濃いのは危険-第2話
作家名:バロン椿
文字数:約2920文字(第2話)
管理番号:k075
スーパーで働く木村久美は結婚して10年になるが、子供が出来ずに悩んでいた。そんな悩みを職場の同僚、中村洋子に「主人は43で、薄くなったから、濃いのを出してくれる若い子となら出来るかしら?」とふと漏らしたことから、相手探しが始まるが、狙われた若い子とは、なんと東京大学法学部3年の佐々木幸一。
子種の出し手としては申し分ないが、さあ、どうなるか?
解剖しちゃうから!
「血液型は何型?」
「A型ですよ」
その声を聞いて久美は体が疼き始めた。
「牡羊座のA型か……幸一君はいつも正直で一生懸命だから、やっぱり、そうなんだ」
「そうね、頑張り屋だからね、幸一君は」
「そんな、いやだなあ、洋子さんも悦子さんも、からかわないで下さいよ」
「からかってないわよ。本当のことを言っているのよ。ねえ、悦子さん」
「そう、本当に頑張り屋。それになりより、東大法学部!」
鼻を擽られた幸一はニヤけた顔になったが、「久美さんなんか『幸ちゃんは偉い!』って、いつも褒めてるわよ」と付け加えられると、聞き耳を立てていた久美は頬が赤くなり、幸一はビクッとして、久美の方を見ていた。
そんな二人の変化を洋子と悦子が見逃す訳がない。
(あらあら、久美さんは本当に正直なんだから)
(それに、彼も気があるみたい)
(ほんと)
実は、幸一も久美が好きだった。
美人では無いが庶民的な38歳。
細身の体に似合わない巨乳。
子供がいないので、型崩れのない釣鐘型で、幸一は更衣室で着替えているところを偶然見てしまってから、それを忘れることができない。
(面白くなってきたわ)
(ふふふ、もっとからかいましょう)
互いに目配せした二人はさっそく幸一イジリを始める。
「ねえ、幸一君の彼女はどんな女の子かな?」
「洋子さん、そんなのいる訳ないでしょう。自慢じゃないけど、女の子の手も握ったことがないよ」
「えええ!!本当?」
「東大なのにどうして?お勉強ばかりしているから?」
「そ、そんなことはないけど」
幸一は照れ隠しにジョッキをグイグイ飲み出したが、「興味あるの、そういう話って」と、こういう時にはもってこいの礼子が割り込んできた。
「ねえ、女の子の手も握ったことがないって言っても、あれはできるでしょう?」
「えっ、『あれ』って?」
「東大では習わないの?エッチのことよ」
洋子も悦子もニヤニヤしながら、そのやり取りを見ている。
「いや、そ、そんなことは……」
「自分でしているのに?」
「えっ、いや、そ、それは……」
顔を真っ赤にした幸一は助けを求めて洋子の方を見たが、礼子のやりたいようにさせておいた方が面白いと、洋子は知らんぷりを決め込んだ。
だが、「いいじゃない、私も洋子さんもオナニーしているんだから」と、無茶振りされると、そうはいかなくなる。
「あ、そ、そうよ。き、気持ちいいわよ」と、どうにか合わせた。
だが、振られたからには、そのままにはしておけない。
「幸一君はどうやってするのかな、知りたいなあ、男のオナニーは」と妖しげな笑いを浮かべ、手を彼の股間に伸ばしたが、それより速く、礼子が幸一のズボンのバックルに手を掛けていた。
「な、何をするんですか……」
慌てた幸一は腰を引いたが、礼子の手は止まらず、「決まっているじゃない、解剖よ」とガチャガチャと外しに掛かり、「ねえねえ、私たちにも見せてよ」と悦子と聡子に両脇を固められると、「あっ、ダメ、それは……」とズボンを掴もうとしたが、どうすることも出来ない。
「ふふふ」と笑った礼子が「どんなかな?」とズボンとパンツを一緒に引き下ろすと、縮こまったオチンチンがオバサンたちの前に曝されてしまった。
「あらら、可愛いのね」、「ホント、赤ちゃんみたい」と悦子と聡子に笑われ、恥かしくてたまらない幸一は「ダメ、ダメ、見ちゃダメです!」と叫び、身を捩って抵抗したが、所詮、〝まな板の上の鯉〟
「どうしたの。元気がないわね」と、それを右手で握った礼子がユックリと扱くと、オチンチンは更にググッと伸びて太くなり、今度は「す、凄い……」、「そうね、こんなのすっかりご無沙汰よ」とオバサンたちを唸らせた。
「ひどいよ。こんなことして。もう止めて下さい……」と顔が引き攣る幸一は泣きそうになっていたが、調子に乗る礼子は「困ったわね、このままじゃ、ズボンも穿けないし、どうしよう?」と先走り汁ですっかり濡れている亀頭を指で撫でると、手を軽く握り筒状にして、あそこに出し入れするような動きに変えた。
「あ、ダメ、ダメ……そんなことしたらダメですよ……あ、あ、あああ……」
幸一の体がブルブルッと震え、逝くのは時間の問題となったが、その時、突然、「やめて!礼子さん、無駄弾を出しちゃダメよ!」と久美の悲鳴のような叫び声が部屋に響いた。
セックスルーレット
(無駄弾?)
