当て付け不倫の相手は青い目-最終話 4160文字 バロン椿

当て付け不倫の相手は青い目-第6話

結婚して16年、39歳の高沢啓子が香川県高松市に単身赴任の夫を訪ねると、そこには井川遥に似た女がいた。
「あ、いや、い、今、説明するから」と狼狽する夫に「なら、抱いてよ。私だって3ケ月もしていないんだから!」と裸になって跨ったが、ペニスはだらんとしたままで勃起しなかった。
「ごめん。もう止めにしよう」と言われ、啓子は悄然として東京に帰ってきた。
そんな啓子に、心配した親友が「ヨガでもしたら」と誘うと、そこには「カール」というヨーロッパ系の顔だが、細身で髪を後ろで束ねた、いかにも「修行者」といった感じのする外国人の男性が現れた……

作家名:バロン椿
文字数:約4160文字(第6話)
管理番号:k120

もういいわ、早く、早く、あなたと一つになりたい……体を起こした啓子がカールの太腿の上に跨ると、それを迎えるようにカールも起き上がった。気持ちは同じだ。

「Come on」とカールが軽く頷くと、啓子は「はい」と少し腰を浮かせ、カールの硬く反り返ったペニスに指を添える。そして、互いに見つめ合いながら啓子がゆっくりと腰を沈めると、ペニスが先程の残滓などが残る膣の中に入っていった。

何もしなくても、ペニスが真下からお腹の中に突き上げて子宮まで届くようで、啓子にはとても刺激が強い。それなのに、ベッドをぎしぎしと音を立てながら、カールがお尻を抱えて大きく揺すって来ると、それが脳天まで届く。啓子は「あ、あ、あああ……」と低い声を漏らしてカールにしがみついた。

二人はそのまま不安定な格好で抱き合っていたが、啓子が次第に自分から腰を使って揺すり立てると、カールも両手で啓子の大きな尻を支え、それを助ける。
繰り返されるその行為に、「ああ、ああっ、あっ、あっ、あっ、ああっ、あああっ……」と啓子は体が反り返り、カールも「KEIKO,KEIKO……Ah,Ah.yea.yea……」と反り返る。

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エアコンの良く効いた部屋だが、二人の体には汗が滲み、ベッドのきしむ音が大きくなる。
そして、「ああ、ああっ、あ、あ、あっ、逝く、逝く、あ、あっ、ダメ、ダメ……」と叫ぶ啓子を、カールが「I am gonna cum soon……」と抱き寄せると、そのままベッドに倒れ込み、「Ohhhh yeaaahhhh……」と呻くと同時に、ペニスが弾け、啓子の中に精液を放出していた。

戸惑いと悦び

一夜明けて、啓子が目覚めたのは午前6時過ぎ、カールの腕の中だった。
子供たちがいたらこんなことはできないが、あと1週間は静岡の実家から帰ってこない。
シャワーを浴びて朝食の支度を終えると、「オハヨウ」とカールが起きてきた。

「Good morning Karl」
「ケイコ エイゴ ジョウズ」
軽く口付けを交わす二人の顔は微笑みに満ち溢れていた。
体にタオルを巻いただけの格好で朝食を取る。外を見ると、朝日が眩しい。
スーパーは午前10時開店だから、まだ時間はある。ゆったりとした時間。全く普段ではできない生活。とても新鮮だ。

「シゴトハ?」
「大丈夫。9時までに行けばいいから、ご飯食べたら、家に帰って」
「Would you like to live with us ?(一緒に暮らさないか)」

突然のことで驚き、「Yes」と言葉が出ない。嫌な訳がないが、子供たちがどう思うか……口籠っていると、「Is it not good ?」とカールが顔を曇らす。
嫌、嫌よ、嫌われたくない。啓子は「Yes、Yes、Oh,Yes.I love you from the bottom of my heart(勿論いいわよ、私は貴方を心から愛しているわ)」と叫ぶと、カールに抱き付き、唇に貪りついた。カールもそれに応じ、二人はソファーに倒れ込んだ。体に巻いただけのタオルは簡単に取れる。

