こちら週刊エキサイトです-第2話 2260文字 バロン椿

こちら週刊エキサイトです-第2話

インターネット時代、もはや紙媒体は消えゆく運命か?
低調な売上に悩む「週刊エキサイト」は花形のWeb事業部次長の佐々木を編集長に迎えたが、やる気を失った古参記者たちにお手上げ。
そこに、やり手の樋口恵理子局長が「見てらっしゃい!」と乗り込み、実録「あなたの知らない熟女の性」路線を打ち出し、売上は急上昇。
しかし、思わぬ出来事が……

作家名:バロン椿
文字数:約2260文字(第2話)
管理番号:k108

「そうねえ、私は、昨日、セックスしましたけど、樋口さん、最近、してます?」
「な、何よ、急にそんなこと言い出して……私、私だって、それくらいは……」
「それくらいって、どれくらいか、具体的に聞きたいわね、みんな」

46歳の樋口局長に対し、“お局さま”洋子さんは42歳。どちらもバツ一の堂々たる熟女、その二人が若手の社員が見守る中、「若松」の大広間でにらみ合っている。

お局が絡む!

「『何か面白い話はないか?』、なんて言われたって、若い子は何を話していいか分からないわよ。樋口さんからお話ししてくれないと。ねえ、早川君、聞きたいわよね、局長のセックスを」

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樋口局長の相手は佐々木編集だと皆が知っている。しかし、それは社内のタブー。
だが、怖いものなしの洋子さんは、それを持ち出してきた。こうなったら、さすがの樋口局長も持て余し気味になる。
「洋子ちゃん」と猫なで声で懐柔しようとするが、酔っぱらった洋子さんには通じない。

「ウチはいろんな人がいるじゃない。男性は48歳の吉田さんから22歳の新入社員の伊藤君まで。女性は松野さん、安井さん、黒木さんが人妻、私と鶴田さん、それに加藤さんもバツイチだけど、あっ、ごめんね、熟れた30代の独身、ものこれだけいれば十分よね」

確かに、男性は22歳の伊藤純一、27歳の早川憲治、35歳の吉野一、40歳の北村徹、そして最年長、48歳の吉田慎一。女性は28歳の安井悦子、33歳の加藤貴子、38歳の黒木ひとみ、41歳の鶴田佳江、そして、お局、42歳の木下洋子とその同期の松野薫。人材は十分だ。

しかし、「全員で企画会議」と言われて無理矢理参加させられていた女性陣の中には「私は記者じゃないのよ!」と、男たち以上に白けた顔でチュウハイを飲んでいる者もいたが、樋口局長に〝お局さま〟洋子さんが絡み出すと、何を言い出すのか、興味津々。誰もがグラスを持つ手が止まっている。

そんな視線が集まる中、「今、ひらめいたんだけど、ねえ、聞いてよ」と洋子さんがグラスのチュウハイを飲み干すと、局長も、周りの男たちもつられてグラスの中身を一気に飲み干した。

「黒木さんは二人の男の子がいる38歳の主婦。そんな主婦の性生活なんか聞きたくない?」
「よ、洋子さん、何んてことを言い出すのよ!」
名指しで言われた黒木さんはびっくりしてチュウハイを溢しそうになった。

「ふふふ、ねえ、伊藤君、38歳の子持ちの主婦が、旦那さんと週に3回セックスしている、どんな姿なのか、想像したら、ぞくぞくするわね」
社内では泣く子も黙る樋口局長だが、仕事で関係があまりない女性たちにとっては“お局さま”洋子さんの方がよっぽど怖い。

「深夜、子供たちが寝静まった頃、旦那が妻を抱きしめるところから始まる。『あなたぁ』と旦那に甘える妻、ご主人が『しようか?』と首筋に唇を寄せると『はい』と恥かしそうに答える」
「よ、洋子さん!」

黒木さんは顔が引きつっているが、洋子さんにはそんなこと何でもない。
「旦那の手がショーツに掛かり、妻はそれに協力し、喜んで生れたままの姿になる」
「もう止めて!」

黒木さんは泣き出しそうな顔で耳を塞ぐが、男も女も酒を持つ手がとまり、黒木さんをじっと見つめている。
「な、何よ、みんなして、そんな風に見て……」と黒木さんは部屋の隅に後退りするが、洋子さんのナレーションは止まらない。

「旦那が妻の乳房を優しく揉みほぐしながら、腕、脇の下などに舌を這わせます。『あっ、あなた、あなた、いい、いい、あっ、あっ……」と悩ましく、掠れそうな声が妻の口から漏れる」

語る洋子さんの声は経験に裏打ちされ、AV女優よりも悩ましい。
「旦那の愛撫は下半身へと移ります。やはり夫婦、旦那が何をしたいのか妻には分かる。妻が脚を開くと、旦那がそこに顔を埋める」
山場に来て、何故か黒木さんも手で股間を押さえている。

「妻の息遣いは荒く、『あっ、あっ、ああ、いい、いいわ、あなた……』と布団の端にしがみつきながら、喘ぎ、身悶える」
その場にいる者全員が黒木さんを見つめながら、洋子さんの次の言葉を固唾を飲んで待っている。

「『入れるよ』と旦那の声に、妻は小さく頷く。硬くなった己のものを妻の中に挿入すると、『あっ!』と叫ぶような声が、さらに旦那が腰を突き出す度に『あっ、あっ、あっ、あぁぁぁ……』と喘ぎ声が大きくなってくるが、隣の部屋で寝ている男の子に聞かれていけないと、必死で口を左手で押さえる」

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昨夜のことを思い出しているのか、黒木さんの目が潤んできた。
「だが、もう隣の部屋のことなんかかまっていられない。『あっ、あっ、逝っちゃ、逝っちゃ、逝っちゃうよ……』と首を振り、手をバタつかせながら、とうとう妻は逝ってしまった」

さすが熟女。アダルトビデオでは決して味わえない、本当のエロい喘ぎ声に、皆から一斉に「ふうーー……」とため息が漏れる。
だが、語り終えた洋子さんは気が抜けたのか、「私だってね、だてに編集部にいるんじゃないのよ。〝お局さま〟じゃないのよ。へん、何が局長よ、ヒック、ヒック……」と次第に呂律が回らなくなり、とうとうテーブルに突っ伏し、酔いつぶれてしまった。

頃合いと思った者たちが、「ねえ、ここらで終わりにしないと」、「そ、そうだな……」と互いに目配せし、その空気を察した“恵理子様”の樋口局長は、“お局さま”に負けたとは言われたくないが、今夜は形勢悪しと、「ま、まあ、いんじゃない、生々しくて。そ、そうね、企画会議はこれでお終い。じゃあ、後はよろしくね」と言い残し、逃げるように帰ってしまった。

(続く)

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