北陸道ー熱愛ライン-第5話 2720文字 バロン椿

北陸道ー熱愛ライン-第5話

夏休み、高校2年生の高木秀夫は、知り合いから「ちょい手伝うて欲しい」と、お土産店の店番を頼まれた。気が進まないアルバイトだったが、出掛けてみると「社長はん、拭き掃除、終わったけど」と、36歳の熟女、木村美佐江が現れた。
何やら胸が高まるが、狭い町だから仲良くなっても噂になるのも早い。さて、どんなことになるか……

作家名:バロン椿
文字数:約2720文字(第5話)
管理番号:k138

露見

だが、狭い町だ。二人の仲が他人に知られるのは時間の問題だった。
寒くなり始めた11月中旬、秀夫が美佐江に逢いに行くと、路地の前に隣のおばさん、吉井妙子が「どこに行くんか?」と立っていた。
「あ、いや、どこにも……」と目を背けると、「こっちに友達でもおるんか?」と睨む。彼女には小さな頃から可愛がれていたので、隠し事はできない。

「あ、いや、お、おばさん、あの、その……」と、しどろもどろになった秀夫は慌てて駆け出そうとしたが、「色々言われとるで」と腕を掴まれた。
「な、何のこと……」
白を切ろうとしても、「おばちゃんの目ぇ見れるか?」とぐっと腕を引かれたら、逃げ場はない。最後は「手、手ぇ離してや」と無理矢理振り切って逃げ出したが、「秀夫ちゃん!」と目で追ってきた。
角を曲ると、心臓はドキドキ、そこに座り込んでしまった。そして、逃げてきた方を窺うと、妙子が美佐江の家に入って行くのが見えた。じりじりして待つこと30分、もう帰っただろうと、秀夫が息を切らせて玄関に飛び込むと、美佐江は六畳間に座っていた。

「秀夫ちゃん」
「吉井さんが……」
「何でもあらへん」
青ざめた顔の美佐江は秀夫の首に手を絡めて唇を合わせてきた。何か言われたことは確かだった。
二人は気が急いていた。全てを忘れたく、布団に倒れ込むと、前戯もそこそこに交わった。
初めての時と同じ、十分に濡れていないが、そのまま体を繋げた。
二人は手を握り合い、
「あ、ああ、美佐江はん……」
「秀夫ちゃん……」
と名前を呼びあい、パン、パンと腰をぶつけ合う。そして、いつの間にかシーツは飛び散る愛液でぐっしょり濡れていた。

セクシーコスプレ03

最後は
「あ、ああ、あ、あああ……」
「ああっ、あっ、あっ、あっ、うっ、逝く、逝く、ああっ、あああっ……」
と二人は同時に抱き合ったまま動かなくなった。
「そうなったら、もう会えんことになる」
秀夫も美佐江もその時が来るのが怖かった。

突然の別れ

翌日、妙子が学校の前で待っていた。
「彼女はおらんよ」
「えっ」
「さっき引っ越していった」
「う、うそだ」
予想はしていたが、別れの挨拶もしていない。秀夫は動揺していた。

「ええか、秀夫ちゃん。あん女は秀夫ちゃんが付き合う女じゃないんよ」
「あん女ってなんだよ。美佐江はんは変な女じゃないよ」
その瞬間、バチンと妙子の右手が秀夫の頬を叩いていた。
「秀夫ちゃん、20歳も違う女と付き合うてなんになるん?」
「………」
「目を覚ましなはれ。あんたは高校生よ」
再びバチン、バチンと妙子に頬を叩かれ、何とか正気の戻った秀夫はその場にへたり込んでしまった。

一昨日まで、こんなことになるとは思ってもいなかったから、電話番号もメールアドレスも聞いていなかった。
「北海道に行った」、「九州に行った」など、いろいろな噂を聞いたが、詳しいことは誰も教えてくれなかった。
「秀夫ちゃん、抱いて……」
優しい言葉だけが耳に残る、突然の別れだった。

金沢

2年後。
「でかしたぞ、秀夫」
「おめでとう」
「うん、ありがとう」
秀夫は1年の浪人の後、運良く、第一志望の金沢大学に合格した。
3月末、桜の蕾が膨らむ故郷の京丹後を、「頑張ってこい」、「体に気を付けるんよ」と両親に見送られて、大学のある金沢市角間町のアパートで独り暮らしを始めた。

