一夜限り-第1話 2050文字 バロン椿

一夜限り-第1話

もう50年も経ちましたが、その夜のことは今でも忘れられない思い出です。
相手の女性はとても素敵な方でしたが、名前が「雪乃(ゆきの)さん」であること、それしか知りません。
たった一夜の関係ですが、今、思い出しても股間が硬くなります。
どんな出来事だったのか、あなたにこっそりお話します。

作家名:バロン椿
文字数:約2050文字(第1話)
管理番号:k130

東北バスツアー

昭和47年(1972)、私は高校1年生。夏休みを利用して同級生3人と大手Y新聞の子会社であるY旅行が主催する3泊4日東北地方のバスツアーに参加していました。

しかし、バスツアーです。参加メンバーは、「パパ、ママ、早く!」という家族連れや、「おい、酒はないか?」と赤ら顔の職場仲間のオヤジたちばかりで、銀座そごう前からバスが発車した時は、正直、嫌だなと思っていました。

当時は東北自動車道などなく、一般道を使い、所々でドライブインに立ち寄るのんびり旅ですから、途中でバスガイドさんに「高校生?退屈じゃない?」と聞かれ、「あ、いえ」と返事に困ったような記憶があります。

でも、宮城蔵王のお釜、裏磐梯の五色沼、会津若松城、猪苗代湖、その傍らにある野口英世記念館等を巡るうちに、車内では、「はい、ここで有名なのは」とのバスガイドさんの問い掛けに、「花笠音頭だ」、「いや、真室川音頭だ」とオヤジたちが盛り上げるなど楽しくなって、加えて、昼食時、「空いているわよ」と声かけしてくれるご夫婦がいたり、休憩で立ち寄った裏磐梯高原ホテルで、「ほら、ご覧なさい。素晴らしい景色よ」なんて教えてくれる女性など、旅行参加メンバーは素敵な方々ばかり。

だから、2日目の朝、バスガイドさんに「おはようございます」と笑顔で挨拶すると、「今日も楽しんでね」と笑顔を返してくれました。
また、泊まる温泉旅館も木造あり、鉄筋コンクリートあり、お風呂は大浴場、岩風呂、露天風呂など、高校生ながらも「いい風呂だ」なんて、満足していました。

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満天の星

そして、あれが起きたのは3日目の夜、土湯温泉のM旅館でのことでした。
ツアーも終盤に差し掛かり、高校生とはいえ私たちもさすがに疲れが出て、皆は早々に寝入っていました。しかし、私は夏休みの残り日数と手を付けていない宿題のことを考えていると目が冴えてしまい、気分転換に風呂に入ろうと部屋を抜け出しました。

最初は大浴場へ行くつもりでしたが、離れに露天風呂があることを思い出し、どうせなら夜景を眺めながと、渡り廊下を通ってそこに行きました。
時刻は午前0時を過ぎていましたから廊下にも人の姿はなく、浴室はガラガラ。脱衣所の籠は全て裏返してありました。
貸し切りだ……浴衣を脱いで裸になった私はタオルも持たずガラスの引戸を開けて、外に出ました。

真夏なのに少しひんやりとした空気、そして満天の星とはこういう眺めをいうのでしょう。空いっぱいにキラキラと輝く星、星、星・・
おまけに天然石で造られた岩風呂、雰囲気は最高でした。

湯に浸かり、手足を伸ばしてそれを見ているだけで、「宿題もなんとかなるだろう」と、先程までの焦っていた気持ちはどこかに行ってしまいました。そんな時です。ガラガラと引戸が開く音が聞こえてきました。
せっかくいい気分なのに邪魔するなよ……私はがっかりしましたが、そんな気持ちは次の一言ですっ飛んでしましました。

「一緒にいいかしら?」
驚いて振り向くと、湯気の中に見えてきたのは同じツアーに参加していた40歳くらいの女性で、顔立ちは今で言えば歌手の香西かおりさんにちょっぴり似ている色っぽい人でした。
えっ、今の時間は男性専用だった筈だけど……私は入口の案内板を思い浮かべていましたが、彼女は素っ裸のまま、前も隠さずに近づいてきました。

「驚いた?」
「は、はい」
大きなおっぱい、股間には黒い陰毛……当時の私は純情そのもの、まともに見れず、恥ずかしくて背を向けてしまいましたが、彼女は湯船の淵で、手桶でザー、ザーと体に湯を掛けていました。

早くどこかに行ってくれないかな、そんなことばかり考えていると、「雪乃(ゆきの)よ」と背中越しに声を掛けてきました。慌てて、「く、邦夫(くにお)です」と答えましたが、振り向くことなんかできません。ところが、カポーンと手桶を置く音に続き、バシャと湯に入る音。そして、驚くことに「ごめんなさい」と、私の横に寄ってきたのです。

とっさに「あ、あの、僕、出ますから」と逃げ出そうとしましたが、「いいじゃないの」と腕を掴まれてしまいました。
夜風は涼しく空には満天の星ですが、もはや、そんなことを楽しむ余裕はありません。
「ああ、いい気持ち……」と、彼女が手足をグーと伸ばすと、その白い肌が否が応でも目に入りますから、目はあらぬ方向にキョロキョロと。

そんな私の慌てぶりを、雪乃さんは「フフフ」と笑うと、「きれいな肌ね」と手の甲で私の腕をさらっと撫でてきました。その瞬間、全身にゾクゾクっとしたものが走り、「あっ」と声が出ると同時にチンポがムクムクと硬くなってしまいました。焦った私は両手でそれを隠しましたが、全て見透かしていたのでしょう。意地悪く、「ねえ、上がらないと、のぼせるわよ」と笑うのです。

揶揄っているというか、弄ばれているというか……雪乃さんは「若いって、素敵。恥かしがることはないのよ」と言って頬を寄せて、そっと唇を重ねてきました。僅かな触れ合いでしたが、もう私は頭が真っ白でした。

(続く)

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