濃いのは危険-最終話

濃いのは危険-最終話

作家名:バロン椿
文字数:約3810文字(第3話)
管理番号:k075

スーパーで働く木村久美は結婚して10年になるが、子供が出来ずに悩んでいた。そんな悩みを職場の同僚、中村洋子に「主人は43で、薄くなったから、濃いのを出してくれる若い子となら出来るかしら?」とふと漏らしたことから、相手探しが始まるが、狙われた若い子とは、なんと東京大学法学部3年の佐々木幸一。

子種の出し手としては申し分ないが、さあ、どうなるか?

「本当に無いのよ」とオロオロする聡子の傍らでは、礼子が「仕方がないわ。歌ってくるから」とマイクを手に取り、「今井美樹の『PRIDE』、お願いします!」と、いつも通りに歌い上げると、「90点」と表示された。
「さすがね、場馴れしているわ」と皆が感心するが、礼子もやはり「生の一発」は避けたかったのか、ソファーにドシンと座り込むや、「ふぅー」と大きく息を吐き、ウーロンハイを一気に飲み干していた。

続いて洋子は「夜桜お七」で89点、そして、いよいよ、久美の出番だ。
(さあ、しっかり!)
マイクを手渡す洋子が無言の励ましを送ると、小さく頷いた久美は「た、高橋真梨子の『桃色吐息』、お願いします」と言ったが、既に声が震えている。
学生時代にコーラス部で活躍したので、普通に歌えば、軽く90点は出る。
「さびでキーを外して、『あれ、いけない。間違えちゃった』って、止めちゃえば、ビリになるから」と洋子と悦子から事前に言われていたが、そんなことをしなくても、今夜は体が疼いて、既にパンティはグショグショ、歌うどころではなかった。

声の震えが止まらず、出だしからキーを外し、歌詞も間違え、散々な出来だった。
「どうしたの?」
「ふふふふ、意識したんでしょう。これだから面白いのよ」
礼子に洋子は答えていたが、聡子は落ち着かず、ハイボールを飲んだが、喉を通らない。
「もう大丈夫だから」と礼子に背中を押され、マイクを受け取ったが、間が悪く、幸一と目が合ってしまった。
その瞬間、素っ裸で彼と絡む自分を思い浮かべ、頭の中は真っ白。

「い、岩崎良美の『タッチ』、お願いします」と言ったが、喉はカラカラ、声なんか出ない。イントロが始まっても、「あ、あ、あ、えっ、いや、あ、あ……」と出だしで躓き、全く歌にならなかった。
終わった時、「もうダメ……」とベソかき、ソファーに倒れ込んだが、何故か、得点は62点と、久美は僅かに上回った。
「良かった、良かったわね」と礼子に背中を叩いてもらっている間に、悦子が自慢の持ち歌、中島みゆきの「糸」を歌い、92点と最高得点を獲得した。

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さあ、命中して下さい!

これで幸一の相手が久美に決まり、同時に、「ふぅー」と大きなため息が一斉に皆の口から漏れた。
「よかったわね」と礼子に何度もハグされ、聡子はようやくハイボールが喉を通ったが、スーと席を立った久美は幸一の前でスカートのファスナーを外していた。
「え、ええ……」
驚いた聡子はグラスを置くと、先程までの涙はどこへやら、「へえ、久美さんて、意外に大胆なのね」と、久美と幸一の方に近寄ろうとしたが、「あなたは見なくていいから」と洋子に腕を掴まれてしまった。

パンティ姿になった久美がそれを下ろそうとしているところだけに、「どうして?」と聡子は粘るが、「もう遊びじゃないのよ。幸一君にとって、初体験。大事な儀式よ。お店の人が来て、騒がれたら困るでしょう?目隠しにドアのところに立ってなさい」と洋子に睨まれてしまった。
うるさいわねと思ったが、年長の洋子に逆らうことはできない。
「はい、はい」と渋々目隠しに立ったが、久美と幸一はそこから2mも離れていない。
「こんなおばさんでいいの?」
「ずっと久美さんが好きでした」
「うれしい。私も幸ちゃんが好き」
二人の震える声が聞こえてくる。

聡子は思わず振り向いたが、洋子も悦子も礼子もオバサン剥き出し、二人を食い入るように見つめている。
「ずるい!」と聡子はそこに割り込んだが、洋子はもう何もいわない。
そんな騒々しさも、久美には聞こえないのか、幸一に伸し掛かり、ソファーに押し倒すと、いきなりディープキスから始めてしまった。
その時、プルルーン、プルルーン……とインターフォーンが鳴ったが、「1時間延長って答えて」と悦子が肘で突いてきた。
「はいはい、分かりましたよ」と聡子がインターフォンを取り、それに答えている間に、久美が幸一の顔の上に跨った。

「あらら、あんなことしちゃって」
「凄い、光ってる。久美さん、濡れ濡れよ」
洋子も悦子も身を乗り出している。
手を伸ばせば届くところで、幸一が顔を近づけて舌でアソコをペロリ、ペロリ、「あああぅ、いぃ……気持ちいい……」と久美の顔が歪む。
「ねえ、自分が舐められているみたい」と礼子が呟くと、「私も……おかしくなっちゃう」と悦子はスカートの上から股間を押さえている。

