『風俗』、お世話になりました-第3話
本記事の読者の多くは女性と推測致しますが、男という物は本当に馬鹿な生き物です。
小学校高学年になると、インターネットなどで女性のヌードを探し、中学、高校生になると、ありもしない体験談などを読みあさり、大学生になると、「俺も」と初体験を求める、本当に馬鹿な生き物です。
直木賞作家の水上勉氏も著書の中で「(旧制中学の)卒業間近くなると、はしかのように襲った『女郎買い』がある」と書いていました。
2.ピンサロでの体験
本番なし、抜いてくれる場所としては比較的安価なピンサロも通えば、いいこともあります。そこでめでたく童貞を卒業したお話。
作家名:バロン椿
文字数:約2980文字(第3話)
管理番号:k124
2.ピンサロでの体験
きっかけ
「よかったよ」
「えっ、やったのか?」
「まあな」
5月。大学に入って1ケ月が経過すると、それぞれ裃(かみしも)が取れ、下世話なことも話題になるもの。
僕(下元(しももと)光彦(みつひこ))の時も同じで、授業の合間、「合コンで知り合ったんだ」、「俺にも紹介しろよ」とか、「ソープに逝けばいいんだよ」など、こうした話で盛り上がっていました。
でも、3月、高校を卒業した時、先輩から「合格祝いをしてあげるよ」と居酒屋で「アルコールデビュー」を済ませた際、その先輩からピンサロの秘密を聞かされていました。
「『もう少し深く腰掛けて』なんて言われて、椅子に座り直したら、キャミソールを捲って、『ごめんなさい』と俺をまたぐようにのっかってきたんだ。『えっ』と思って見たら、パンティー穿いてない!ゴクッと唾を飲み込むと、毛の部分を俺のお腹に擦り付けて、もしかしてと思った時には、ズブズブだよ。あははは」
だから、6月の終わりにアルバイトのお金が入ると、先輩に習い「ピンサロ(ピンクサロン)」に直行でした。
いざ、ピンサロに
でも、お目当てのピンサロ店の近くに来ても、入り口を潜る勇気がありません。何しろ、ほんの2ヶ月程度前は詰め襟の学生服を着て、「数学だよ」、「英語だよ」と真面目に大学受験の勉強していた純朴な高校生です。「花びら満開」、「延長あり」など、妄想を掻き立てるネオンサインの輝く扉を開ける踏ん切りがつきません。
だから、向かい側の自動販売機でコーヒーを買って、2度、3度行き来している時、「お兄さん、スッキリしていかない?」と蝶ネクタイをした中年男性から声が掛かりました。助かりました!
でも、料金が心配で「いくらですか?」と聞くと、彼は料金表を見せながら、「20分コースはお触りなしヌキ(射精)だけ、30分なら、お姉さんは裸、40分だと、もっとサービスするよ……」と、断れないようなことを言うのです。もう、頭は上の空、「は、入ります」と店内へ。
静かなBGMの流れる待合室は3畳ほど。そこに、せいぜい二人掛け位しか出来ない長椅子がコの字に置かれているだけで、週間雑誌とマンガ雑誌があるだけの殺風景なものです。
アイスコーヒーはサービス。「直ぐに案内できる女の子はこの二人です」と写真を見せられましたが、何と答えたか、よくは覚えていません。「本番はダメですよ」と言われた様な気もしますが、「女の子の準備が出来ましたら案内いたしますので、暫らくこちらでお待ちください」と待合室で待つことになりました。
ドアの向こう側からドスンドスンとする重低音の大音量のユーロビート系のBGMが漏れて聞こえましたが、奥の店内には何があるんだろう、何をしているのか、想像すればするほど心臓の鼓動が更に大きくなり、落ち着かない気持ちで案内を待っていると、先程の男性店員が来て、「お客様、お待たせいたしました! ご案内になります!」と私を呼びに来ました。
さあ、本当にいよいよ、ピンサロの世界に足を踏み入れることになります。この時、性的興奮と初めてのピンサロ体験の緊張で、私の心臓は口から出てきそうなくらいドキドキバクバクとBGMの重低音に合わせるかのように鼓動を打っていました。
店内に入った瞬間、とんでもない光景が
