闇の男-第4話 3070文字 バロン椿

闇の男-第4話

日本の夜の世界を支配する男、武藤(むとう)甚一(じんいち)と、それに立ち向かう元社会部記者、「ハイエナ」こと田村編集長らとの戦いを描く、官能サスペンス長編。

作家名:バロン椿
文字数:約3070文字(第4話)
管理番号:k077

「ははは、これでいい。うん、いいぞ」
町田は今日もご機嫌。その書類を封筒にしまうと、「これで君もプロ。いつまでも『子供』じゃいかんな。なあ、悦子?」と含み笑いを浮かべながら、隣に座っていた朝岡悦子の顔を覗き込んだ。
「そうね、社長」と答えた彼女は立ち上がると、サイドボードに置いたバッグからリップを取り出し、瑞々しいルージュを引き直し、シュッシュッと首筋と胸元にコロンを吹きかけた。
そして、「ねえ」と雄介の方に手を差し出した。

だが、童顔の顔立ち通り、雄介はその類の話に疎い。
どうしていいか戸惑い、悦子の手を握るのを躊躇っていると、町田は「悦子が可愛がってくれると言っているじゃないか、遠慮するな」と言い、悦子は「まだ子供なのよ」と頬を手でなぞる。
「そうか、分からねえのか。ははは、俺は15だったがな」
「社長は早すぎるよ」
「悦子、お前は幾つの時だ?」
「ははは、もう忘れたわ」

雄介は何を言いたいのかまだ分からなかったが、「ここの話よ」と悦子に股間を撫でられ、ようやく事の成り行きを理解し、顔は赤らみ、股間が急に膨らんできた。
「社長、分かったみたい」
「お、そうか。じゃあ、早く行け」
「そうね。それじゃあ、うーんと可愛がって、立派な大人にしてあげようかしら」
悦子はバックを小脇に抱えて雄介の前に立つと、「行くわよ」と言って、ワンピースの裾をパッとめくった。

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「あっはは、悦子、気が利くぞ、あっはは。雄介君、二人だけになったら全部見せてくれるってよ、そうだな、悦子。ははは」
「もう、社長はエッチなんだから」
「悦子、『芳松』を使え。女将には連絡しておくから」
「松枝さんのとこね、うん、分かった」
「じゃあ、雄介君、頑張ってこい、あっはは」
悦子と繋いだ雄介の手は汗で湿っていた。<

旅館「芳松」

「松枝さん、ご無沙汰してます」
日本旅館「芳松」はアートギャラリー・マチダから車で20分程のところにある。
「あら、いらっしゃい。悦子さん、変わりない?」
朝岡悦子はれっきとした美大卒だが、ある巨匠に囲われ、たっぷりと性技を仕込まれたことがある、「性の女神」と渾名されるほどの女。
今年40歳になるが、今日のようにしっかり化粧をすると5、6歳は若く見える。

「うん、元気よ。社長から電話ありました?」
「電話なのに大きな声で『大事な客だからよろしくな』って、相変わらずね」
女将はお客のことなど詮索しないものだが、悦子の後ろで顔を見られたくないのか、ずっと下を向いている雄介が気になっていた。
中学生なのか、高校生なのか、背丈は悦子より高いが、さほど大きくなく、童顔で体は華奢。
その子がズボンの前を尖がらせている。

「いくつなの?」
「ふふふ、16」
「へえー、16ねえ」
「代わる?」
「まさか」
「そうね」
「だけど、いつものようにスイッチいれていいの?」
「構わないわよ」
「じゃあ、後でじっくり見せてもらおうかな」
「いやだ、それは約束違反よ」
「そうね。ははは、残念だけど仕方ないわね」

二人が意味深なことを言って、笑っていると、「離れのお支度出来ました」と仲居が現れた。
「じゃあ、悦子さん、ごゆっくり。勝代さん、お願いね」
「はい、おかみさん」
勝代に二人を引き渡した女将は奥に下がると、そこに仕掛けたビデオ装置のスイッチを「オン」した。
母屋と離れを繋ぐ廊下はギシギシと軋む音が聞こえる。
悦子に手を引かれた雄介は足が絡まっていた。

