闇の男-第10話 3090文字 バロン椿

闇の男-第10話

日本の夜の世界を支配する男、武藤甚一(じんいち)と、それに立ち向かう元社会部記者、「ハイエナ」こと田村編集長らとの戦いを描く、官能サスペンス長編。

作家名:バロン椿
文字数:約3090文字(第10話)
管理番号:k077

「先生」は「そうか。冷房で体が冷えたんじゃないか?それなら、この薬膳スープを飲んだらどうだ。温まるぞ」と気遣うようなことを言うが、美智代にすればいたぶりに過ぎない。「止めて下さい!」と言えない美智代は我慢して全て飲み干した。
すると、体が火照り、額に汗が浮かんできた。
雄介も同じらしく、しきりに汗を拭いている。

「どうやら効いてきたようだな。スッポンだとか、精がつくものをたっぷり入れてもらったからな。後が楽しみだな。あははは」
何を言われても、耳に入らない。
はっきりしているのは、食事が終われば、この子とセックスさせられること。
美智代は泣き出したくなった。

凌辱

そうこうするうち、食事が終わり、とうとう、その時が来てしまった。
「さて、食事も終わったことだし、本題に入るか。なあ、川島」
「あ、は、はい」
俯いていた雄介が慌てて顔を上げると、「先生」はニヤッと笑っていた。

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「今日、お前を呼んだのは、他でもない。ここで美智代とセックスしてもらうためだ」
「えっ」
「何を驚いている?」
「あ、いえ……」
悦子の言った通り、隣の八畳間に仲居が布団を敷いている。
まさか、いきなりそんなことをしろとは…雄介は慌てた。
隣を見ると、美智代は下を向いたまま、ハンカチを握り締めていた。

「美智代はこんな美人なのに、腐った亭主のせいで、セックスもできないでいる可哀想な女なんだ」
「け、結婚しているんですか?」
「だから、どうした?」
「あ、いえ」
それは驚くのが当たり前だが、「先生」は「そんなことは気にしなくていい」と言い、それどころか、「私がお前を選んだ。それだけでいいんだ。いいか、こいつは35歳の女盛り、セックスがしたくて、したくて、ずっと我慢してきたんだ。可哀そうだろう」と、こんなことまで言う。

その時、美智代がハンカチで顔を覆って泣き出した。
先日は脅かされて、嫌々承諾した。
だけど、こんな風に嬲られると、悔しくて、涙が止まらなくなっていた。
しかし、そんなことで考えを変える「先生」ではない。
「美智代、泣くな。お前が川島とセックスするのは決まったことなんだ」

そう言ってメガネを外した「先生」は「おい、何をぼやっとしている。早く支度しろ」と雄介を一喝した。
「えっ、何をすれば」
「バカ野郎!セックスするんだから、裸になるんだよ」
「でも、そんなことは」
「釣り糸で縛ってもいいが、それでいいのか?」
「ち、違います!」

一喝された雄介は慌てて立ち上がった。
「分かっているなら、世話やかすな。さっさと裸になれって」
「は、はい!」
雄介は震える手でシャツとスラックスを脱いでパンツに手を掛けた。
「素直にそうすればいいんだ」

「先生」はゆっくりとお茶を飲み干すと、今度は「お前もだ」と美智代にも促した。
しかし、そんなことは出来ない。
堪えきれなくなった美智代は「どうして、どうしてそんなことをしなくちゃいけないのよ!いや、そんなのいやー」と泣き叫んだが、傍にいた仲居に腕を掴まれ、その場に押さえつけられてしまった。
「離して、離して、離してよ!」

美智代は髪を振り乱して、振り解こうとするが、そこに仲居頭の峰子が現れ「処女じゃないんだから、言われた通りにすればいいのよ!」と右手で美智代の頬をパーン、パーンと張り飛ばした。
美智代の頬はみるみる赤く腫れてきたが、お構いなし。
「ほら、ぼやっとしてないでちゃんと押さえといて」と仲居たちに命じ、後ろから羽交い締めにすると、「世話を焼かすんじゃないわよ」と峰子がワンピースの裾をたくし上げ、中に手を入れて、ストッキングと一緒にショーツを引き下ろした。

