奥様の火遊び-第2話 3130文字 ステファニー

奥様の火遊び-第2話

欲求不満の主婦が一晩の火遊びを体験!

作家名:ステファニー
文字数:約3130文字(第2話)
管理番号:k136

茉莉子は頬を強ばらせ、そのひとつひとつをチェックしていった。アパレルブランドのショップサイトやメンズエステサロンの広告といったお目当てではないものがほとんどだ。
検索結果を表示したページに戻り、下へスクロールするに従って、茉莉子が求めていた所は姿を見せ出した。ホストクラブのウェブサイトを筆頭に、それらしき見出しが次々と目に飛び込んできた。

手始めに茉莉子はホストクラブのサイトを覗いてみた。歌舞伎町にあるというそのホストクラブは、至極素敵なホームページを設けている。女性客が好みそうなシックなデザインの店内がトップに写し出され、そのページ下部には「ナンバー1」、「ナンバー2」と見出しの貼られた若い男性の写真が並んでいた。流行りなのだろうか。まるでアンドロイドのような容貌をした男ばかりだ。

この店に行くと、こんな人とお酒を飲んでおしゃべりするのか。
茉莉子は店の白いソファに腰掛けて、シャンパンを傾ける自分を想像してみる。シャンデリアに照らされながら、ミニドレスから伸びる脚を組み、爽やかなオーデコロンの香るホストの肩に頭を預けている自分。
でも、それだけでいいの、私?

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イケメンと戯れたいのは山々だけど、ただおしゃべりしながらお酒飲むのが私の望み?
違うじゃない。
私はもっと深い仲を、築きたいわけでしょ?
ホストクラブのホームページを閉じ、茉莉子は検索結果一覧画面に戻った。次の見出しは派遣型レンタル彼氏だ。そこをクリックする。

システムの紹介と料金表が列記され、所属している男性の紹介はない。だが、年齢や特徴を指定すれば、希望に沿った相手を見繕ってくれるようだ。その「彼氏」は、女性の指定する場所で待ち合わせをし、デートをしてくれるらしい。
美しい夜景を眺めながら、観覧車で「彼氏」と二人きりのひと時を過ごす自分。最高部に到達し、はしゃぐ自分に、優しいキスをする「彼氏」…。

ちょっと待って。
この店の注意書きによると、握手と手繋ぎを除く「彼氏」とのボディコミュニケーションは 厳禁だ。破ればかなり高額の違約金を支払わねばならないという。
それでいいの、私?
アラサーにもなって、遊園地デートだけで満足?

お姫様対応はして欲しいけど、手繋ぎだけが望みなの?
違うでしょ?
開いているページを閉じ、またしても検索結果一覧画面に戻った。
なかなか見つからないのね、と茉莉子はため息を漏らした。
と、その時だ。

「高級ダンディクラブ HIASOBI あなたの望み叶えます」
という見出しが目に入った。
訝しがりながらも、茉莉子はそのページに入ってみた。
黒を基調としたトップページは、格調あるホームページのそれのように、五月蝿く飾り立てていない。淡々と、小さく、明朝体の文字が語る。

「我々は真に大人の女性が心ゆくサービスを提供しております。お望みいただくすべての事に、全力でお応え致します。是非、リクエストフォームにご記入いただき、貴女の素敵なお時間を提供できる機会をいただければ幸いです」
くまなく調べたが、運営会社の但し書きには、性交渉禁止の文言はない。

よっしゃ!コレ、イけるんじゃん?
満を持して、茉莉子はエントリーフォームに記入を始めた。
イケメンとロマンチックなシチュエーションでエッチ希望。行為は技巧派で。でもソフトに 優しいプレイが好み。私を女王様にして。
こう書いて茉莉子は送信した。

翌朝、娘を幼児教室に送り出した後、茉莉子はジムがあったのだが、ソワソワして運動に集中出来ず、ロッカールームに戻って携帯チェックばかりしていた。そしてようやく帰ろうかと、着替えを済ませた時、お望みの報せが届いた。
浴びたてのシャワーで火照った身体に石鹸の甘い香りがみずみずしい。
ドキドキしながら茉莉子は返信に目を通した。

