美人ジャーナリストは虜の身がお好きのようで-第2話 2390文字 邪道

美人ジャーナリストは虜の身がお好きのようで-第2話

大手新聞社を退職した佐藤郁子はヒマと美貌と豊満な肉体を持て余す、フリージャーナリスト。
恋人の猛のツテを頼り、彼の先輩高見から依頼された仕事。
それは政界の性事情をスクープするための潜入取材、いわば密偵だった。
SM嬢に扮し、裏社会の面々と対峙する郁子だが敢え無く捕まってしまい…。
窮地に堕る郁子だが、秘めたるマゾヒスティックな性癖を存分に満たされる淫靡な調教に加え、政界のプリンスとのハードなプレイに酔いしれる羽目に…。
果たして郁子の運命はいかに?

作家名:邪道
文字数:約2390文字(第2話)
管理番号:k140

第二夜:淫靡なご依頼

「た、猛…」
郁子に結婚の意思はない。
無論、彼を愛してはいる。
肉体的な相性もいいし、性癖も熟知してくれている。
が、精神的な関係も近すぎるせいか、今一つ婚姻という関係に縛られたくないという感情が先立つのだ。
「郁子ッ、郁子ッ…愛してるよ!」
猛のすり切れたような声音が、いつまでも彼を中途な関係のまま繋ぎ止めておくことに、罪悪感を微かに覚える郁子だ。

ハードなSEXの後は仲良くベッドに並びかけ、ブランデーをあおる。
「すまんな、郁子…。SEXの最中‘プロポーズ’なんてしちまって、さ」
少々気恥しそうに、猛は詫びると、それでも郁子が愛おしくて堪らない、とでもいうように額にキスをする。
「ふふ、猛が私にぞっこんだってことぐらい、周知の事実、でしょ。ありがとう…でも」
と、郁子は言葉を区切る。
「まだそんな気持ちにはならないの…。お仕事だってまだ私は道半ば、何の成果も出していないんですもの」
郁子は微かに男勝りな表情を浮かべると、決意を宣言するように生真面目な声音で言う。

二年ほど前まで大手新聞社の記者だった彼女だが、旧態依然とした古風過ぎる男尊女卑の体質にほとほと嫌気がさし、30を手前に退職し、今はフリーのライターの肩書だ。
「会社を辞めて、後悔してるんじゃないの?」
大手広告代理店で係長職にある猛は、どこか余裕を誇示するように尋ねてくる。
「そんなことないんだから!」
揶揄う様な恋人の言葉に、少しだけムキになってみる郁子。
「…って言いたいとこだけど、やっぱし会社の肩書って大きいよね…。フリーの女のライターなんて、どこに取材に行っても小娘扱いだもん」
確かに郁子が社会部時代に追っていた原子力発電の再稼働問題や、昨今世間を賑わす芸能界の裏側の取材は、いずれも道半ばで頓挫している。
逆にフリーになった今ではなんのIDカードもない若い女の記者では相手にしてもらえないのが実情だ。

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急にしゅん、となって頬を猛の肩に置いてみる甘え上手な恋人のショートヘアを、愛しむように大きな掌で撫でる猛。
「あなたのお嫁さん、って立場になる前に…いえ、たとえ家族になってからも、何か実になるお仕事をしていたいの…」
「フフフ、お前らしいな。…あ、そういえば…覚えてるだろう、俺の大学の先輩…高見さんの事。その彼がさ…お前の事、気にかけていてさ」
「え、なになに?」
郁子は瞳をらんらんと輝かせる。
「あ、でもどうしようかな、高見さん、女好きで知られているしなあ」
猛は、少々意地悪く嫉妬した素振りを見せつつ、郁子を焦らす。
「ねえねえ、猛。意地悪しないでよぅ、高見さん、なんて?」
郁子は大きなおっぱいの前でぎゅうッと両手を握りしめ、恋人をあがめるように見つめた――――。

一週間後―――。
「ここなの、ほんとに?」
WEB上の地図にすら表示されないその会社の場所は、六本木の外苑東通りから路地裏に少し進んだ雑居ビルのB1階にあった。
猛の先輩、高見恭平が教えてくれた名称を知らなければ、そこが会社とも思うまい。
『華屋敷』―――。
錆びついて薄汚れた小さな看板が、地下へ通じる階段の壁に貼り付けられていた。
階段を降りかけると、地上の雑多な雰囲気からはかけ離れた異世界のような重い空気が郁子の鼻孔をついた。
高見との会話を思い返す郁子。

『まあ、この仕事はある意味スパイだよ』
彼は事も無げに言った。
『六本木人脈って言葉があってさ…。六本木っていうのは不思議な街だよな。数億の資産を持つ富豪もいれば、風俗に身を堕とす女の子も働いている。最上級と最下層が同居する、そんな街は世界的にも稀だ。そんな雑多な街だからこそ、ソレを隠れ蓑にして、自分の秘めたる欲求を満たすため集う輩もいるらしい』
高見は言葉を区切ると、本題に入る。
『ある情報筋からのタレコミなんだけど、ある大物政治家がね…』
その政治家の名には郁子も聞き覚えがあった。
郁子にとって、ジャーナリストの端くれとして、これ以上ない取材対象の名を聞いた郁子は、かなりの冒険をする決意でここに来たのだ。

(でも、こんな妖しげな場所に後輩の恋人を送り込むってどういうコトよ、高見さんったら)
『華屋敷』は表向きうらぶれたバーだ。
が、店主は一癖も二癖もある人物で、裏社会こと半グレ集団・芸能界・政財界にも通じる妖しげなフィクサーとのこと。
口は堅く、金に困った女優や俳優を成金セレブと引き合わせ、逢瀬を仲介することもあるという。
そんな店への潜入取材…。

与党帝国親民党、副幹事長の狩野善一郎が密かにアブノーマルな性癖を満たす密会の場を、この『華屋敷』に設けている、そんな情報だ。
老練で狡猾そうな狩野は、見目麗しいとは云い難く、ルッキズムに支配されている昨今、評判は悪い。
特に狩野は最大派閥の領袖であり、キングメーカーとして次の総理を自分の子飼いの議員に託し、院政を敷こうと画策しているというのが世間一般、周知のところだ。
与党に打撃を与えることに執心しているTV局としては、この上ない特ダネになるわけだ。

高見はTV局に勤務するプロデューサーで、大手にありがちな下世話な潜入取材が不可能な立場だ。
郁子は一度、猛の紹介で顔を合わせたのち、数回にわたって仕事を内密に依頼されていた。
それも性風俗系の、である。
芸能界の裏人脈を駆使し、VIPだけが利用するという会員制のSMクラブなど、被験者としてルポをまとめて欲しいなどとオファーを受けていた。
が、当時は大手新聞社をやめたばかりでプライドだけは一丁前だった郁子は、それらを断ってきた。
しかし、今は、背に腹は代えられない。
むしろ、他人の望まない仕事を一つでもこなし、名前を売るしかない立場である。
郁子が乗り気だと知らせると、高見はスクープのネタを郁子に持ち込んできたわけだ。
無論、与党の政治家への揺さぶりという、大物プロデューサーらしい目論見も介在しての事だろうが、郁子としてはその話を二つ返事で受諾したのだった。

(続く)

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