それでも出会い系サイトはやめられない-第4話 3000文字 城山アダムス

それでも出会い系サイトはやめられない-第4話

なかなか彼女ができないひろしは出会い系サイトに登録した。次々と出会う女性たちと繰り広げるエロスとサスペンス。そして、恐怖体験。ひろしはどんどん出会い系サイトの深みに落ちていく。

作家名:.城山アダムス
文字数:約3000文字(第4話)
管理番号:k112

夕方5時に仕事を終えると、会社から直接サザンウィンドに向かった。近くの駐車場に車を止め、店に入るとボーイが出てきた。
「いらっしゃいませ。どの子か、ご指名はありますか?」
ボーイが聞いてきたので、
「アリスちゃんをお願いします。」

僕がそう答えると、ボーイは困った顔をして
「アリスちゃんは、今日、お店を辞めました。」
「辞めたって、どこにいるのですか?」
「さあ、私どもにはわかりません。」

「アリスちゃんと連絡取りたいのですが・・・」
「お客様、そういうことはできません。ストーカー行為はお控えください。」
僕は、諦めてサザンウィンドを出た。

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「昨夜、みひろにいくら使っただろう?盗まれたお金を合わせると、10万円を軽く超えてる!」
僕は、自分が情けなく思えた。
「出会い系はひどい目に合うな。」

そのまま家に帰ろうと思ったが、すれ違う綺麗な女性たちを見ていると、ムラムラと下半身が興奮してきた。無性に女性を抱きたいという欲情が湧いてきた。
「みひろちゃんを、忘れよう。別の女の子を探そう。」
愛サイトを開いた。サイトの掲示板を開くと、気になる女性が募集していた。

名前 綾香 
年齢 27歳
星座 蟹座
職業 飲食業
趣味 ファッション・グルメ

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「今夜午後8時からお会いできる方、メールをお待ちしています。共に大人の時間を楽しみましょう。」
今の僕にぴったりの女性だ。さっそく、その女性にメールを入れてみた。
「こんばんは!はじめまして。ひろしと言います。ぜひ、今夜一緒に大人の時間を楽しみましょう。午後8時からお会いしたいです。」

すると、すぐに綾香という女性から返事が来た。
「メールありがとうございます。ぜひお会いしましょう。午後8時に騎射場公園の入り口まで来れますか?」
天文館から、騎射場公園までは車で15分だ。時計を見ると、午後7時30分を少し回っている。すぐに綾香に返事した。

「8時10分くらい前には、騎射場公園に行けますよ。」
綾香から返事が来た。
「7時50分に騎射場公園の入り口で待ってます。黒のコートに黒のロングスカート着ています。車の色は何ですか?」

「車の色は白です。今から、騎射場公園に向かいます。」
僕は、天文館の駐車場から騎射場公園に向かった。15分ほどで、公園に到着した。
騎射場公園の約束の場所に、黒いコートに黒のロングスカートを着たマスク姿の女性が立っていた。マスクで顔全体はわからないが目元がぱっちりした女性だ。

僕は綾香の前に車を止めた。ドアを開けて、車から降りると
「綾香さんですか?」
と声をかけた。綾香はだまってうなずいた。
「助手席にどうぞ。」

そう言うと、綾香は無言で助手席に座った。
「ひろしです。よろしくお願いします。」
綾香は、黙ってペコンとお辞儀した。無口な女性なのだろうか?
僕は、騎射場公園から車で10分ほどの距離にあるホテルに向かった。ホテルまでの車の中でも、綾香はずっと無言だった。

ホテルに着くと、車から降りてロビーに向かった。並んで歩くと、綾香はずいぶん背が高い。170センチは軽く超えている。かなり大柄な女性だ。
エレベーターから降りると、部屋に入った。ソファーに並んで座った。綾香がマスクを外した。顔のつくりは大きいが綺麗な顔立ちだ。

僕が綾香の手を握ると、綾香も握り返してきた。女性にしては大きな手だった。綾香は僕の肩にもたれてきた。僕の頬に綾香の髪が触れた。とてもいい香りがする。
僕はそっと綾香の肩に手を回した。そのまま自然に唇が重なった。お互いの舌先が絡み合う。

