セックスフレンズ-第4話 3090文字 ステファニー

セックスフレンズ-第4話

謎の美青年レオンを取り巻く女たちの物語。

作家名:ステファニー
文字数:約3090文字(第4話)
管理番号:k127

また学校が始まってしまった。舞は憂鬱な気分で桜抹茶ラテをストローで突っついた。
「でもさぁ、ウチらも四年なんて信じらんないよね」
「本っ当。来年の今頃は卒業してるんだよね」
その前にちゃんと来年卒業できるかの心配をしろよ、と舞は思う。お前ら二人とも、単位落としまくってること知ってんだぞ、とも。

舞の通う日本芸術大学は通常の大学とは違い、四年生だからと言って就職活動で多忙ではない。進路は進学、留学、芸能活動(もちろん収入が得られるとは限らない)と多岐に渡るからだ。ストローでかき混ぜながら、舞は向かいに座る渡辺倫に話しかけた。
「りんちゃんは劇団シーズンズを受けるの?」

目鼻立ちが大きく小顔の倫は、高校時代に高崎歌劇団を受験するも失敗に終わり、泣く泣く日本芸術大学に入学したという。
「そうだよ。来年からは舞台女優だよ」
受かる気でいるんだ、コイツ。と、舞はツッコミたくなる。
「私も小田原オペラ研究所の試験受けようかなと思ってるの」

テディプレイスーツ一覧02

お前は訊いてないから、と言いたいところだが、顔も身体も声も態度も大きい横山ゆみが話に割り込んだことで、また倫とゆみの会話が弾んだ。よって舞は輪を外れることができ、ホッとした。
個性の強い学生が多い大学のため、舞はあまり周囲に馴染めていない。だが、ひとりぼっちだと思われたくもないから、こうして誘われれば断るのはイヤだった。

おまけに負けず嫌いでプライドの高い性格をしている学生が多いのもこの大学の特徴だ。力量が可視化されてしまうし、有望な学生には教授が贔屓しがちなのが原因だろう。おかげで大学生だというのに、周囲の目や噂話ばかりに気を取られ、まるで小学生みたいな学校生活で舞はほとほと疲れている。

とはいえ卒業したいかと問われれば、舞は言葉に詰まるだろう。進路について両親と決着がついていないからだ。
イタリア留学を希望している舞に対し、両親は勉強を続けたいなら国内の大学院に進学するようにと言って憚らない。どうしてもイタリアに行きたいなら自分でお金を貯めて行くように、と言われたが、何百万もの費用を舞が用意するのは到底できそうにない。

倫とゆみが話に花を咲かせている向かいで、舞はそっと小さくため息をついた。
またレオンに会いたいな。
春休みの間、舞は三回、レオンと会い、セックスした。美しく優しいだけでなく性的なテクニックの高いレオンに、舞はすっかり惚れ込んでいる。この前は大学生活の悩みも聞いてもらった。先輩だからと、親身に話を聞いてくれた。進路についても相談したいと思う。あんなサイトで出会ったけれど、舞はレオンにセフレ以上の感情を抱きつつある。

このまま彼氏になってくれないかな。一緒にディズニーランドに行きたいな。プーさんのハニーハントならきっと楽しめるはず…。
ラテをストローで吸いながら、カフェの外に舞は目をやった。その時だった。
嘘、レオン…?
背格好がレオンにそっくりな青年が歩いている。その脇にはどう見てもカタギではない女がピタリと寄り添っている。女は時に青年の肩や腕を引き、介助している様子がある。

やはりあれはレオンに間違いない。
舞は女から目が離せなくなった。金髪のロングヘアを夜会巻きにしており、瞳には大きなサングラスがかけられている。その下に覗く肌は陶器のように透き通っている。幾何学模様のワンピースは背中が大きく開き、小枝のように細い脚なのにピンヒールのサンダルを颯爽と履きこなしている。

誰、アレ…。
舞の心臓は高鳴った。
たかがセフレだ。互いのプライベートには口出し厳禁だ。レオンが誰と付き合おうと自由だ。舞には関係ない。
でも…。
「ねぇ、舞、聞いてる?」