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雄介には太腿の奥の方まで、はっきりと見えた。
「先生」は怖いが、目の前で、泣きながら抵抗する美智代の服が切り裂かれ、丸裸にされている。
そんな異様な光景を見せられた雄介は頭がおかしくなってきた。
ペニスはどうしよもないくらいに勃起している。
「ははは、川島、凄いじゃないか。美智代、もうあきらめろ」

「先生」は笑っている。
その間にも、素っ裸の美智代は仲居に羽交い絞めにされたまま〝生け贄台〟の布団に寝かされ、峰子はその股間に何かを塗り込んでいた。
「あそこが疼いて、疼いて我慢できなくなる媚薬よ」
いつの間にか悦子が来ていた。
「え、あ、悦子さん」と驚く雄介に、「さあ、これを飲んで」と錠剤を渡した。

「な、何だよ?」
「オチンチンが元気になる薬よ」
「あ、いや」
「いいから飲みなさい」
断れる状況ではない。
無理やりED薬を飲まされた雄介は、「さあ、行きなさい」と悦子に背中を押され、美智代に近づくと、峰子が「ほら、よく見て」と股間を大きく広げた。

「イヤ、イヤ、見ないで……」と美智代は泣くが、そう言われると余計に見たくなる。
誘い込まれるように顔を近づけて覗き込むと、見えた。もやっと繁った陰毛の奥に、パックリと口を開けた鶏冠に似た小陰唇と、ピンク色の膣肉がはっきりと見えた。
「ダメよ、それはダメよ!」
美智代は脚をバタつかせるが、仲居たちに太腿をしっかり抱えられ、逃げようがない。

興奮して異様な目をしている雄介はペニスを挿入しようと体を重ねてくると、お尻を捻って避けようとした。
しかし、媚薬で濡れて口を開けてしまった小陰唇にペニスの先端を挿し込まれてしまった。
「あああ、そんなことしちゃ、ダメ……ダメ、それだけはダメ、絶対にダメ……」
羽交い絞めを振り切った美智代が手を突っ張って雄介の体を突き放そうとしたが、峰子がそれを許さなかった。

後から雄介の腰に抱き付き、そのまま二人して重なったから、「あ、あ、あああ、イヤ、イヤー……」と首を振る美智代の中に、雄介の細くて長いペニスがすっぽりと根元まで完全に収まった。
「う、うっ…」と雄介は呻くが、峰子は休ませず、「ほらほら、腰を使って」と雄介の腰を引いたり、突き出したりする。
「いや、いや、やめて……」

美智代は泣いていたが、子宮まで届く雄介の細くて長いペニスに膣内を掻き回され、心とは裏腹に体が反応し、「う、う……あ…あ、あ、イヤッ……」と、とうとう顔が歪む。
峰子は手を離したが、両太腿を抱えた雄介が自分で腰を動かし、攻めのピッチは上がる。
それと共に膣は愛液で溢れ、シーツに染みが広がってきた。

「上手いじゃないか。美智代が感じているぞ」
「ふふふ、そうみたい」
「先生」と悦子はニヤニヤしていたが、それもつかの間、雄介の体が小刻みに震え出し、「うっ……うわぁ……」と呻くと、ガクッと美智代の上に重なった。
そして、美智代の股間を覗き込んだ峰子が、溢れ出た精液がアナルを伝わりシーツに流れ落ちていくのを見て、「しっかり注入しました」と「先生」の方を向くと、「川島、よくやった。立派だぞ」と満足そうな顔で頷いていた。

西へ

旅館「三益」から連れ出された美智代と雄介はワンボックスカーの2列目、3列目に座らせられ、それぞれ隣には監視役の男が乗り込み、助手席には「ご無沙汰、美智代さん」と茜が乗り込んできた。
ホテルで武藤に犯された時、三郎とエロ芝居をしていた茜だ。
彼女の名前は木村(きむら)茜(あかね)。
今は風俗に売り込む女の「教育係」を務めている。

その茜が「行って」と言うと、ドライバー役の男は「了解」と車を静かに走り出させ、間もなく、首都高速道路に乗り、東名川崎方面に向かう。
「どこに行くのかな……」
後ろの席の雄介が呟いた。このままでは学校に行けなくなる。
「川島が休みだって」、「どうしたのかしら?」と同級生が心配してくれるが、そのうち、悦子とのこととか、昨晩のことが知られると、もう学校には行けなくなる。
最悪は退学だ。
考えれば考える程に悲しくなってくる。

(続く)

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