ひろしと美紀の初体験-最終話 2600文字 城山アダムス

ひろしと美紀の初体験-第6話

ひろしと美紀は中学2年の秋から付き合っていた。中3の夏休み、美紀が「エッチしよう」とひろしを誘った。ひろしは嬉しかったが、セックスは未経験で、上手くセックスできるか不安だった。セックス前夜、ひろしは自室でコンドーム装着の練習に励んだ。二人は首尾よくセックスできるだろうか?

作家名:城山アダムス
文字数:約2600文字(第6話)
管理番号:k148

彼女の優しい声、「無理しなくていい」という言葉、そしてその笑顔に隠れた微かな諦めの影。それが、僕の心に鋭い針のように刺さっていた。
「なんで…なんでまたダメだったんだ…」
頭の中でその問いがぐるぐると回る。コンドームを手に持った瞬間の震え、思うように反応しない自分の体、滑って上手く装着できなかったあの感触。
すべてが鮮明に蘇り、胸の奥に重たい塊のようなものが沈んでいく。布団を握りしめながら、僕は自分の無力さに苛まれた。「練習したのに。ちゃんとできるって思ってたのに」
昨夜、鏡の前で何度も試した手順が、まるで無意味だったかのように感じられる。
美紀の期待に応えたかった。彼女の真剣な目を見て、「今度こそ」と思っていたのに、結局また同じ失敗を繰り返してしまった。
彼女の優しさが、逆に僕の心を締め付ける。
「彼女はがっかりしてるはずだ。僕なんかに期待したのが間違いだったんだ」
そんな考えが頭を支配し、自己嫌悪の波が次から次へと押し寄せる。
彼女の頭を撫でる仕草や、優しく微笑む姿が、僕には同情としか思えず、それがさらに惨めな気持ちを増幅させた。
「僕には無理なのかな…男として、ダメなのかな…」

夜の静寂の中で、そんな暗い思いが心を覆う。ベッドの中で体を丸め、布団に顔を埋めても、胸のざわめきは収まらない。
美紀のことが好きだからこそ、彼女を失望させた自分が許せない。彼女の前で「できる男」を見せたかったのに、結局何もできなかった。そのギャップが、僕の心に深い亀裂を刻んだ。
美紀の優しさ、彼女の美しい身体、彼女の信頼。それらすべてが、僕の心を温める一方で、失敗の重さを何倍にも感じさせた。
「次こそは」と自分に言い聞かせるけど、また同じ失敗を繰り返すのではないかという不安が、頭から離れなかった。
自分の未熟さが、まるで暗い影のように心を覆い尽くしていた。
時計の針はすでに深夜を過ぎ、部屋はさらに暗さを増す。
僕は目を閉じるが、眠りは遠く、ただ惨めさと不安が胸の中で渦を巻く。布団の中で小さく震えながら、僕は自分自身と向き合う長い夜を過ごした。
それから、美紀の態度が少しずつ変わっていった。
練習中、彼女は僕と目を合わせることが減った。話しかけても、以前のような明るい笑顔は見せなくなった。
部室で二人きりになる機会も、自然と減っていった。

ある日、練習後に美紀が僕を呼び止めた。
「ひろし君、ちょっと話したいんだけど…」
彼女の声はいつもより低く、どこかためらいがちだった。
「うん、なに?」
僕は胸騒ぎを感じながら答えた。
「高校受験、そろそろ本格的に勉強しなきゃいけないよね。私、商業科目指してるから、結構忙しくなると思うの」
「うん…そうだね」
「だからさ…受験が終わるまで、ちょっと会うの我慢しようかなって。部活以外では、ね」
美紀の言葉に、胸が締め付けられるような感覚を覚えた。
彼女の提案が、僕との距離を置くための口実だとわかっていたけど、引き止める勇気はなかった。
ふと、美紀が僕と付き合う前、中2の頃、一つ学年が上の隆志先輩と楽しそうに話している姿を思い出した。彼女は時々、練習後に隆志先輩と雑談していた。
隆志先輩はバスケットボール部でも目立つ存在で、高校に進学してから女生徒にモテモテだと噂だった。
美紀が商業科を目指すと言った時、僕の頭には「隆志先輩が商業科に進んだからじゃないのか?」という疑念がよぎった。でも、すぐにその考えを振り払った。美紀がそんな理由で進路を決めるはずない、と思い込みたかった。

シースルーランジェリー一覧02

「うん…わかった。受験、頑張ろうね」
そう答えるしかなかった。声は自分でも驚くほど小さかった。
それからの数ヶ月、僕は勉強に打ち込んだ。
県立の普通高校を目指して、毎晩遅くまで参考書と向き合った。美紀とは部活で顔を合わせるけど、会話は必要最低限になった。
彼女はいつも少し疲れたような笑顔を浮かべていた。
受験勉強の合間に、ふと美紀の裸身を思い出すことがあった。
あの部室での甘酸っぱい匂い、彼女の柔らかい肌の感触。でも、その記憶はすぐに苦い後悔に変わった。あの時、ちゃんとできていれば、彼女との関係は変わっていたかもしれない。
隆志先輩のような「できる男」なら、彼女を失望させなかったかもしれない。そんな考えが、頭を離れなかった。
高校入試が終わり、結果が出た。僕は県立の普通高校に合格した。美紀は私立の商業科に合格したと、部活の仲間から聞いた。
「やっと受験終わった!美紀、会おうよ」
勇気を出して、僕は彼女にメッセージを送った。
「ごめん、ひろし君。ちょっと今、忙しくて…また落ち着いたらね」
返事はそっけなかった。
嫌な予感がしたが、彼女を信じようとした。

春休みのある日、僕は鹿児島の繁華街、天文館をぶらついていた。受験のストレスから解放されて、ちょっとした自由を味わいたかった。
友達と遊ぶ約束もなかったから、一人で街を歩いていた。
アーケード街を歩いていると、遠くに美紀の姿が見えた。彼女は制服ではなく、私服姿で、髪を軽く巻いていて、いつもより大人っぽく見えた。
隣には、バスケットボール部の先輩だった隆志先輩がいた。
二人は笑いながら歩いていた。
美紀の笑顔は、僕と一緒にいた時とは比べ物にならないくらい明るかった。隆志先輩が何か言うたびに、彼女はケラケラと笑って、彼の腕に軽く触れていた。
僕の足は凍り付いたように動かなかった。胸の奥がズキズキと痛んだ。
美紀が隆志先輩と一緒にいる理由なんて、考えたくなかった。でも、頭のどこかで、彼女が僕に距離を置いた理由がわかってしまった気がした。
美紀が商業科を選んだのは、やはり隆志先輩がそこに進学していたからなのだ。
ショックのあまり、僕の体は動かなかった。
美紀の笑顔が、遠くで輝く星のようだった。
あの部室での彼女の優しさ、信頼、裸身の美しさ。すべてが、今は遠い記憶に変わっていた。
僕の未熟さが、彼女を遠ざけたのかもしれない。隆志先輩のような男なら、彼女を失望させることなんてなかっただろう。
アーケード街の喧騒の中で、僕はただ立ち尽くしていた。
美紀の後ろ姿が、人混みに消えていくのを見ながら、胸の奥で何かが静かに崩れ落ちていくのを感じた。
あの部室で交わした約束も、彼女の優しい言葉も、すべてが色褪せていくようだった。
春の風が冷たく頬を撫でた。
僕はゆっくりと歩き出した。
彼女のいない高校生活を想像しながら、重い足取りで家路についた。

(終わり)

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