闇の男-第1話 3080文字 バロン椿

闇の男-第1話

日本の夜の世界を支配する男、武藤(むとう)甚一(じんいち)と、それに立ち向かう元社会部記者、「ハイエナ」こと田村編集長らとの戦いを描く、官能サスペンス長編。

作家名:バロン椿
文字数:約3080文字(第1話)
管理番号:k077

プロローグ

「勝男さん、好きよ、だから」
「うるさい!俺をバカにしやがって、今頃、そんなこと言ったって遅いよ。こうしてやる!」
若い男が年上の女のブラウスを引きちぎり、スカートを剥ぎ取る。
「いやよ、やめて!」
「うるさい!」
パアーン!

男が女の頬を平手で張った。
「やってやるよ、なあ、やってやるぜ、明美」
若い男が泣きじゃくる女のブラを引きちぎり、ショーツをむしり取った。
「やめて、勝男さん、ダメよ、やめて、きらいよ、勝男さんなんか」
「嫌いで結構。チンポコが好きで、泣いて悦んでいるくせに、今さら嫌いだって言われたって、はめればヒイヒイ言い出すんだから。ほら、ヌルヌルしてるじゃねえか。よし、はめるぞ」
男は女の両脚を大きく広げ、腰を押さえてペニスを強引に挿入する。

「いやよ、いや、いや…あ、ダメーーー」
その瞬間、異様なため息が漏れた。
「凄いですね。こんなの見たことないですよ。いや、凄いな。こんなに迫真の演技、初めてですよ」
「シィー、声が大きいですよ。クライマックスはこれからですよ」
「そうか、中出しだよね。目の前で見れるなんて、あっ、いや、年甲斐もなく興奮して、チンチン立ってきちゃいましたよ」
「ほらほら、やるぜ…」

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その声の通り、男が女の中に射精し、あちらこちらからの「ふうー」と言うため息とともにその劇は終わった。
「凄いですな」
「いやあ、いいものを見せてもらいました」
多くの客たちはそう言って帰っていったが、常連らしい客は、
「AVと同じですね」
「あなたもそう思いますか、いや、同感ですな」
「若い男なら、あんなテクニックより、もっと荒々しく、時には漏らしちゃってもいいと思いますよ」
と厳しい感想を口にしていた。

「ちょっと、そこ邪魔よ」
「あ、悪い悪い」
お客がいなくなった大広間では早くも片付けが始まっていたが、舞台の袖で反応をチェックしていた男が携帯電話を手にした。
「あ、武藤(むとう)先生ですか?茜はまだまだ使えますが、三郎の方は『迫真の演技だ』なんて声もありますが、どうも役者臭くなって、『あれじゃAVと同じだ』と満足しない客も……ええ、替え時ですね」

若い獲物

5月、木々の緑が濃い季節になった。
「ちょっと、雄介、こっち、こっち」
橋本(はしもと)世津子(せつこ)がアトリエの方をちらちらと見ながら母屋から呼んでいた。
「町田さんには気をつけてよ」
「町田さん?」
「画商の町田さんよ。今、お父さんのところに来ているでしょう」

川島(かわしま)雄介(ゆうすけ)は高校1年生。元々は世津子の絵画教室に通っていたが、世津子の父、橋本(はしもと)誠之助(せいのすけ)に気に入られ、内弟子となっていた。
だが、その経緯もあり、父、誠之助と娘の世津子は雄介のことで度々ぶつかっていた。
世津子の言う「町田」とはアートギャラリー・マチダの経営者の町田(まちだ)公一(こういち)のことで、多くの画家をサポートするとともに、若手画家の発掘者としても名を馳せているが、「彼に逆らうと、大変なことになる」とう噂される男だった。
しかし、雄介には、いつも高級ブランドのスーツを着た「カッコいいオジサン」としか映らず、世津子が「町田さんは危ない人だから気をつけなさい」と言っても、「また父娘喧嘩か」くらいにしか思わなかった。

「でも、カッコいいじゃない」
「そんなことじゃないのよ。悪い噂があるのよ」
「悪い噂ってなんですか?そんな風には見えないけどな」
「君は本当のことを知らないからよ。いいから、気をつけなさい」
「だけど、はっきり教えてくれないと分からないよ」
「とにかく近づいてはダメよ」

