困ったお隣-最終話 3040文字 バロン椿

困ったお隣-第9話

和代は幼馴染の植木職人、桝本泰三と籍こそ入れて無いものの、夫婦同然、つつましやかに暮らしていた。年は和代が三つ上だが、和代にとって泰三は初めての男で、唯一の男だった。
しかし、お隣に木村夫妻が越して来てからというもの、生活は一変、抜けることのできない「性の蟻地獄」のようなものに巻き込まれてしまった。

作家名:バロン椿
文字数:約3040文字(第9話)
管理番号:k083

「ああいうのに限ってはまるんだよ」
小百合の夫、武さんは笑っているが、笑えないのが普通、和代も頬が引き攣っていた。

「それでは」と小山さんが室内の明かりを消す。残るはナイトランプの僅かな光のみ、少し離れれば顔も見えないが、気配は感じる。それが妖しい雰囲気を更に煽る。
はあ、はあ、あ、あああ…はぁぁ…

早くも小百合の喘ぎとも、すすり泣きとも言えぬ悩ましい声が聞こえてきたが、和代はガウンの襟元をしっかりと握り締めていた。
「そんなに硬くなったら、楽しめないですよ」と武さんはガウンを脱いでいる。「あ、いえ……」と和代は目を逸らすが、あの日見た長くて太いペニスが姿を現し、ムクムクと大きくなってくる。

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そして、「さあさあ」と和代のガウンの裾を広げようとする。「ま、待って下さい」と和代は裾を押さえるが、武さんはあまくなった襟元に手を挿し込んできた。和代は咄嗟に「あ、いや」と体を捩ったが、「ははは、いい形していますね」と武さんは笑っている。

中学の数学の先生だというが、ホストになった方がいいくらいだ。
「こ、困ります」と和代がその手を掴むと、「本当に可愛いんだから」と、無防備になった裾を捲り上げ、和代はあっという間に裸にされてしまった。

その時、右隣りから、「お上手ね」、「そうでもないよ」という声が聞こえてきた。見ると、小百合と、先程までは緊張していた山田憲治さんだった。
彼は小百合の上になり、乳房、腰、お尻と小百合の体を撫で回し、股間に手を挿し入れていた。

「だから言ったでしょう、はまるんだって」
武さんは笑いながら、和代の乳房を揉みしだく。
一方、左隣りからは、「あ、いや、いやもういや……」と小山さんからクンニで攻め立てられた妻の洋子さんが髪を振り乱し、体を捩って喘いでいた。

「ね、みんな、楽しんでいるんだから」と武さんが唇を合わせてきた。しかし、こんなことをしていたら……大学生の幹夫君とは勢いでセックスしてしまったが、所詮、彼は行きずりの他人。だが、武さんはお隣の住人で、小百合のご主人。セックスしたら、とんでもないことになる。

「や、止めて下さい」と力を振り絞って押し返そうとした。しかし、「そうされると、ゾクゾクしちゃうな」と、悦ぶ始末。即座に両手首を掴むと、バンザイのように、上に持ち上げ、「可愛い人だ」と、伸し掛り、チュッ……と唇を厚く重ねてきた。もう逃げられない。

チュッ、チュッ、チュッパッ、チュッパッ……
幾度も繰り返される口付け。和代は諦めと共に、体から力が抜けてきた。そこを武さんは逃さない。
「ふぅぅ……」と唇を離すと、同時に「きれいだなあ、和代さんは……」と耳朶を軽く噛み、そのまま舌を首筋から乳房に走らせ、乳首をしゃぶる。

コリコリに尖った乳首はとても敏感。
「あ、あ、あああ……」と自然に口が開き、体が捩れる。
「そうだよ、それでいいんだ」と武さんは体を下げ、腰、お尻と撫で回し、そこに舌を這わせ、指の腹で割れ目を撫で上げ、それから中に指を入れる。

「あん、あ、あ、あっ、あっ……」と身を捩らす和代の股間は、はしたない程に濡れ、指を抜いた武さんはそこにしゃぶりつく。鼻が陰毛に埋まり、ジュリジュリするが、それを掻き分け舌を割れ目に挿し込み、中を掻きまわすと、「あ、あ、ああ…いや、いや、や、止めて下さい、あ、あああ……」と体が反り返った。