「ああ、ああ、カール、カール……」
「KEIKO,KEIKO……I love you from the bottom of my heart,too……」
部屋にはソファーのきしむ音と、チュッ、チュッ、チュッ……吸い合う音が、そして、次第に「あ、あ、あああ……」と啓子の喘ぐ声が響き出した。
果たして、午前10時のスーパー開店までに行けるのか……

子供の目はごまかせない

子供たちは静岡の実家から戻ってきたが、カールのことは中々言い出せない。
一方、カールは「When will you live together?(いつから一緒に暮らす?)」と答えを迫る。
「Please wait a little more(もう少し待って)」と答えるが、いつまでカールは待ってくれるか。
不安に揺れる啓子はカールを引きとめようと、レッスンの後、抱かれて帰るが、そうなると、家に戻るのが遅くなる。

今夜も長男の芳樹がリビングで待っていた。
「ママ、随分遅いね」
「ごめんね。残業だったのよ」
「それにしたって、もう10時過ぎだよ」
「そうね、もう10時か」
「ねえ、本当に残業なの?何だか変だよ」

子供はごまかせない。残業なら本当に疲れ切った顔だが、激しいセックスで目は潤み、頬は桜色。とても仕事帰りとは思えない。
「そ、倉庫の在庫調べとか、ママは主任だから、サボれないのよ」と誤魔化したが、彼は返事をしなかった。その代わりテレビを消すと、「彩花は寂しいって泣いてたよ」とだけ言い残してリビングを出て行った。

長女はまだ小学校6年生。午後10時まで起きていられない。以前は遅くても午後8時には帰っていたのに、カールと寝る時は午後10時前後になってしまう。それが週に2度となることもあった。

「うん、分かった。あの子にはママがちゃんとお話しするから。芳樹、お風呂、先に入っていい?ママ、疲れちゃったから」
「好きにしたら」
2階から聞こえてくる声は冷たかった。
こんなことじゃいけない。ちゃんと話をしないと、と啓子は思うが、どうやってカールのことを話そうか。このままでは今に子供達までいなくなってしまう……

胸に刺さる母の言葉

そんな折、娘を心配した母が上京してきた。
「啓子、男が出来たんじゃないの?」
「お、お母さん、何を言うのよ」
家に着く早々、ズバリ言われた啓子は慌てた。

「芳樹や彩花から電話で聞いたけど、しょっちゅう帰りが遅くなるっていうじゃないか。いったい何をしているのよ?」
「ざ、残業だって」
旗色の悪くなった啓子はお茶を淹れようと立ち上がったが、母はその腕を掴んで逃がさなかった。

「啓子、お座り」
「な、なによ」
「芳樹の話じゃ、ボーとして帰ってくるって。そんなに大変なの?」
「そ、それは倉庫の棚卸があるから」
「棚卸がいつもある訳ないでしょう。お母さんをごまかせるとでも思っているの、啓子?」
「あ、いえ……」

啓子は母の目をまともに見ることが出来なかった。
「お前も子供じゃないから、好きな人ができたなら、それでもいい。だけど、子供を放っておくなんて、母親のすることじゃない。まして、まだ離婚調停中よ。子供の親権を取られたら、どうするのよ?」

その通りだ。母の言葉は胸にズシリと刺さった。
「今が大事な時期なのよ、しっかりしなさい」
母はそれだけ言うと、静岡に帰っていった。

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別れ話は突然

駅から歩いて5分程、赤茶色のタイル貼りの瀟洒な3階建て。今夜も啓子はカールと一緒にここに来た。
カールがドアに鍵を掛けると、二人は競い合う様に服を脱ぎ、ベッドに倒れ込み、肌と肌を合わせる。

チュッ、チュッ、チュッ……いくら吸い合っても、嫌にならない。いつもと同じく、「カール……」と啓子が角度を変えて吸いつくと、「Oh,KEIKO!」とカールが喜び、ごく自然な形で舌が絡まるディープなものに変わったが、今夜は直ぐにカールの手が啓子の下腹に伸び、手のひらで性器を揉んだり押したり、「あ、あああ……」と啓子の口から喘ぎが漏れる。