その時、アトリエの方で音がして、世津子は町田の顔も見たくないと、慌てて母屋に戻ってしまった。
そこに、アトリエのドアが開き、噂の町田が世津子の父である大先生の橋本(はしもと)誠之助(せいのすけ)と一緒に出てきた。
「橋本さん、どうもありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ。よろしくお願いします」
二人はそう挨拶を交わしていたが、雄介に気がついた誠之助が「ちょうどよかった。雄介、こっちだ。早く来い」と呼び寄せ、「これが川島雄介です」と紹介すると、町田は何かを思い出したような顔に変わった。

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「君、前に会ったかな?」
「はい、先日、画廊にお邪魔して絵画展を見せて頂きました」
「そうか、そうだ。あの時は制服で来ていたね。随分と熱心に勉強する中学生だと見ていたんだよ。君だったね」
町田は褒めたつもりだったが、「あの、僕、高校1年ですけど」と雄介はぷいっと横を向いてしまった。
高校1年生になったのに、童顔、170cmと体もそれ程大きくないので、「中3?」とちょくちょく間違われるので、気にしていたことだった。
慌てたのは誠之助。
「こら、雄介、なんて失礼な。町田さんに謝りなさい」と雄介の頭を押さえて、下げさせたが、「いや、いや、謝るのはこっちの方だよ。高校生だよね、いや、ごめん、ごめん」と町田は笑っていた。

しかし、いつもは「大先生」と呼ばれ、堂々としている誠之助だが、今日は「本当にすみません。いい子なんですが……」とそわそわしている。
だが、それも束の間、雄介をじっと見つめていた町田が「いや、すみません。いい男だから見とれてしまいました」と顔を和らげ、「OKです」と大先生の手を握ると、「えっ、いやあ、助かりました。よかった、よかった。これで、私も義理が果たせました」とペコペコと頭を下げ、妙にへつらっていた。
町田は「それじゃあ」と軽く挨拶をすると、雄介にも「ぜひ、遊びにおいで」と一声掛け、黒塗りのセダンに乗って帰っていった。

車が見えなくなると、先程のオロオロしていた顔はどこへやら、「雄介、明日、町田さんのところに行きなさい」と威厳のある顔に戻っていたが、雄介は「どうしてですか、僕を中学生だなんて言った人のところに行かなくちゃいけないんですか?」と不満だった。
「全く、お前はしょうがない奴だな」と彼は雄介の頭をポンと叩くと「あのなあ、お前、合格したんだよ」と意外なことを言い出した。
「えっ、合格?」
「そうだ、弟子入りが認められたんだ。さっき、アトリエでお前の絵を見てもらって、それから、直接、お前と話して、気に入ったんだよ。文句言うくらいの元気があった方がいいってね」

自分は絵画教室に通って、大先生の内弟子になっただけなのに、どうしてそんなことを言うのか、雄介は不思議だった。
だが、その大先生の誠之助が「彼は若手発掘に熱心だからね。だから、明日、町田さんのところに行っておいで。チャンスだよ」と勧めるので、「はあ、分かりました」と、今度は素直に従うことにした。

身代わりの要求

「根岸(ねぎし)さん、おいくつになりましたか?」
「はあ、7月で40です」
「そうですか。まあ、そろそろ美術の先生に専念するか独立するか、岐路ですな」
応接で向き合う町田の顔には温かみが無かった。
「いえ、あの、独立と言われると、その……」
「ははは、根岸さんのような立派な方をうちのようなちっぽけな画廊に縛りつけておくなんて失礼ですから」

言葉は丁寧だが首宣告である。
絵画展等で気に入った者とは専属契約を結ぶが、成果が芳ばしくなければ契約は打ち切る。
ビジネスとして当然であるが、打ち切られた方は「画家失格」を言い渡されたのも同然だから、簡単に「はい、そうですか」とは返事出来ない。
「もう1年、お願い出来ませんか?」と粘るが、「うちもビジネスですからねえ」とタバコを吹かし、取り付く島もない。
それどころか、「独立にあたっては、お貸ししたものはきれいにして頂きたい」と突き放されてしまった。

(続く)

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