代は震えて歯がかみ合わなくなっていたが、「先生」は「ほう、芯が出てきたな。顔でなくてよかった」と、果汁で濡れた手で頬を軽く叩く。
もう言葉なんか出てこない。
美智代は慌てて床に手をつき、「あ、わ、私、い、いやじゃな、ない……」と床に手をつき、頭を下げるが、「何が?」とその手を靴で踏みつける。
痛みなんか感じない。
「せ、せんせいの、い、いう通りにしますから」と声を振り絞ると、「ははは、そうか、そうか。うん、それでいい」と「先生」は濡れた手をタオルで拭くと、「近々会わせてやるから、楽しみにしていろ」と言って、そこを出て行った。
(続く)
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