舌先でペロペロと舐め上げるのも感じるが、指で小陰唇やクリトリスを撫でられ、膣の中を掻き廻し、微妙に出したり入れたりされるのも、とても感じる。
啓子の喘ぎが「あっ、あっ、あ、あ、あぁぁぁ……」と大きくなるとそれを待っていたかのように、今度は舌をつぼめて挿し込み、中を掻き回すから、「あ、いや、ダメ、ダメ、あ、あ、あぁぁぁ……」と啓子はカールの体に爪を立てていた。

体中が火照って、股間は濡れて、濡れて、恥かしい程に。カールを愛し、全てを任せる啓子は大きく脚を開き、そこにカールが伸し掛かって来た。
しっかり繋がった二人。「Oh,yeah,oh,yeah(いいよ、いいよ)……」と腰を振るカールに、「ああっ、あっ、あっ、あっ、うっ、うっ、うっ、ああっ、あああっ……」と首を大きく左右に振って、シーツをギュッと握り締める啓子。ベッドがぎっしぎっしときしむほどの激しいセックス。

互いに高め合い、カールが「I am gonna cum soon」と腰の動きを速めれば、啓子も「逝っ、逝っちゃう、逝っちゃう……」と頂点が近づき、体が反り返り、「Ohhhh yeaaahhhh……」と呻いたカールが腰を強く打ち込めば、啓子は「ああぁぁぁ……」としがみつき、「KE,KE,KEIKO!!」と叫んだカールのペニスの先から大量の精液が噴き出した。

「はあ、はあ、はあ……」
息が中々収まらない啓子の下腹部にカールが舌を這わしながら、指で何かを書き込んだ。
きっと、「When will you live together?」と書いたのでは?困ったわと啓子はくるっと寝返りを打ったが、「I will go to NEW YORK next month」とカールが耳元で囁いた。

「ど、どうして?」と慌てた啓子だが、「I love you forever」と微笑むカールは「Children are very important to you」と言ってまたも覆い被さってきた。

「あ、待って、待って……」
もがく啓子だが、カールのペニスが早くも膣に突き刺さる。
やっぱりそうなの、あなたは恋人なんかじゃない、私の体が欲しかっただけなのね……啓子はそう思いながらも、「あ、ああ、そ、そこよ……」と体を捩っていた。

欲しくなったら、また言ってね

年が改まって、2月。雪がちらつく日だった。弁護士から調停が終わり、正式に離婚が決まったと連絡があった。ほぼ啓子の要望通りの結果となったが、壊れてしまった家庭が元に戻る訳ではない。

4月には長男の芳樹は中学3年生、長女の彩花は中学1年生になる。その前に片付いたことだけが、幸いだった。
「ママ、行ってきます」
「気をつけてね」
子供たちを送り出す啓子の顔には「この子たちは絶対に離さない」という強い気持ちが現れていた。

夫への当て付けから愚かなことをしてしまったことは完全に過去のものになった。
「ねえ、しっかりしなさいよ、ダメじゃない!」
スーパーでは今日も啓子の声が響いている。
そこにポンと肩を叩かれ、振り向くと「ふふふ、ふっ切れたみたいね」と仲良しの加藤智子が立っていた。

突然、訳も話さずヨガ教室を辞めてしまったことから、彼女とはじっくり話すことも無くなっていた。
「ええ、決まったの、調停のことだけど」
「別れるの?」
「はい。でも、子供たちは私が引き取るし、かえってすっきりしたわ」
「そう、そうなの。まあ、それがいいかもね」

彼女はバツイチの先輩、嫌なことは啓子よりも沢山経験している。
「でも、ヨガを辞めちゃって、どうしているの?いろいろと溜まるでしょう?」
「大丈夫。子供たちがいるから」
啓子の顔には笑顔が溢れているが、加藤智子の顔には「あら、違うのよ、あっちの方よ」と妖しい笑みが浮かんでいた。

「えっ、あっちって?」と惚ける啓子に、「嫌ねえ、そこまで言わせるの。カールさんって、凄かったんでしょう?」とポン!とお尻を叩いた彼女は、「欲しくなったら、言ってね」と声を出して笑いだした。
「あら、いやだあ」と笑い返す啓子の顔には、でも日本人がいいわ、と浮かんでいた。

(終わり)

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