石川県は隣の福井県と同様に、昔から京都との関係が強く、言葉も似ているところはあったが、皆が顔見知りの故郷とは違い、慣れぬ土地では「おはよう」と挨拶されても、緊張して、「あ、あ、お、おはようございます」と口ごもってしまうこともあった。
しかし、なにより大変だったのは、朝、起こしてくれる人がいないことだった。だから、寝坊しないようにと、目覚まし時計を2つ用意した。また、食事も自分で作らねばならないし、洗濯だってそうだ。親のありがたみに改めて感謝した。
だが、大学が始まれば、それよりも楽しいことが沢山ある。

「恋人を見つけるなら、うちに入らんと」なんて怪しいサークルもあれば、「鞭声粛々、夜河を渡る~」と声朗々に吟ずる詩吟サークル等、キャンパス内はとても賑やかだった。
秀夫は高校時代、部内のゴタゴタに嫌気が差してサッカー部を辞めてしまったので、気楽に楽しめるものを探そうと、あれこれ覗いている時、「どこの出身かな?」と体のがっちりした大きな男に呼び止められた。
言葉のトーンから京都かなと思い、足を止め「あ、あの京丹後市です」と答えると、「えっ、あの野村監督の故郷か?」と地元の者以外はあまり知らないことが返ってきた。驚く秀夫に、「わしは福知山や」と言って、「よし、一人決まり!」と仲間に叫んでいた。

セクシーショーツ一覧02

「あ、いや、僕は」と言っても、「よろしゅうな」と周りを囲まれ逃げようがない。
結局、入会届をその場で書かされてしまったが、「山歩きフレンズ」というハイキングサークルで、誘ってくれたのは山岸(やまぎし)謙治(けんじ)という4年生だった。
「あの、練習はどんな感じですか?」
入会届を出す時、怖々と聞くと、「好きな時に参加すればええ」と、その山岸先輩は言ったが、「ほんまどすか?」と念押しすると、「飲み会以外は強制しいひん」と笑っていた。

その言葉通り、4月中旬、全員参加の新入生歓迎コンパが大学付属病院に程近い、桜町の居酒屋で行われた。
「市内、県立A高校出身、小池治です。よろしゅうお願いします」
「おお、俺の後輩か」
「それは悲劇だ」
「あははは」
これはいい方だが、「まあ、しっかりやれよ。じゃあ、次!」と言われ次に立ったのが体の大きな男で、「東京生まれ、都立B高校出身の鎌田正也です」と言ったところで、「何で金沢なんかに来たんだ?」と弄りが入り、「はい、旧制四高に憧れて」と答えると、「くだらねえ!そんな科白は聞き厭きた」と返ってきた。しかし、「すみません! お詫びにこのビールを飲み干します」と見事に切替し、「こいつは面白いや」と拍手喝さいを受けていた。

こんな具合だから、秀夫が立ち上がると、「つまらんことを言うたら、一気だぞ」と事前に生ビールのジョッキが用意されていた。
そして、「あ、あの」と口ごもると、「どうした? 飲みたいのか」と言われ、ジョッキを持たされ、「いっき、いっき」と囃し立てられ、半分まで飲んだところで、「すみません、京丹後市出身、高木秀夫です」と言うのが精一杯だった。
普通だったら、「だらしがねえなあ」と言われるところだが、「まあ、ええ」と同郷の山岸先輩が、「わしが代わりに飲んだる」と助太刀してくれた。諸先輩たちは不満はあるが、「ほうか、山岸の後輩け」、「しょうがねえな。勘弁すっけ」となり、秀夫は「助かった」と残ったビールをチビリ、チビリ。何とか、最初の難関は乗り切った。

(続く)

※本サイト内の全てのページの画像および文章の無断複製・無断転載・無断引用などは固くお断りします。
リンクは基本的に自由にしていただいて結構です。

▼セクシーランジェリー通販サイト
インナージュエリー
ベビードール
セクシーショーツ
セクシーブラ&ショーツ
セクシーコスプレ
セクシーテディ
網タイツ・ストッキング
ボディストッキング
ガーターベルト
無料で読める官能小説一覧