我愛你-第10話 3940文字 バロン椿

我愛你-第10話

39歳の主婦、高木弥生は4つ年上の夫、壮一、一人息子で中学一年の智之と小田急線新百合ヶ丘の一戸建てにつつましく暮らしていた。
だが、大学の先輩、大手商社に勤める寺田麗子の昇進祝いの会で、中国からの研修生、27歳の王浩と出会ってから、人生がガラッと変わってしまった。
王は優しく、かつての夫のようにグイグイと引っ張ってくれる。そんな王と男女の関係になった弥生は彼とは離れられなくなっていた。
編集注※「我愛你」は中国語で (あなたを愛しています)の意味

作家名:バロン椿
文字数:約3940文字(第10話)
管理番号:k098

生身のセックス

「美味しかったわね」
「いつもこんなのを食べていたら太っちゃう」
「ふふふ、そうね」
ほろ酔い気分で部屋に戻ると、そこはすっかり片付けられ、座敷の中央にふかふかした二組の布団がぴったりと並んで敷いてあった。

それを見て、「えっ」と弥生は身を硬くし、王は「ゴクッ」と唾を飲み込む。
何度も肌を合わせてはいるが、こんな温泉旅館で、それも一夜を共にするのは初めて。だから、弥生は急に胸がドキドキして、初夜を迎える花嫁の様に思わず身を退いてしまったが、その体を受け止めた王は「我愛你」と抱き締めると、チュッ……と首筋に口付けをしてきた。

優しいのね、本当に愛しいのね、ありがとう。もう待たせないから……振り向いた弥生は「愛你、愛你……」と彼の唇に吸い付いた。
チュッ、チュッ、チュッチュッ、チュッパッ……慈しみ合う二人の口付けは舌が絡まり、唾液が混じる。

まだ午後9時を少し過ぎたばかりだが、山間の温泉旅館は本当に静か。時折、「はあ……」、「ふぅ……」と息を吐く音だけが聞こえる。
いつ果てること無く続ける口付けだが、気持ちが高まれば高まる程に、直に肌を合わせたくなる。

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「ま、待って……」と首に絡げた手を解いた弥生は王から離れると、丹前の紐をほどき、浴衣の帯をシュルル……と解いた。それを見た王も帯を解く。どさっ、どさっと脱いだ丹勢と浴衣が足元に、続いて、すっ、すっと下着を取る衣擦れの音が、そして、先に裸になった王が掛布団を捲って横たわり「ミィシォン」と呼ぶと、パンティを足から抜き取り全裸になった弥生が「はい」と、その胸に体を預けていく。

温かい。温かい。王の肌の温もりが弥生を包み込み、それだけで心が蕩けるが、チュッ……と唇を合わせると、体全体がピンク色に染まる。だからおっぱいに触れられると、もうそれだけで「ああ、ああ……」と口から悩ましい声が漏れ、乳首は硬く尖る。

天井のLEDが眩しいくらいに煌々と光っているが、今の弥生には何も気にならない。それどころか、王が体を下げ、顔を弥生の股間に埋めてくると、進んで脚を開く。だから、しっとり濡れている小陰唇の合わせ目に舌を這わすだけでは、焦れったくて仕方がない。
「ハオ……」と王の頭を押さえて、合わせ目の中を掻き回させると、「あ、あ、あ、いや、あ、あ、あ、ああああ……」と体が捩れる。

王には幾度もオーガズムに導いてもらっているが、今夜は気持ちの入り方が違う。既に弥生の鼻腔は広がり、頬が赤らみ、額に汗が浮かんでいた。
そんなところに、敏感なクリトリスを舌が捕えたから堪らない。「ああっ、あっ、あっ、あっ、うっ、うっ、うっ、ああっ、あああっ……」と外に聞こえてしまうのではないかと思うほどの大きな声を上げ、王の髪の毛を掻き毟る。

もはや体を繋ぐしかない。
顔を上げた王は弥生の太腿を抱え、枕元に手を伸ばすが、ラブホテルではないからコンドーム等は置いていない。

「ミ、ミィシォン」と王は慌てるが、オーガズムに達していた弥生は、それをコンドームが無いことを訴えているとは思いもしなかった。だから、早く天国に連れて行って欲しいと、無意識に「ハオ、ハオ……」と挿入を促していた。こうなったら迷うことは無い。王は反り返ったペニスを押し下げ、亀頭を膣口に当てがうと、腰を前に突き出し、彼のペニスが弥生の膣の中に根元まで一気に入ってきた。その瞬間、弥生は「あっ、ダメ……」と手を突っ張って押し返そうとした。

排卵日が近く、このままだとハオの赤ちゃんが出来てしまう……しかし、弥生を抱きかかえる王の腰がしなやかに動くたびに、生身のペニスが膣の中を行き来し、快楽の大きなうねりが弥生を翻弄する。

「あ、あ、あぅぅ……、ハオ、ハオ……」と喘ぐ弥生は、次第にそうなったら、そうなったらよ……と抗う気持ちが消え、離れたくない、離れたくないのよ、ハオ、ハオ、大好きよ……王にしがみつく。そして、それは王の気持ちを一層の高みに導き、腰の動きは加速する。

弥生はもう自分が抑えきれず、「あっ、あっ、あ、あ、あ、うっ、うっ、うっ、ああっ、あ、ああああ……」と長い叫びのような呻きを上げ、体が仰け反る。
そして、いよいよその時が。

