声でイカせて-第2話
今をときめく声優たちの性遊生活を描く。
作家名:ステファニー
文字数:約3050文字(第2話)
管理番号:k105
「どう?なかなかすごいでしょ。いろんな手を使って手に入れた身体だからね」
恵はバスタオルを床に投げ捨て、崩した体育座りをしていた相庭に迫ってきた。相庭は反射的に後ずさりした。
「いいの、遠慮しないで。私はこの業界で生き残っていくために、身体を売ることを躊躇わないから。この仕事だって…」
そう言いながら恵はガラスを隔てた先に座る足立監督に目をやった。どうやら彼女が足立監督に取り入りこの仕事を掴み取ったのだろうと、相庭は悟った。恵がNGテイクが多く、いまだにジュニアのままでいる理由にも合点がいった。
そうこうしているうちに恵の陰毛が相庭の目の前を覆った。黒く柔らかでツヤめいた毛質が恵の小麦色の肌と相まっていやらしい。思わず相庭の舌先が伸びた。
「あっ、ああぁぁ……」
毛を掻き分けながら相庭の舌先は割れ目を進んだ。コツンとクリトリスに触れたとき、恵は上半身を大きく仰け反らせた。
丸く紅いその小さな蕾は、つつく度に恵の全身を震わせる。
すごい。これはすごい。
女性経験がなかった相庭は、これまでアダルト画像でしか見たことのなかったそれを味わい、その洗礼を受けた。
やがて深部から水滴が溢れ、相庭の顎を伝った。
「いっ、いいっ……」
割れ目から液体がこぼれ落ちる。尚も相庭は舐め続けた。
「…もっ……、………もうっ……、…これ…以……上…、…焦ら……さ…ない……で……」
恵はストンと相庭の股ぐらに座った。そこにはもちろん、倒立したアレがあった。
余程、慣れているのだろう、恵は上手にその上にお尻を下ろした。
「おっ、おおっ…」
思わず相庭は唸った。すぐに恵は腰を前後させた。
これは気持ちいい!ヤバい!
相庭はもはや本能しか意識が働かなくなった。恵の木になる柿の実を愛でた。その果実は柔らかく、張りがあった。丸みを揉んでへたをつつくと、恵は悶絶した表情になり、下半身に水っぽさを感じた。
パンパン、と聞いたことのないような音が何度かアフレコに轟いた。相庭はやがてそれが自分の拳銃による暴発だと知った。
恵の動きが止まった。そしてゆっくりと立ち上がった。
急に相庭の下半身は涼しくなった。
「お疲れ様でした」
恵は肩で息をしながらそう言った。ふとガラス越しの先に目をやると、足立監督もOKサインを出していた。それを確認した恵は踵を返し、アフレコをあとにした。
相庭は自分の下半身にぶら下がっている重くなった避妊具を外しながら思った。
これはいい!これからまだ四回も味わえるなんて、ラッキー!と。
————
一日目午後。二人目、ゆら役の麻生洋子。
洋子は26歳。芸術系の大学で演劇を学び、その後、声優養成所に入所した苦労人だ。
洋子は決して美人ではない。スタイルも最近の声優には似つかわしくなく、ぽっちゃり体型だ。演技力は高く、声質も悪くないだけに、大変残念だと言えた。
「どうぞ、よろしく」
樽ボディにバスタオルを巻いて、洋子はアフレコに現れた。
「どっ、どうも…」
恵との情事の興奮がやっと冷めてきたばかりの相庭は、新たなる相手に対応できるのか不安があった。だが、それはすぐに杞憂に終わった。洋子がこう耳打ちしたからだ。
「遠慮しないで大丈夫だから。私、人妻で、こういうことほとんど毎日してるから」
人妻!
なんということだろうか!