離れで

「こちらです」
仲居の勝代が襖を開けると、二間続きの座敷が広がり、手前の八畳間には大きな座卓と、それを挟んで向かい合うように座布団が、奥の寝室には布団が敷いてあった。
雄介は座敷に上がったものの、これから、あの布団で悦子と…そう思うと、パンチラを見た時のようなドキドキ感とはレベルが違う。
足がすくんで動けなくなっていた。
「どうしたの?顔色が悪いわよ」と悦子に聞かれ、「あ、いえ、な、なんでもない」と返したものの、声が上ずっていた。

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そこに「お風呂の支度も出来ておりますので」と浴室から勝代が戻ってきたが、膝がぶるぶると小刻みに震えている雄介を見て、「罪なことをするわね」と旧知の悦子に小声で囁いた。
「それではごゆっくり」
その言葉は悦子には皮肉のように聞こえた。
旅館「芳松」の離れは特別な部屋。
どこにいても全てカメラが捉え、どんな音も集音マイクが拾う。
(何が罪なことをよ。みんなで見ている癖に……)

悦子は抱えていたバックを座卓に置くと、ワンピースの背中のファスナーを下ろし、肩を中から抜いて手を離した。
花柄のワンピースがするすると足元に落ちていく。
悦子の下着は淡いピンクの揃いのもの。
雄介は「え、ええっ」と驚きながらも、目を張って見ている。
(いいわ、じっくり見せて上げるから……)

悦子は腰を屈めてそれを拾い、畳んで傍の座布団の上に置く。
続いて、お尻の方に手を回してストッキングに指を掛けて引き下ろし、それを両足首から抜きとった。
くるくるに丸まったものを丁寧に伸ばして、畳んで重ねた。
雄介が唾を飲み込む音が聞こえる。
悦子は表情も変えずに背中に手を回してホックを外し、ブラジャーの肩紐をずらした。
すると、零れ落ちるように熟れたマンゴーのようなおっぱいが現れた。

初めて見るおっぱい。
次は……と期待していた雄介に悦子はすーと近寄ると、首に腕を絡めて、雄介の口に吸い付いた。
「あっ、う、うぅぅ……」
雄介はのけ反ったが、悦子は構わず吸い求める。
チュッ、チュッ、チュッ……一旦離して、それから顔の角度を変え、再び唇を合わせると、雄介は腰が砕けてしまったが、悦子はそのまま体を重ねて離れない。
チュッ、チュッパッ、チュッパッ、チュッチュッ、チュッ……

悦子は雄介に馬乗りになると、両手で彼の頬を挟んで、その口にむさぼりつき、舌を挿し込み、上顎をなぞるように舐め上げる。
抗う気持ちなどない雄介は悦子のなすがまま、横たわっていたが、悦子が右手を伸ばして、ズボンの中に手を入れると、「あ、それは」と反射的にその手を掴んだ。しかし、そんなことで止める悦子ではない。
「いいから」と雄介の手を払うと、細い指でペニスを掴み、ゆっくりと扱いた。
その途端、雄介は「あ、ダ、ダメ……」と体を捩らせ悦子にしがみつき、次の瞬間、腰をガクガクとさせながら、「あっ!あっ!あっ!」と声を出して射精してしまった。

最初は湯の中で

「いいよ、自分でするから」
「いいから」
脱衣所に連れて来られた雄介は、染みが出来てしまったスラックスを悦子に脱がしてもらっていた。
「パンツは捨てちゃうから」
「えっ」
「だって、こんなんじゃ穿けないでしょう」

悦子が言う通り、ブリーフは中に溜まった精液でぐっしょり濡れている。
引き下ろすと、プーンと独特の臭いが辺りに漂ってきた。
悦子はちょっと顔を顰めたが、雄介は気がつかない。
「あらあら、随分と出たのね」
「あ、いや……」
悦子はほんの冗談のつもりで言ったのだが、雄介はこれ以上恥ずかしいことはないような顔をしていた。
確かに、陰毛には白濁した精液が絡まり、湯で洗い流さない限り、拭い落とせないほどに股間は汚れていた。

「先に行ってなさい」
「あ、うん」
雄介は悦子に浴室に入るように言われたが、悦子がショーツに手を掛けていたのが気になり、うじうじしていた。
「しょうがないわね」
悦子は少し腰を屈めてショーツを引き下ろすと、「いらっしゃい」と彼の手を取って、浴室のドアを開けた。
離れの湯船は檜。
湯気が立ち込めている。
悦子は雄介を洗い場に立たせると、その股間にシャワーの湯を掛け、それからスポンジにソープをつけて、その汚れを洗い流した。

(続く)

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