『この度は数ある同業者の中から当会をお選びいただき、誠にありがとうございます。お望みの条件を満たすスタッフと致しまして、1 名の提案をさせていただきます。下記の URL より容姿の確認ができます。スタッフ名はナツメ、24 歳の法科大学院生です。またデートのシチュエーションですが、東京湾ナイトクルージング、というのはいかがでしょうか?ご検討の上、ご連絡いただければ幸いです』
すぐさま茉莉子は添付の URL を押した。すると息を飲んだ。まるで絵に描いたような美青年だったからだ。その場で茉莉子は申し込み希望の返信をした。

一週間後。
芝浦のインターコンチネンタルホテルに接した船着場で、茉莉子はナツメを待った。
時刻は午後 10 時。暗闇に湾岸沿いの夜景が瞬く頃だ。
娘は、茉莉子の両親に預けてきた。夫の夜勤と遠方で執り行われる友人の結婚式がバッティングした、という名目を添えて。夫の件は嘘ではないから、これぐらいで罰は当たらないだろうと、茉莉子は思っている。

「お待たせ致しました。今宵のご指名をいただきました、ナツメでございます」
サラリとした黒髪が特徴の、切れ長小顔イケメンだ。夜目であってもわかるほど、透き通るような白肌は、荒れがまったくなく滑らかだ。
脂ギッシュで毛穴によってザラついた夫の顔とは真逆だ。
「茉莉子です。よろしくお願いします」
差し出された手に自分の手を茉莉子は重ねた。

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その時、夜風に吹かれてナツメの髪からマリンブルーの爽やかな香りが茉莉子の鼻孔をついた。
あぁ、夢のよう。
今この瞬間のために、私は頭頂部が薄くてなんとなく臭う男との同衾に耐えてきたのだろう。
今夜、ロマンス劇場のヒロインになるために、私は年々腹周りが膨らんでいく短い体躯の男に尽くしてきたのだろう。
程よく熱を帯びたナツメの掌が、茉莉子の華奢な手を包む。弾力のある指が頼もしく、ささくれのない爪は握っていて心地よい。

夏は湿っていて、冬は冷たくかさついている、あの男とは大違いだ。
あぁ、我慢してよかった。私はナツメに出会うために生まれてきたんだ。
そう思おう。思わないとやってられない。
「茉莉子さん、もうすぐ船が着きます。それまで今しばらくお待ちください」
ナツメは瞳を輝かせて茉莉子に微笑みかける。

こんな風に優しく接してくれる人はいつぶりだろうか。少なくとも、夫は女性の扱いが下手であり、茉莉子に対してもぎこちなく、ぶっきらぼうだ。
そうだ。私は頑張ったのだ。
今日一日ぐらいお暇して何が悪い?
そんなことを考えていると、小さな桟橋に不似合いなほど大きな客船が着岸した。

「来ました。乗りましょう」
するとどこからともなく、綺麗に正装した男女が現れ、船へと乗り込んでいった。茉莉子も ナツメにエスコートされ、それに続いた。
どういうこと?私の出した条件をきちんと運営会社は読んだのかしら?
他の客が同船することに対し、戸惑いを感じながらも、茉莉子は客船へと足を踏み入れた。

そこは見るも豪華なクルーズ船だった。ヨーロッパの古城にあるような巨大なシャンデリアが高い天井から吊り下げられており、その下には大きなダンスフロアが広がる。生オーケストラこそいないものの、フロア内には優雅な曲調のクラシックが流れ、舞踏会さながらの雰囲気だ。
「すごーい。世界一周するクルーズ船みたい」
東京湾を一周するだけだと運営会社からは聞いていた。とてもそれだけを目的とした船だとは見えないため、茉莉子は面食らった。

「本当ですね。でも、茉莉子さんという姫をもてなすのには絶好のロケーションで、ボクは嬉しいです」
茉莉子の細い指をぎゅっと握り、目を見てナツメはこう言った。
その瞳は知性が溢れる者が持つそれのように、鋭さの中に澄んだ色が潜む。それだけでなくナツメの温かな眼は、優しさをも内包している。
真に洗練された男とはナツメのような男を指すのだろう。茉莉子は頬がポゥッと紅く染まるのを感じた。
「甲板に出てみますか?夜景が素晴らしいそうですよ」

(続く)

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