相庭は洋子が既婚者であるとは知らなかった。というか、この作品の出演者たちのプライベートについて、全く知らないに等しかった。
だが、相庭はたじろぐどころか余計に欲情してきた。経験が少なく年齢も若いため、怖さを知らないからなのだろう。まるでアダルトビデオのような設定に、ワクワクしてしまったのだ。
「こっちおいで、緊張しないで」
それは台本に書かれたセリフだった。足立監督はこのシーンについては、台本通りではなくても構わないと話していた。それより生々しい性行為を感じられるような音声が欲しい、と。
にもかかわらず、洋子はごく自然な流れとして台本通りに進めている。彼女の演技力の高さを証明していた。
おもむろに洋子はバスタオルを外した。太めの腕を広げて、相庭を包み込んだ。
石鹸の香りが相庭の鼻孔をついた。温かな洋子の胸はまるでクッションかのように柔らかい。西瓜と見紛うほどの乳房は、思わず触りたくなってしまう。無意識に相庭は洋子の胸を揉んでいた。
「あっ、ごめんなさいっ…」
そう言いながらも相庭は洋子の乳房から掌を離さなかった。
「ううん、いいの。気持ちいいよ」
ここまでも筋書き通りだ。どうやら洋子はきちんと作戦立てをして、ここに臨んでいるようだ。
「それより、大丈夫?まだ我慢できるの?」
洋子は相庭の下半身にある膨らみに手を触れてきた。それはもちろん、通常のサイズではなかった。
「そろそろしようか」
耳元でそう囁くと、洋子は太腿を開き、相庭のナニを誘導した。
「…あああっ、…いっ…、いい!」
さすが人妻。喘ぎ声が熟達していた。相庭はますます発情した。
大きな腕で洋子は相庭を抱擁した。優しくゆっくりと。しかし、その実態は逆であった。
洋子は熟達した性テクニックを持つ女だった。分厚い腰で相庭を吸収すると、ピタリと挟んで離さない。そして相庭を抱えたままスイングをした。
まるであそこのマッサージチェア!
かつて感じたことのない快楽の海へ、相庭は沈んでいった。
遠のいた意識がやっと回復した時、相庭は海面に浮き上がった。久しく息をしていなかったため、呼吸は激しくなった。
「ありがとう。コレで私も立派にオンナ、ね」
相庭を離しながら、洋子は尚も演技を続けた。去り際には相庭を労い、肩をさすることも忘れなかった。
————
二日目。午前。
前日に二人を立て続けに抱き、怒涛の女性デビューを果たした相庭だったが、この日も間髪入れずにシゴトが待っていた。しかも前日を上回る三人を相手する予定だ。
初めての感覚に心地良さだけでなく、疲労も隠せなかったが、仕方がない。働かねばならないのだ。
三人目は藤田瞳、ハーフのエレン役だ。瞳は五人の中で一番美人だ。名前の通り大きな瞳が美しく、艶のある黒いストレートヘアが特徴的だ。それだけでなく、グラビアアイドル顔負けのスタイルの持ち主でもある。だが、残念なことに肝心の声質は、低めで落ち着いた雰囲気であるため、最近のアニメのヒロインには似つかわしくない。そのため瞳はいまひとつ芽が出ていない。
朝、楽屋で相庭と瞳は鉢合わせた。なんとなく気まずさから相庭は目を合わせずにいたが、瞳は臆せずに話しかけてきた。
「今日はお手合わせよろしくお願いします、相庭君」
ふんわりとフローラルな香が瞳から漂う。髪からなのか、皮膚からなのか。そんな相庭の戸惑いを気にもとめず、瞳は続けた。
「気とか遣わないで大丈夫だからね。私、プロだから。セックスの」
最後の言葉だけ耳元で瞳は囁いた。相庭は驚いて瞳を見上げた。
「だって私、売れてないもの。この仕事だけじゃ生活してけない。だから、アッチの女優としても活躍中なの」
正直な話、声優として第一線で活躍していても、それだけで生計を立てている役者は非常に少ない。タレントとして活躍の場を広げるか、副業を持つのは当たり前だ。女性声優の中には、アダルト業界と掛け持ちしている者もいるらしいとは相庭も小耳に挟んでいた。だが、それはてっきり都市伝説だろうと思い込んでいた。
まさか!とは思うが、そんな嘘を吐くメリットは瞳にない。事実なのだろう。
なんだ?なんなのだ?
この二日間に身に降りかかっている珍事の数々は。
浮き足立ったまま相庭はアフレコに入った。中にはすでにバスローブ姿の瞳がいた。
(続く)
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