国際部の君と-第2話 3100文字 ステファニー

国際部の君と-第2話

人気漫画雑誌『週刊少年ジャンボ』編集者の井崎と国際部所属のキャリアウーマン美香のラブストーリー、続編。

作家名:ステファニー
文字数:約3100文字(第2話)
管理番号:k076

しかし、国際部は雄英社所属ではあるが、その実は正式な社員ではない。
メンバーはフリーランス扱いである。つまり、経費は自分持ちなのだ。
社会保険は会社から加入しているが、ボーナスの支給はなく、給与は前年度の実績に基づく年俸制だ。
美香のように海外出張が頻繁だと、実質の手取り金額はかなり少なくなる。
加えて、フリーランスとなれば仕事日程自体を自分で決めて動く。
そこに法的な拘束力も働かない。
365日24時間が稼働日だと言えよう。
国際部のメンバーは公休もなく、ハードなワークスタイルが求められている。

黒いタートルネックニットにベージュのレザースカートを合わせた今日の美香は、いつも通り自席に着いた。コートを椅子の背もたれにかけ、パソコンの電源をつけた。
昨日が長く稼働できなかったため、チェックすべき情報が溜まっているはずだ。
次週からはまたロサンゼルスへの出張が控えている。
今日は遅くなっても資料の読み込みは終わらせたい。
そのためにも、出張の計画書と渡航許可証の申請を先に済ませたいと美香は考えた。

パソコンが立ち上がると、すぐに美香は出張申請専用のファイルを開き、必要事項を記入した。
慣れた手つきで入力を終えると、すぐさま出力し、吐き出される予定のコピー機へと向かった。
生憎、誰かが大量の印刷をかけていたようで、美香の書類はたった一枚であるにも関わらず、なかなか現れなかった。
イライラしながら待っていると、室長の雪本が隣にやって来た。
「麻宮さん、なんか首に痣ができてるけど、どうかした?」
美香はすぐさま頸部に手を当てた。
「えっ!?本当ですか?全然、気づきませんでした」
「もしかして彼氏できた?ひょっとして相手は井崎かな?だとしたらお似合いだよね」

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迂闊だった。
美香はポニーテールにしてきてしまったのだ。
前日の髪の乱れを直しきれず、一つにまとめてしまった、というのが理由である。
雪本は尚も続けた。
「あいつ、昔は遊んでたけど、今はかなり真面目になったんだ。仕事も順調で、担当してる作品がかなりヒットしてる。『天狗の鼻』って聞いたことあるでしょ?次期編集長も確実視されてるんだ」
「やめてください。仕事中です」
美香は雪本に背を向けた。
「社内恋愛だとしたら、無関係じゃないよね」

やっと美香がプリントアウトした申請書が出てきた。
美香は紙を掴むと、雪本に突きつけた。
「これ、来週の出張申請書です。よろしくお願いします」
「受け取れないよ。次期『少年ジャンボ』編集長の奥様を一人で海外になんて行かせられない。もしものことがあったら、困るからね」
雪本はかけている眼鏡の縁を少し上げながらそう言った。
「ふざけないでください。根も葉もない話、口にしないでください」
「冗談のつもりはないけど。麻宮さんなら井崎にふさわしいと思うし、井崎になら麻宮さんを安心して預けられると思ってるから」
美香は雪本の机に書類を置いた。
「書類、ここに置いておきます。受理しておいてください」
それだけ口にすると美香は踵を返し、コピー機をあとにした。

うわぁ、結構、派手についてるなぁ。
美香はトイレの鏡で首の痣を確認しながら、そう思った。
セックスの際、身体に痣がつく、という知識ぐらい美香にもある。
ただそれが自分の身には降りかからなかっただけなのだ。
美香だって気にしなかったわけではない。
恋愛の機会もなく、高齢処女と化していた。
ヤバいのかな、と感じつつも、勉強に、仕事に、と打ち込むことで、その可能性を打ち消してきた。
とりわけ海外にいると、なぜかそれだけで自分が何か特別な域に達しているような錯覚が得られ、表現し難い自信が漲る。
私の居場所はここなんだ、と心の底から信じて、その他の雑念をすべて追い払えた。