綾香の息が熱くなった。綾香は、僕の手をそっとスカートの裾に導いた。僕の手のひらが綾香の膝に触れた。手のひらを膝の奥に滑らせる。指先がパンティーに触れた。そのまま指先をパンティーに忍ばせようとしたが、パンティーの淵のゴムが固く、指が入っていかない。しかたなく、そのままパンティーの上をなぞった。

パンティーの布越しにヘアーのざらざらした感触が伝わってくる。かなりの剛毛だ。さらに指を先に進めると、指先が棒状の突起物に触れた。ひょっとして、タンポン?綾香は生理中なのだろうか?
僕は、その突起物を指で確かめた。根本は足の付け根につながっている。その突起物はだんだん熱く、太く、硬くなっていく。

「まさか、綾香さんは男性?」
僕は突起物を握りしめると、ぐいと引っ張った。
「いたた、ダメよ、乱暴に扱っちゃ。」
綾香は初めて声を出した。ハスキーな低い声だ。男性の声だ。

僕は、慌てて綾香から離れた。
「私、ニューハーフなの。」
綾香は物欲しそうな目で僕を見つめている。
「綾香さん!男だったんですか?」

僕がそう言うと、
「身体は男でも、心は女よ。」
綾香は僕に抱きつこうとした。僕は必死に抵抗した。綾香の腕力は強い。僕は必死で逃げようとした。
「ダメだ、僕は男性はダメなんです。」

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「何言ってるの?私は女よ。」
綾香が僕の口に唇を押し付けてきた。僕は顔を背けて、
「やめてくれ。嫌なんだ。」
僕は必死に綾香を振り払い、部屋を出ていこうとした。

「帰るの?」
綾香は、鋭い目で僕を睨んでいる。
「ごめん、僕はニューハーフはダメなんだ。」
すると、綾香は急に立ち上がり、僕が部屋を出られないように入り口のドアの前に立ちふさがった。

「断るなんて、ふざけないで。私、仕事を休んできたのよ。今日の日当払ってよ。」
「日当って?」
「私が今日仕事してたらもらえるはずだったお給料よ。休業補償してもらわなくちゃ。」
僕は、日当を払ってでもその場から逃げたいと思った。

「日当いくら?」
「3万円。」
僕は財布から3万円抜き出して、綾香に渡そうとした。
「まさか、日当だけですむと思ってないでしょうね。慰謝料も払ってよ?」

「慰謝料?」
びっくりして僕が聞くと、
「私、こんな侮辱受けたの初めてよ。慰謝料払わないと帰さないわよ。」
「慰謝料いくら?」

「日当と合わせて10万円。」
僕は、10万円と聞いて驚いた。
「10万円も払えないよ。」
すると、綾香はスマホを取り出し、
「払わないんだったら、事務所に電話して怖いお兄さんに来てもらうから。」

「事務所?」
「黄桜組の事務所よ。」
黄桜組とは地元で勢力を張っている暴力団だ。暴力団とは関わりを持ちたくない。
「わかった。10万円払う。でも、今、財布には5万円しか入ってないんだ。」

「だったらATMで下ろせばいいじゃない。」
僕と綾香はホテルを出て、車で近くのコンビニに行った。ATMで10万円下ろすと、綾香に渡した。綾香はそのまま立ち去った。もちろんホテル代も僕が支払った。

もう出会い系はこりごりだ。
僕はさっさとマンションに帰ろうと思った。しかしコンビニの前を行きかう夜の綺麗な女性たちを見ていると、下半身が火照って治まらない。時計を見ると、まだ午後9時だ。

愛サイトを開いてみた。夜になると募集する女性が増えるのだろうか?たくさんの女性の募集アイコンが並んでいる。
その中で、写真付きのアイコンを見つけた。写真が本人だとすれば、かなりかわいい子だ。

名前 まどか
年齢 18歳
星座 牡牛座
職業 学生
趣味 ショッピング・映画

自己PR
「今夜これからお会いできる男性を探しています。ちょっとエッチなことして楽しみたいです。メールお待ちしています。」
僕はさっそくまどかにメールを送った。

「こんばんは!ひろしと言います。ぜひ、今夜お会いしたいです。一緒にちょっとエッチなこと楽しみましょう。」
すぐにまどかからメールが来た。

(続く)

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