奥様の火遊び-第4話 3000文字 ステファニー

奥様の火遊び-第4話

欲求不満の主婦が一晩の火遊びを体験!

作家名:ステファニー
文字数:約3000文字(第4話)
管理番号:k136

場内の照明が落ちた。一瞬の闇の後、淡いオレンジ色の光明が一筋、フロアに射し込んだ。それまでダンサブルだった BGM も一変した。どことなく艶っぽいサクソフォンの調べが支配した。
いわゆるチークタイムというやつなのだろう、と茉莉子が悟るまでそんなに時間がかからなかった。
茉莉子はチークタイムなど経験したことはない。ナツメだって同様だろう。

二人は見よう見まねで対応した。
最初は茉莉子からナツメにくっついたが、今はナツメがリードしている。茉莉子の腰をしっかりと抱き、全身を受け止めている。
ナツメの熱が、息づかいが、骨と肉が、茉莉子に密着する。
ああ、私はシンデレラ。
素敵な王子と過ごせるのは束の間。

でもきっと、記憶は永遠に…。
茉莉子は一度、瞳を閉じた。
目を開けると、それまで気がつかなかったが、周囲がまばらになっているように感じた。この部屋に入った時は、気をつけないとぶつかってしまうぐらいには人がいたはずである。
だが、ここは洋上である。

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この船は芝浦埠頭を出て以来、どこにも停泊していない。
人々はどうやって消えたというのか。
その時、ナツメが茉莉子の手を引っ張った。
そしてそのまま走った。
駆け落ちする娘のように、ナツメに引っ張られ、疾走した。

ナツメはフロアを抜け、左右にドアが並ぶ所へと、茉莉子を誘った。
そこはそう、まるでホテルの客室階の中廊下そのものと言えた。
クルーズ船であればこのような場所があっても何らおかしくはない。茉莉子も新婚旅行で地中海クルーズを体験したが、その際に乗船した船の内装を思い出した。もっとも、もっと豪華な造りではあったが。
そうか。そういうことなのか。

消えていった人々はすでにこの中に収まって、開始しているというわけなのだ。
同じ船の中、波揺れに合わせて、みんな同時にあのリズムでアソコを満たす。そう思うと、茉莉子は妙な興奮をおぼえた。
ナツメに手を引かれ、茉莉子は突き当たりにあったエレベーターに乗り込んだ。ドアが閉まると、初めて密室で二人きりになった。ダッシュで息が切れたのか、ナツメの肩は上下し、ハアハアと言っていた。繋いだ手から、これから深い仲になるであろうと感じさせる、言葉にし難い熱のようなものを、茉莉子は感じた。

エレベーターのドアが開くと同時に、再びナツメは走り出した。もちろん茉莉子も、ヒールをものともせずに、ついて行った。
右手に三つ、ドアを過ぎてナツメは止まった。ズボンのポケットから携帯を取り出し、QR コードをかざし、解錠した。
ガチャリと音を立ててドアが開き、二人は中へと足を踏み入れた。人感センサーライトがつき、オレンジに照らされたダブルベッドが浮かび上がった。
部屋は決して広いとは言えなかった。ベッドと簡素な応接セットと、それに液晶テレビぐらいしか置かれていない。

でもそんなことは気にならなかった。普段の茉莉子なら、文句垂れていただろう。だが、今はそれよりも何よりも、ただ目の前の男と交わりたい、その一心だった。
ナツメも同じ思いだったのだろう。ベッドまで無言で茉莉子を引っ張り、たどり着くと同時に茉莉子を抱き締めた。
その腕の力は強かった。茉莉子の精力すべてを奪ってしまうのではないか、というぐらい、全力が込められていた。
吸って。味わって、私を。

茉莉子はナツメに応えた。腕をナツメの背に回し、全身で抱きついた。
どのぐらいそうしていただろうか。
やがてナツメの頭が下がり、茉莉子の顔に迫ってきた。茉莉子は目を閉じ、唇を軽く結んで、ナツメを迎えた。
二人は熱い口づけを遂げた。
唇と唇を重ね合わせ、微動だにせず、その感触を愉しんだ。