(あ、あれよ!)
(いけない、そうだったわ)
洋子と悦子は今夜の企みを忘れてしまう程に礼子の悪戯に見入ってしまったが、幸一は「はあ、はあ、はあ……」と肩で息をする程に危ないところだった。
寄り道している時間はない。
「そ、そうね。せっかくのお誕生日のプレゼントなんだから、礼子さん、手じゃダメよ。本物を使わせてあげなくちゃ。ねえ、悦子さん」
「そうよ、それくらいしてあげないと。お誕生日のプレゼントだから、特別よ」
二人がけしかけると、「バカなことを言わないでよ」と一旦は幸一から離れたが、ニヤニヤしながら悦子が、「何も礼子さんに『してちょうだい』って言っている訳じゃないのよ、ゲームよ、ゲームで負けた人が幸一君の相手になって上げる、それだけよ」と言うのを聞いて、これは何かあると礼子は感じ取った。
こうなったら「宴会部長」として断れない。
「いいわよ、どんなゲームで決めるの?」と受けて立った。
(ふふふ、思った通り)
(やっぱり礼子さんよ、こうでなくちゃ)
シナリオ通りに進む展開に、洋子が待ってましたとばかりに、「せっかく、ここに来ているんだから、カラオケにしない?」と言えば、礼子は「そうね、みんな、歌が好きだから、それがいいわ。勝つか負けるか分からない。面白そうね」とノリノリになってきた。
ところが、「ま、待って、待ってよ」と焦る女がいた。聡子だ。
「どうしたのよ?」と悦子に聞かれ、「今日は危ないのよ」と顔を青くしてバッグの中を探していたが、あれがない。
「ねえ、誰かコンドームを持ってない?」と聡子は真剣だが、「無いわよ、そんなもの」と悦子はつれない。それどころか、「ふふふ、だったら、なおさら面白いわよ」と笑い出した。
「何、面白いって?」
ウメサワーのグラスを持った礼子が目を輝かせている。
「ロシアンルーレットって知ってる?」
「知ってるわよ。たしか、ピストルに一発だけ弾を入れておいて、順に引き金を引いて、運が悪いと弾が出ちゃって、死んじゃうんでしょう?」と礼子はそのサワーを一気に飲み干したが、エッチな話はワクワクするから喉も渇くし、連鎖もする。悦子もジョッキのビールでゴクゴクとのどを潤し、
「そう、その通りよ。コンドームなんか無くたって、運が良ければ、当らない。運が悪ければ、お腹がポッコリ。これって、幸一君のピストルの弾を受けるから、〝セックス・ルーレット〟ね」と笑いだし、それに対し、
「えっ、ピストル?洋子さん、それは幸一君に失礼よ。〝大砲〟でしょう」
と礼子が吹き出した。
しかし、聡子は笑うどころではない。
「ねえ、本当に誰も(コンドームを)持ってないの?」と泣きそうになっているが、誰も聞く耳を持たない。
その間にも悦子が「じゃあ、礼子さん、洋子さん、久美さん、聡子さん、そして私の順。いいわね」と歌う順番まで決めてしまった。
(続く)
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