倫の大声で舞は我に返った。
「ごめん、何の話だっけ?」
悟られぬよう、舞は必死に繕った。
「だから小鳩レイがウチの大学の卒業生らしいって話」
「そうなんだ」

小鳩レイといえば、素性を一切明かしていない謎のクリエイターだ。
「うん。私の二外の友達で、美術学科の子がさ、漫画家の藤林晃のアシスタントやっててさ。 『天狗の鼻』のね。その藤林晃と小鳩レイがウチの大学で同級生だったって聞いたみたいで」
「へぇー」

それだけなら舞はいつも通り倫の話を聞き流しただろう。だが、その後の展開に度肝を抜かれた。
「でさぁ、藤林晃が言うには、小鳩レイって耳が聞こえないらしいんだよね」
マジで、と言おうとしたが、舞は言葉が出て来なかった。
それってもしかして…。

新宿・歌舞伎町の入口でレオンは聖羅と待ち合わせをした。到着した聖羅を見てレオンは魂消た。聖羅は頭のてっぺんから足の先まで、完璧としか言いようのない程、洗練された女だったからだ。
それは外見だけではない。時折見せる、レオンに対する仕草からも見て取れた。

金髪にした髪を大きく上に巻き、顔をすっぽり覆ってしまいそうなサングラスを瞳に乗せ、 海外の免税店でしか嗅いだことのないフレグランスの匂いがうなじから香る。身にまとっているブルーのワンピースとヒールの高いサンダル、ミニハンドバッグはいずれも高級ブランドショップのものだ。
この女はその筋の者なんだろう。

あのセフレ募集サイトを通して何人もの女と会ったが、みな平凡な女だっただけに、今回はかなり刺激的だ。
レオンの身体的な事情を受け入れた上で会ってくれる女性は必ずしも多くはない。だからこそレオンは事前にきちんと伝達している。多くの場合、お断りの連絡が来たり、既読スルーとなる。

それ故、会えた女性は貴重であり、大切にしている。余程タイプでない限りはその後の連絡を自分から切ることはしないし、一度限りの関係にもしない。但し、深く付き合うこともしない。身体を合わせるだけの関係と割り切っているからだ。
しかし、先日に池袋で会った純子については、少し趣が異なる。レオンは風俗店に行った経験はないが、足繁く通う者の気持ちもわかる気がした。人の行為を覗いたり、ただ性器を凝視するだけであんなに興奮するとは知らなかった。

シースルーランジェリー一覧02

また純子に会いたい。何度かメッセージを送ったが、純子からの返信はない。
レオンはしょげた。そんな時にオファーが入ったのが聖羅だ。
聖羅とともに西新宿の高級ホテルへ入った。このホテルの一室に部屋を取っているという。
エントランスに立つボーイが聖羅の姿を見て、お帰りなさいませ、と言うのが聞こえた。聖羅は慣れた手つきでエレベーターのボタンを押す。指先はスカルプでピンクと白のマーブルに彩られている。

部屋はバーのある最上階のひとつ手前の階だ。一般の客室よりも一回り大きな扉がまばらに立ち並ぶ。ドアを開けると、都内を一望できるほどの大きな窓が目に飛び込んだ。
『いいでしょ、この部屋。気に入ってるの』
4 月の明るい陽気が差し込み、トーンアップした光景が美しい。

『この部屋からだと、都心の高層ビル群がライトアップされて、夜はすっごく綺麗。逆側だと富士が見えるけど、私は都会が好きだからこっち派』
『素敵です。気に入りました』
言うまでもなく、部屋は広い。大きな牛革ソファと、幅の広い液晶テレビが置かれた応接セットが玄関で出迎え、その左手のずっと先にキングサイズベッドが見える。窓はベッドまでずっと続いている。

聖羅はシャンパンのボトルを開け、グラスに注ぎ、ソファの前にあるガラス台に置いた。レオンがソファに腰掛けると、聖羅はぴったりと寄り添ってきた。聖羅が右手にグラスを持ち、 乾杯をせがむため、レオンは聖羅の入れたグラスを手にし、聖羅とグラスを合わせた。酒を嗜まないレオンはそのままグラスをテーブルに戻した。聖羅はそれを見て少し笑った。
『こんなにすごい部屋で恐縮です』

(続く)

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