北陸道ー熱愛ライン-第2話
夏休み、高校2年生の高木秀夫は、知り合いから「ちょい手伝うて欲しい」と、お土産店の店番を頼まれた。気が進まないアルバイトだったが、出掛けてみると「社長はん、拭き掃除、終わったけど」と、36歳の熟女、木村美佐江が現れた。
何やら胸が高まるが、狭い町だから仲良くなっても噂になるのも早い。さて、どんなことになるか……
作家名:バロン椿
文字数:約2440文字(第2話)
管理番号:k138
太陽のいたずら
そんな、かんや色々あったが、期末テストが終わると、秀夫は海岸通りの土産物店でアルバイトを始めた。
「おいでやす。どうぞ見ていっとぉくれやす」
店には美佐江の明るい声が響くが、秀夫は咄嗟には声が出ず、「い、いらっしゃい」と口ごもる始末。様子を見に来た小山のおじは最初こそ、「まあ、仕方あらへん」と言っていたが、商売人の彼には我慢出来ない。
「秀夫、ちょっと来い」と裏に呼ぶと、「しっかり声を出すんや。わしのやることを見てみい」と身振り手振りの実演指導。だが、声が小さく、「あかん、あかん、そないや、お客があっち行ってしまう」と叱られてばかり。そこに、見かねた美佐江が「社長はん、お茶でも」と助け船を出してくれた。
一息いれた小山のおじは「何事も経験や」と秀夫の背中をバンバンと叩くと、「頑張りや」と言い残し、帰っていった。
散々な初日。秀夫は、「そやさかい『できひん』て言うたんや」と愚痴をこぼしていたが、地元のおばさんたちに聞かれたら、「何をグタグタ言うてんねん」と言われかねない。美佐江は「うちも最初はあかんかったんやで。直ぐに馴れるさかい」と労りの言葉を掛けてくれた。
翌朝、「おはよう」と挨拶すると、「おはよう。一緒に頑張ろうね」と笑顔で迎えてくれた。か弱くて、暗いと感じていた印象は優しくて、温かいと変わり、秀夫は一変に美佐江が気に入ってしまった。
それで気持ちも入れ替わったのか、「おいでやす」と美佐江がお客さんに声を掛ける前に、「いらっしゃい!」と秀夫が店頭に出ていた。
「ふふふ、ええねえ」
美佐江も自然に笑みがこぼれ、「ちょいと見てみようか」と店を覗くお客さんが多くなった。そんな具合だから、二人はすっかり打ち解けた。
「あははは、そうなの?知らんだわ」
「そうだよ、常識やで」
「それなら、あの俳優とええ仲やって、本当なの?」
「へえ、ほれは知らんだ」
17と36と年は違うが、芸能人のゴシップは共通の話題。いつの間にか、美佐江は「高木君」が「秀夫君」から「秀夫ちゃん」と、秀夫も「木村さん」と呼んでいたが、「おばちゃん」となり、それは直ぐに「嫌やわ、そないな呼び方。せめて『美佐江』と名前で呼んでよ」と変わっていた。
そんな調子で、アルバイトは楽しいものに変わった、8月初旬。その日も朝からジリジリするような暑さに、海岸通りの人通りは少なく、店を覗く客もない。手持ち無沙汰の二人は、
「クーラーが欲しいわね」
「うん」
「秀夫ちゃん、社長に言うてや」
「えっ、そないなこと無理や」
とたわいもない会話をしていたが、世慣れた美佐江は「こないに暑い日は誰も来いへんよ」と店の奥に座り、水色のワンピースの胸元をうちわで扇いでいたが、秀夫は生真面目というか、「しっかり店番するんや」と小山のおじに言われていたこともあり、店頭に置いた椅子に腰掛けていた。
「秀夫ちゃん、何でアルバイトなんかするん?」
「おじさん(オーナー)に頼まれたから」
「ふぅーん、ほうか」
店の前をバスが通り過ぎていくが、乗っている人も疎ら。やはり、美佐江の言うとおり、「誰も来いへんよ」なのか。
「彼女はおらんの?」
「僕ですか?そんなもん、いませんよ」
「どうして?」
「どうしてって言われても……学校は男子校やし、知り合うチャンスなんかありませんよ」
「もったいないなあ、ええ男なのに」
時刻は間もなく午前11時。「ふう、暑い」と腰を上げた美佐江は「お茶でも淹れるから、こっちで休憩しよう」と秀夫を奥の座敷に誘った。
秀夫は表を気にしながら、ワンピースの裾を翻して台所に立つ美佐江。秀夫はその後ろ姿を目で追っていたが、思わず、「やっぱりきれいやな……」と呟いていたが、その時、棚から湯飲み茶わんを取り出そうして、爪先立ちしている美佐江に、裏口から射し込む日差しが当たり、薄手のワンピースが透けて、体の線どころか下着の形もはっきりと見え、「あっ」と秀夫は声が出そうになってしまった。
「どないしたん?」と振り向いた美佐江は相変わらずの笑顔。顔が赤くなった秀夫は「あ、いや、なんでも……」と下を向いたが、お茶を飲む間も、美佐江のワンピースの中が気になってしかたがなかった。
夢精
「秀夫ちゃん、それはあかんよ……」
「美佐江はん、ええじゃないか。お客なんか来いへんし」
奥の座敷の隅に追い詰めた秀夫が美佐江のスカートを捲ると、太腿の奥に白いパンティが見える。そこに手を伸ばすと、美佐江は手を叩き、スカートの裾を押さえるが、秀夫も必死。
乱れるのも構わず、足をバタバタさせていたが、秀夫も必死だ。
「触ったっていいでしょう」と迫るが、美佐江も「いやよ。そないエッチなことをしはる秀夫ちゃんなんか嫌いやよ。離しいや、人を呼ぶわよ」と身体を捩って逃げる。しかし、気持ちが高ぶる秀夫は、「ええやないか、美佐江はんかて僕が好きなんやないさかい」とパンティに手を掛けると、目に涙を浮かべた美佐江は両脚をピタッと閉じ、「あ、あかんよ、手を離しいや。あかんったら……」と両手で股間を押さえるが、秀夫は止まらない。
「美佐江!」と力一杯、その白い布きれを引っ張ると、ビリビリとちぎれ、秀夫はその両脚を大きく開いた。しかし、真っ黒な陰毛が股間を覆い、見えるべきものが見えない。
掻き分けても、掻き分けても、入れる場所が見つからず、秀夫のペニスはピクピクと痙攣し始めてしまった。
「み、美佐江はん……」
「あかん、あかんよ、入れたらあかんよ……」
焦る秀夫はやみくもに腰を突き出すが、肝心な穴が見つからず、挿入する前に「あっ!あっ!あっ!」と限界がきてしまった。
あ、いけねえ……目が覚めた秀夫のパンツはぬるっとした粘り気のあるものに濡れていた。
そこに、「秀夫、起きてる?アルバイトに遅れるよ」と母親の大きな声。「わ、分かっているよ……」と秀夫は起き上がったが、このままでは顔も洗えない。ペニスをティッシュで拭って、タンスから新しいパンツを取り出し、それに穿き替えた。
頭の中は美佐江のことで一杯だった。
(続く)
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