「あ、あ、ミ、ミィシォン……不行了(もうダメだ)、要射了(出そうだ)……」と王が体を強張らせると、弥生は「あ、あ、い、逝っちゃ、逝っちゃう……」と王にしがみつき、王が「うっ!」と息を吐くと同時に、膣の中では、王の亀頭の先から子宮口に向かって大量の精液が噴き出していた。

2020年1月

「明けましておめでとうございます」
「あら、弥生ちゃん、帰って来てたのね」
「はい、おばさん」
「おめでとう。今年もよろしくね」

弥生は夫と息子と一緒に甲府市の実家に里帰りしていた。
夫にとって妻の実家は、「上げ膳据え膳」の心地良い場所。そして、孫の顔が見れる両親は機嫌良く、弥生は一切の家事から解放される天国だから、毎年、お正月はここで過ごすことにしていた。

今年も天国には違いないが、別のストレスが溜まって仕方がなかった。「我愛你」と甘い言葉が溢れる王のメールを見たくても、実家では籠れる場所といったらトイレしかないが、そう頻繁には行けない。
そんなことだから、1月3日、新百合ヶ丘の自宅に帰って来た時、思わず、「ふぅ……」と息を吐いてしまった。

さあ、これでゆっくりとメールが見れる、そう思っているところに、スマホがブルブル、ブルブル……とバイブレ―ションとともにアルコー、アルコーとトトロの着信音が鳴った。

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えっ、ハオかしら……期待して表示を見ると、「寺田麗子」となっている。ちょっとガッカリして、お正月なのに何かしら?と思いつつも、「あ、高木です。麗子さん、明けましておめでとうございます」と挨拶すると、「明けましておめでとう。今年もよろしくね」とお決まりの言葉が返ってきたが、声のトーンにいつもの落ち着きがない。あれっ、どうしたのかしら?と思ったところ、「ねえ、めぐみさんのこと聞いている?」と、偶然なのか、先日の夫と同じことを聞いてきた。

あの時、夫ははっきり言わなかったが、金子めぐみが不倫しているのは確かだと思っていた。でも、麗子さんは大学の先輩というだけなのに、どうして知っているのかしら?ひょっとしたら、もう仲間内では噂が広まっていて、知らないのは私だけ……仲間外れになった感じがして、「何のことかしら?」とややぶっきら棒に答えると、「そうか、やっぱりご主人は話さないのね」とため息をついていた。

ますます、不愉快になっていたが、「恥かしい話なんだけど、うちの吉川部長とめぐみさんが変な関係になっているのよ」と、考えてもいなかったことを伝えてきた。

「吉川部長って……」
「ほら、私のお祝いの会に割り込んできた人よ」
「あ、あの部長さん……」

分かっている。分かっているけれど、どうして、めぐみと部長が……
俄には信じられず、返事に困っていると、「そう、あの時の部長よ。めぐみさんと仲良く話していたでしょう」と麗子が話を続けてきた。
確かに、そうだった。最初は今井洋子とロンドンのことを話していたが、そこに金子めぐみが割り込んでいったことを覚えている。

そういうことなのね……弥生はようやく納得出来たが、「あの日の帰りからおかしくなったらしいのよ」と麗子の言葉を聞き、思わず、「えっ、あの日から」と声が上ずってしまった。

自分たちと同じだ。だったら、私たちのこともバレているのかしら……弥生は冷や冷やしてきたが、「そうなのよ。だけどね、不倫と言ったって、所詮、他人事。バレないようにやってくれればいいものを、会社のパソコンでメール交換なんかするからバレちゃうのよ」とスマホの向こうで呆れていた。

それはそうよね、会社のパソコンを使うから。私たちはスマホだから……少し安心して、「何でそんなことしたのかしら。スマホを使えばいいのに」と言ってしまい、あっ、いけない!と思ったが、「そうなのよ。全くマヌケなんだから」と麗子も同じことを言っている。

「そんなことをするから会社のメール監査で分かっちゃうのよ。だから、弥生さんのご主人もきっと知っていると思って電話したのよ」
なるほど、そういうことなのか……弥生はようやく理解したが、迂闊なことを言えば、自分にも火の粉が降りかかる。

だから、「主人からは、『最近、金子君と会ったか?』と聞かれましたけど、『お祝いの会以来、会っていません』と答えたら、『ああ、そうか』としか言われませんでした」と伝えると、「やっぱり、そうよね。こんなことは家に持ち込まないわよね」と、麗子は独り納得していた。

それじゃあ、どうして麗子さんは私のところに電話してきたのか?
またも嫌な気分になってきたが、「ごめんなさい、変な電話で。でも、むしゃくしゃして、誰かに聞いてもらわないとやってられなくて、あなたに電話したのよ」と、自分の憂さを晴らすためだったことを打ち明けてくれた。

「今朝、部長の奥様から電話があって、『あなたでしょう、あの女をうちの人に紹介したのは!』って、いきなり怒鳴られちゃったの」
「………」
「吉川部長は『次は取締役か』と言われていたんだけど、誰が言ったか分からないけど、不倫のことが社長の耳に入ったらしいの。だからといって、私が悪いなんて決めつけてこられたって、『いい加減にしてよ!』って、こっちの方が言いたいわよ」

麗子の愚痴は続くが、弥生も顔が青くなっていた。
今は金子めぐみと吉川部長のことだが、私たちのことを知られたら、それこそ何と言われるか分からない。外で会う時はもっと慎重にならなくちゃ。鶴川駅での待ち合わせは危ない……スマホを握る弥生はあれこれと思い巡らせていた。

(続く)

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