「おいおい、どうしたんだ?」
「凄いわね」
右隣りの小百合と山田憲治さんは自分たちの行為を止め、和代と武さんの行為に見入る程、「あ、あ、イヤ、イヤ……や、やめて……あ、あ、あああ……」と和代の喘ぎは大きく部屋に響き渡る。

ところが、それ以上に凄いのが左隣りの小山さんと山田洋子さんだ。

「あっ、いや、いや、もう、いやっ……」と洋子さんは逃げ出そうとするが、「まだだ」と太腿を抱えて離さない小山さんの執拗なクンニに、とうとう髪を振り乱し、「お願い、お願いだから、はあ、はあ、はあ、あっ、あっ、いや、オシッコ、オシッコが出ちゃう……ああ、ああ、いや、もう苛めないで、いやあ、いやよ、で、出ちゃう……」と足をバタつかせ、シャー……という音と共に漏らしてしまった。

「初めてですよ、洋子のあんな声を聞いたのは」
「大洪水かしら?」
「へへ、小百合さんは?」
「ふふ、それはあなた次第」
「そうか」

小百合たちは存分に楽しんでいるようだ、武さんに両脚を大きく広げられた和代は合体直前。
「いや、ダメ、それはダメ……」と僅かに抗うが、「いいかい?」と、いきり立つペニスを掴んだ武さんは止まらない。コンドームを被せた亀頭の先を膣口にあてがい、グイッと腰を前に突き出した。

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その瞬間、「あん……」と声が出た和代は本能的に武さんを抱き締め、ペニスは膣の中に根元まですっぽりと納まった。
もはや、貞淑であろうとする人妻ではない。ただの雌になった和代は「いや、もう、ダメ……」と武さんを抱き締め、「和代さん、そうだよ、そう、そう」と柔らかく腰を動かす武さんを受け入れていた。

「ねえ、いつまで見ているの?」
「え、あ、いや、ああ、そ、そうだね」
小百合を組み敷いた山田憲治さんは枕元からコンドームを取り出した。

その間にも、武さんの腰の動きは速さが増し、和代の喘ぎは「あっ、あっ、あっ……」と大きくなり、武さんが腰の動きを速めると、「ああっ、あっ、あっ、あっ、うっ、うっ、うっ、ああっ、あ、あああ……」と体が反り返ってきた。
いよいよ、クライマックスだ。

「あ、いや、あ、あ、い、い、逝っ、逝っちゃう……」と首を激しく振る和代、武さんも「か、和代さん……」と顔に余裕が無くなってきた。そして、「あ、あ、あっ、あっ……」と和代がしがみつくと、「うっ!うっ!うっ!……」と武さんは腰を激しく打ちつけていた。

抜け出せない性の蟻地獄

「ねえ、時間はあるの?」
洗濯物を畳んでいると、電話が架かってくる。学校に行っている筈なのに、「バイブを使うなら、カーテンを閉めた方がいいわよ」とまるで覗いているかのようなことまで言ってくる。それだけではない。

「フルバックのパンティばかりじゃ、ご主人、飽きちゃうでしょう。ピンクのTバック、頼んでおいたから、今日にも届くはずだから、穿いてあげたら?」なんて、勝手に通販を申し込んだりする。

そして、「明日は小山さんのところでパーティだから」と、あのスワップパーティに誘ってくる。
断ればいいじゃないかと他人は言うかも知れないが、「どう、ご主人も一緒に?」なんて脅しも忘れない。

武さん、小山さん、それに山田憲治さんに抱かれたことは言うまでもないが、最近は幹夫までも小百合は誘い込み、「和代さんは人気があるから」等と言う。

勿論、和代に罪悪感はあるが、強く抱き締めるだけの泰三とは違い、武さんも小山さんも頭がおかしくなる程に舐めてくれるから、その味わいが忘れられなくなってしまった。山田憲治さんとの場合は、奥様の洋子さんがじっと睨む、あの嫉妬に満ちた目を見ると、勝ち誇ったような感じがして、これも止められなくなってしまった。

幹夫は、和代がリードできるから、内緒だけど本気になれる。
いつかは泰三にもバレてしまうかも知れない。そうなったらどうなるか?考えたら怖くなる。

でも、体が疼いて、「お姉さん、行こう」と誘われると、「何だよ、また外飯か?」と泰三は不愉快そうな顔をするが、「ごめんなさい、断れないの」と和代は家を出る。
木村夫妻は困ったお隣だが、和代は「性の蟻地獄」から抜け出せなくなっていた。

(終わり)

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