だからといって、美香が性について、何の興味も関心もなかったわけではない。
さまざまな媒体を通してセックスシーンは目にしていたし、自分の身体の気持ちよくなる箇所もわかっていた。
昨晩、井崎に触られるまで、クリストスに一度も触れたことがなかったわけではない。
むしろ、自分はいつ、その時が訪れるのだろうか、と何度思い描いただろうか。
ただ待てども待てども、その瞬間はやって来ないため、自分にはご縁がないものと割り切り、仕事にのめり込んでいったに過ぎない。
それだけに不意打ちのように井崎から誘いを受けたのには驚いた。
もう少し交際の期間を経て、それはやって来るものとばかり思っていたからだ。
美香は井崎が自分に好意を抱いていることさえ知らなかった。
一度、関係を持ってしまったものの、この後はどうなるのか。
ファンデーションで首の痣をカバーしながら、美香は不安に押しつぶされそうになった。

「あれぇ、美香ちゃん。お久しぶりだね」
水洗の音がし、開いたドアから見知った顔が現れた。
同じフロアで女性ファッション誌に所属する山川陽子だ。
「陽子さん、お疲れ様です」
美香は慌てて首から手を離した。
「美香ちゃん、来週はまたロスかな?」
「はい。その予定です」
「そっか。気をつけてね。美香ちゃんが拾ってくる情報はなかなか目のつけ処がいいって評判なんだよ」
「ありがとうございます」

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陽子は美香の最大の取引先だ。
美香が取材した話題のほとんどを、陽子の編集するファッション誌が買い取っているのだ。
「来月はハワイで取材だよね?それも楽しみにしてるから」
来月。
雪本は出張許可を下ろせないと言った。
果たして自分は陽子の期待に添えるのだろうか。
「陽子さん、私…」
美香はその場に蹲ってしまった。
「美香ちゃん、どうしたの?」
「私…、付き合ってない男の人と寝てしまったんです」

美香は陽子に昨晩、自分の身に起きたすべてを話してしまった。
陽子は聞きながら、美香の恋愛観に対する幼さを感じつつも、考えを尊重しながら聞き役に回った。
「美香ちゃんはその人が自分を遊び相手にしようとしてる、って思うの?」
「違うんですか?」
「どうだろう。社内合コンで出会って、その後は仕事上の付き合いをしてたわけでしょ。今更、遊びで肉体関係持つなんて、その方がリスキーじゃない?」
「でも普通はお付き合いしませんか?って言われて、何ヶ月か関係を築いてから、そういうことに至るんじゃないんですか?」
陽子は思わず笑ってしまった。
「美香ちゃん、大学生じゃないんだから、恋愛のスタートは告白からとは限らないのよ。大人の恋愛は身体から始まる場合もあるの」
「そうなんですか?」
美香はキョトンとしている。

「話を聞く限り、相手の人は美香ちゃんとの関係を進展させたくて、その手段に打って出たんじゃないかな?」
「!?」
「美香ちゃん、何度かその人からアプローチがあったんじゃない?でも、美香ちゃんがそのサインを見逃してたんじゃないかな?」
そもそも湘南海岸でのイベントは合コンであり、出逢いを求めて出席したのだ。
美香はあまり出たくはなかったが、独身者は絶対参加的な空気が流れていたため、断れずに出た。
でも、井崎はそんなつもりではなかったのかもしれない。

「その相手の人って、海のあずま屋で声掛けてきた人だよね?もうあの時点で立派なナンパじゃない?」
「そうだったんですか?」
「そりゃそうよ。あんなに可愛い水着でスタイル抜群な女の子がいたら、抱きしめたくもなるでしょ」
美香は恥ずかしくなり、反論した。
「あの水着は、有楽町のイトシアで店員さんがオススメだからって言うから、買っただけですよ」
陽子は井崎がなぜ強引な手に出たのかわかった気がした。
「ところでその人って、所属は『少年ジャンボ』なの?」
「はい。『天狗の鼻』の担当をしていると聞きました」
「えぇっ!?それ本当に?」
陽子はかなり驚いた声を出した。

(続く)

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