皆が見つめる中、久美は自分の指を口で噛んで、声が出ないように我慢していたが、とうとう堪らずに、「もっと、もっと……たまんない、もうオマ〇コ、グチョグチョ、ダメ、待てない、早く、早く入れて、お願い、お願い……」と、はしたない言葉が久美の口から漏れる。
「久美さんが……」と皆が唖然とする中、幸一が上体を起こして久美を抱きかかえると、ソファーに転がり、オチンチンに手を添えて秘肉にあてがった。
「童貞なのに、上手いわね」
「だって東大よ。勉強しているのよ」
「余計なこと言わないで……ああ、入れるわよ……」
誰もが唾を飲み込み、その瞬間を見逃すまいと、目を見開いている中、久美が「幸ちゃん、来て」と幸一の腰をつかみ引き寄せ、「う、うん」と頷いた幸一がゆっくりと体をかぶせると、オチンチンがヌルッと久美のアソコに入り、二人は見事に一つになった。

見ていた方も、ホッとして「入っちゃった」、「しちゃった」と声が出ていたが、幸一は早くも体を強張らせながらも、目を閉じて「ふう、うっ……」と呻き声を洩らしていた。
「幸一君、堪えてるのよ」
「いつまで我慢できるかな」
オバサンたちの関心は挿入から射精に移る。
「久美さん、ぼ、僕、本当に好きです」としがみつく幸一を、久美は「うれしい、幸ちゃん」と言って、その腰に足を絡めてじっと抱き締めていたが、突然、体がブルブルと震え出し、「あ、あっ、あ……」と言葉が続かなくなった。

「あら、もうダメみたいね」
「童貞だもんね。」
オバサンたちの余計な言葉は二人の耳には入らない。
「久美さん、久美さん・・・もうダメ・・・ご、ごめんなさい・・・」
「いいのよ、気にしないでいいのよ。そのまま一杯出して・・・」
「ああ、で、出ちゃうよ・・ああ・・・」

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その叫び声とともに幸一の腰がグンと浮き上がり、それをガツンと久美にぶつけると「うっ!」という短い呻き声とともに久美を抱き締めた。
「出ちゃった……」
「しかも、生で中出し……」
誰もそれ以上の言葉は思いつかない。
更に幸一が「うっ!」、「うっ!」と短い呻き声とともに、腰を二回、三回と発射を続け、「う、う……」と呻くが、久美は幸一の腰に足を絡めたまま、それを全て受け止めた。
「終わった……」
見ているだけでも疲れてしまったのに、久美は腰に絡めた足を解かない。

「いいのかしら、出来ちゃうわよ……」
礼子と聡子は心配になったが、久美の顔には笑みが浮かんでいる。
その傍らでは悦子と洋子が裸になって言い争いを始めていた。
「若い子のオチンチンを見てたら、私もしたくなっちゃった。ねえ、久美さん、早く代わってよ。幸一君、まだ出来るよね?」
「ダメよ、私が先よ。私の方が点数が低いんだから。悦子さん、ずるいわよ!」
いつもは暴走を止められる礼子と聡子も、これには「今夜はどうしちゃったの?」と、ただ驚くばかりだ。

薄めれば大丈夫よ

それから3ケ月。
「さあさあ、今日からサマーセールですよ。頑張って下さいね」と、朝礼で主任は精一杯に声を出したが、渋い顔は隠せない。
「ねえ、主任さん、機嫌悪そうね」
「やっぱり?こんな忙しい時に退職だからね」
「でも、久美さん、うれしそうだった」
「当たり前よ、やっと命中したんだから」
「あれ、幸一君のかな?」
「それは言っちゃダメよ」
「いけない、約束だったわね」

久美のオメデタ退職が決まり、洋子と悦子は主任の渋い顔とは対照的に、笑顔でいっぱいだった。
「ところで、幸一君はどうしているかしら?」「司法試験でしょう。ねじり鉢巻して頑張っているわよ」
「そうね」
二人は持ち場に戻ろうとしていたが、背中から、「ええ、元気よ」とひときわ明るい礼子の声が聞こえてきた。
礼子は元から明るく元気だったが、最近は、さらに色ツヤが良くなっている。
「あら、どうして知っているの?」
「ふふふ、付き合っているの」

暴走は当たり前の礼子だから、想像は出来たが、全く手が早い。
「だけど、彼、勉強するために辞めたのよ」
「だって、あんなの見せられたら、放っておけなくて、直ぐに誘っちゃったのよ」
「本当に、しょうがない人ね、あなたって人は。で、どんなお付き合い?」
洋子は口に出してから、間抜けなことを聞いてしまったと、恥ずかしくなった。
「昨日も会ったの。3発よ。疲れちゃった」
朝から聞く話ではないが、礼子は止まらない。
「頭がいいから、飲み込みがいいのね、どんどん上手くなるのよ。逝かされちゃって……ふふ、ふふふ」
まあ、「好きにして下さい」ってとこだが、礼子までオメデタ退職されたら、仕事が回らない。

「やっぱり礼子さんね。呆れたわ、あははは。だけど、大丈夫なの?あんな濃いのと一晩に三回もして?」
「大丈夫よ。手や口で無駄玉を発射させてからするの。ルーレットは濃いままだったから一発で命中したけど、洋子さんも悦子さんも薄くなってからでしょ?」
「そうか、無駄玉も必要なんだ」
「そうよ。だから三発も発射されたって、大丈夫!ふふふ」
「まあ、やっぱり礼子さんね。はは、ははは」
忙しいお店の中に、熟女3人の笑い声が明るく響き渡った。

(終わり)

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