やっと来たこの瞬間。茉莉子は涙が出そうになるのを堪え、ナツメのキスに応戦した。
爽やかなペパーミントの香りがナツメの舌とともに茉莉子の口内に広がった。ローズマリーを仕込んでおいた茉莉子も、負けじとナツメに入り込む。
互いに互いの口腔を刺激し合いながら、ナツメは茉莉子の背に手を回し、うなじ直下にあるドレスのファスナーをつまんだ。そして、ジジジっと音を立てながら、ジッパーは真っ二つに割れ、あっという間に床へと落下した。

ドレスに合わせ、身につけてきたゴールドのブラとパンティが露わになる。茉莉子は上半身を仰け反らせ、胸とウエストのくびれを強調した。
シャツとズボンを脱いだナツメがベッドの布団をめくり、シーツ部分に茉莉子を導いた。茉莉子はパンプスを脱ぎ捨て、ベッドに上がった。

少しの間は下着姿で肌を触れ合ったが、当然の如く、ナツメは茉莉子のブラホックへと指を這わせた。茉莉子はそれと同時にショーツの紐をずらした。
ライチのように円く熟した茉莉子の実が二つ、ナツメの前に現れた。
「綺麗です、茉莉子さん。本当にすごく…」
ナツメは茉莉子の乳房を丸みに沿って撫でた。

その指の動きに、頬を赤らめて茉莉子は目を細めた。しかし内心では、「そうよ。当たり前じゃない。王妃の膨らみなのよ、これは」、と思っていた。
程なくして茉莉子はショーツを自分から剥ぎ取った。脱毛サロンで完璧に処理した茉莉子のビキニゾーンがライトに当たってピカリと輝いた。
「すごい。茉莉子さんは見えない所までちゃんと手入れされている、パーフェクトな女性だ」

ナツメの感心したような溜め息が聞こえた。
茉莉子ははにかんだように目と口をすぼめたが、その心はガッツポーズだった。
この日の、この時のために、カラダ作りに励んだのよ。
だから存分に褒めてちょうだい。
たくさん愛でてちょうだい。

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底なしに溺れてちょうだい。
生まれたままの姿に戻った二人は、折り重なって抱擁し合った。素肌をぶつけ合って、互いの肉体の凹凸を確認する。
若くハリのあるナツメのツヤ肌に、茉莉子は酔いしれた。バランス良く整った胸筋を茉莉子は指でなぞる。それだけでは満足できず、舌でいただいてしまった。くすぐったかったのか、ナツメは少し嬌声を上げた。それがたまらなく可愛いかった。
ナツメもその大きな掌を広げ、茉莉子の果実を包んだ。温かなナツメのマッサージに、茉莉子は官能の吐息を漏らした。

優しく、でも強く、ナツメは茉莉子の実を揉む。
気持ちよかった。
どんな上手な整体師も敵わないぐらい、的確にツボを突いている。
このコはウマイ。絶対に。
茉莉子はそう確信した。

すでに下は滴ってきている。茉莉子は股を開き、自分に跨るナツメの腹部目がけて湿り気アタックを試みた。
腹を伝う水気に気づいたナツメは、乳房に触れていない方の手を下げ、茉莉子の蜜壷を突っついた。
その指圧は実にいい塩梅だった。ちゃんと茉莉子のスポットを探り当て、クリトリスと膣孔を一緒にリズミカルに刺激する。
素敵。夢の中より夢みたい。
ナツメの指先が茉莉子の敏感な箇所に出入りする。その動きに伴って茉莉子は放水した。とめどなく溢れ出す愛液を、茉莉子はどうしようもなく、ただただ垂れ流した。

こんなに濡れたのは初めてかもしれない。
そう思わせるほど、茉莉子は大洪水を起こしていた。
早く欲しい。
もう焦らさないで。
それを伝えるため、茉莉子はナツメの首を掴み、耳元に息を吹きかけた。

ナツメも気がついたのだろう。膨らんだ股間を茉莉子の滝壺にくっつけた。
「茉莉子さん、いいですか?」
頷く代わりに茉莉子は、あぁっと、声を出した。
鋭い衝撃が茉莉子の全身を貫く。見えない稲妻が直撃したと言ってもいい。
ナツメのモノは、茉莉子の壺にすっぽりと納まり、奥へ奥へと進んだ。

(続く)

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