男性店員がドアを開けた瞬間、大音量のBGMが更に大きな音量で漏れてきた。それと同時に、僕の目に真っ先に飛び込んできた光景は、入り口近くの仕切りも何もない丸見えのブースで、下半身だけスッポンポンになった丸坊主の厳ついオジサンと、セーラー服を着たたぶんかなり若い可愛らしい雰囲気の女の子が、そのオジサンの股間に顔をくっ付けるように腰を曲げて、頭を上下に動かしている、恥も外聞もないとんでもない姿です。
先輩が言っていた、「椅子に座り直したら、俺をまたぐようにのっかってきて、ズブズブだよ」、あれはウソではない……僕はショックを受けると同時に、更に興奮が高まっていくのを感じました。
あっけない終わり
「ここで待ってて下さい」と通されたブースは、長椅子が一つある殺風景なもの。僕はそこに腰掛けて、ジャケットと靴を脱いでブース周りを見回していると、「カオルで~す。よろしくお願いします」とキャミソール姿のピンサロ嬢が入ってきました。
その瞬間、マジに「えっ」と思いました。それは、受付で見せられた写真よりも、明らかに10、いや15歳以上も年上、40歳をはるかに超えているオバさんの熟女だったからです。
「失礼します」と僕の隣に座ると、「お兄さん、お若いのね。こういう所で遊ぶの初めてなの?」と笑顔で話し掛けてきましたが、やっぱりオバサン言葉。何だか騙されたようで、「えっ、あ、はい」と答えたものの、顔は引き攣っていたと思います。しかし、彼女がキャミソールの肩紐を解いてブラジャーを外すと、ポロンと零れ落ちたオッパイ(生まれて初めて見た生身の裸)にドキッとしていまい、「いくつなの?」と聞かれても、「じゅう、18……」と口がうまく動きません。
そんな僕に、「本当!? あらら、嬉しい」と抱きつく。もう圧倒されるばかりで、ベルトを外されズボンと一緒にパンツも引き下ろされても、何もできずただオロオロするばかり。それに、「ねえ……」と唇を突き出されても、何の合図かも分からず、「な、何?」とポカンとする始末。
呆れた彼女は僕の肩に手を回して引き寄せると、唇を合わせてきました。
ファーストキスです。でも、相手は母親よりも年上の熟女。何だか変な感じですが、ねっとりとしたキスを続けているうちに、そんなことも忘れてしまいました。肌はしっとりとして、オッパイは柔らかく、揉むと「あっ、あ、あああ……」と悩ましい吐息。もうチンポははち切れそうなくらいに硬く、大きくなっていました。
パンティーに手を伸ばそうとしましたが、それより先にオチンチンを握られ、弄ばれるから、ひとたまりもありません。
腰の奥の方がムズムズして、たちまち「うっ……」と射精してしまいましたが、あっという間、店に入って10分も経っていなかったはずです。
本当にあっけない終わりでした。しかし、店内で見た様々な光景、今も隣のブースから聞こえてくる「ああ、ああ、あっ、あああ……」という悩ましい声に、僕の興奮は全く収まりませんでした。
だから、帰る時「また来てね」とキスされたら、「勿論です」と答える以外、何も頭には浮かびませんでした。
再会
それから1ケ月、アルバイトのお金が入ると、もう我慢できません。再び、あのピンサロ店に足を運んでしまいました。
「ご指名は?」
入り口でこう聞かれましたが、前回、写真で選んだら40過ぎの熟女が来たので、今回は選ばない方が楽しそうだと、「いいえ」と答えると「ではフリーということで」と、そのまま待合室に連れていかれました。
相変わらず、殺風景。置いてあった風俗雑誌を捲りながら、出来れば若いギャルと考えていると、「お待たせしました。ご案内になります!」と真ん中付近のブースに案内されました。
しかし、二回目となると少し図々しくなるもので、どうせ裸になるんだと、ワイシャツもズボンも脱いで、Tシャツとパンツ一枚になりました。すると、近くのブースからは「あ、あ、いい、いいわ……」と喘ぐ声が、目を凝らすと全裸の熟女が男の上に跨り、腰を振っている様子が見えました。
(続く)
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