語られぬ昭和史-第1話 2990文字 バロン椿

語られぬ昭和史-第1話

ほんの少し前だったのに、既に「昭和」は懐かしい響きになってきました。
以前、筆者は「歴史秘話―ある素封家の没落」というものを本サイトに発表しました。
今回は昭和に起きた3つの事件について、その裏側で起きていた男と女の話を交え、「語られぬ昭和史」として発表させて頂きたいと思います。

出稼ぎの悲劇(昭和38年(1963)~昭和41年(1966))

東京都と地方では、文化的、社会風俗的に、さらにニュース等の伝わるスピードにも大変な格差があった時代。性の世界も大きな格差がありました。
これは、雪深く冬場の仕事に乏しい地域から東京に職を求めてきた、所謂「出稼ぎ労働者」に関する悲劇です。

作家名:バロン椿
文字数:約2990文字(第1話)
管理番号:k121

1.出稼ぎの悲劇ーその裏側では

出稼ぎにまつわること

昭和30年代(1955年)から昭和40年代(1974年)にかけて、東京都内の各地に、冬場になると、雪で農作業などの仕事ができない東北地方や北陸・信越地方から男たちが出稼ぎにやってきました。
彼らの多くは土木作業に従事し、建設会社が用意した作業員宿舎、通称「飯場」に住んでいました。

「作業員宿舎」といえば聞こえはいいですが、トタン屋根に板張りの壁のプレハブ住宅、夏は暑くてもエアコンなどなく、涼を取るのは、扇風機かウチワのみ。冬は凍える程に寒い、石油ストーブがあればいい方、中には火鉢しかないものもありました。

でも、冬場に確実に現金収入が得られるのは、これしかありません。
ほとんどの人は歯を喰いしばって頑張り、そこで受け取った給料を故郷で待つ家族に送り、春になるとお土産を持って帰っていきました。
しかし、現在とは違い、当時は東京や大阪などの都会と地方では格差がとても大きかったのです。

ランジェリーブランドのEROX一覧01

例えば、今は、テレビやインターネットなどで日本全国にリアルタイムでニュースが伝わりますが、当時はインターネットはおろか、テレビも全家庭に普及している訳ではありません。唯一の情報源は新聞とラジオですが、その情報源ですら、都会と地方では半日、あるいは1日遅れとなることも珍しくありませんでした。

しかも、テレビがあっても、都会ではNHK2局の他、4、5局の民放が見れますが、地方ではNHK2局以外は地元局1局だけです。
それに都会では、町を歩けば、華やかな服を着飾って歩く人々、ネオン街など。地方では県庁所在地でもそのようなところは少ない。
だから、これらを一度経験してしまうと、故郷に帰るのが嫌になり、「人間蒸発」と言われるように、そのまま都会のどこかに姿を暗ましてしまう男もいました。

故郷に残された家族は、主を探しに東京に出て来ることもありましたが、容易に上京できる訳でもありません。いつかは必ず帰って来るだろうと待っていた方もありました。
いづれにしても、家族は元にも取らない。出稼ぎには、そんな悲劇も少なくありませんでした。

東京行き

昭和38年(1963年)11月、巨人対西鉄ライオンズの日本シリーズは巨人が4勝3敗で日本一に輝いた。
「どうだね、いつ出発できる?」
「はあ、来週には」
「近藤さんから、早く寄こしてくれと、今朝も電話があったよ」

翌年のオリンピックを前に、東京ではあちらこちらで道路工事が行われ、いくら人手があっても足らない。
この山形の村役場にも東京の土木会社から催促の電話が掛かっていた。
「とにかく、先方は急いでいる。北村さん、頼むよ」
助役から急かされた北村(きたむら)源蔵(げんぞう)は仲間の家を回り、自分を含め5人が出発する準備が出来た。

「孝男、明日、7時のバスだ」
「源さん、分かった」
「今夜はおっかあを腰が抜けるくらい抱いてやれ」
「あ、いや、まあ、うちは親父とお袋がいるから」

初めて出稼ぎに行く36歳の坂田(さかた)孝雄(たかお)は顔を赤くしていたが、34歳の妻の牧子(まきこ)とは大晦日まで会えない。
家に帰ると、同居の両親は「さあ、孝文、郁代、じいちゃん、ばあちゃんと一緒に寝るか?」と子供たちを預かる気遣いをしてくれた。

「あんた……」
無言のまま、牧子の布団に入る孝雄。両親と子供たちの眠る部屋との間に居間があるとはいえ、襖仕切りの日本家屋ではプライバシーも無いに等しい。夫の手で寝間着を開かれ、乳房が露わになった牧子は夫にしがみつく。

無骨な手が乳房に触れ、下から揉み上げる。「ああ……」と吐息は漏れるが声は出せない。そして、手が下に向かい、綿のパンツの中に伸び、陰毛を掻き分け性器に触れ、弄くる。

「………」
牧子は歯を食い縛り、声が出るのを堪えるが、性器は濡れる。濡れる。だから、欲しくて堪らず、「あっ、あ、あああ……」と声が漏れる。夫の孝雄も寝間着の前を開け、パンツを引き下ろし、硬くなったペニスを掴んで、妻の牧子の濡れた膣口にあてがい、グイッと腰を突き出し、二人の体は一つに繋がった。

「ま、牧子……」
「あ、あんた……」
腰を動かす夫も、それを受け止める妻も、互いにしがみつき、「あ、あ、あああ……」、「はあ、はあ、はあ、あっ、あ、あああ……」と呻き、喘ぎ、その声は孫たちと眠る両親の耳にも入っているに違いない。

「あ、あんた……」
「ま、牧子……」
二ヶ月間、会えぬ二人。絡み合う互いの性器も別れ難く、腰が動く度に擦れるから、なおさら、「あっ、あっ、あ、あああ……」と喘ぎが大きくなる。そして、「牧子っ……」と放たれた夫の精液は、「あんた!」と悦びの声を上げた妻の膣が一滴も漏らさず受け止めていた。

***
「おはよう」
「お母さん、おはようございます」
翌朝、誰よりも早く目覚めた牧子は心を込めてご飯を炊き、家族の朝食と夫の弁当の支度に余念がない。

「孝雄、体に気をつけてな」
「ああ、父ちゃん、大丈夫だ」
家族で囲む朝食もしばらくはお預け。
朝食が終わると、「じゃあ、行って来るよ」と、孝雄は北村源蔵ら村の仲間たちが待つバス停に。「見送ってきます」と牧子も子供たちを連れ、後を追う。

セクシーブラショーツ一覧02

遅れてくれないかしら……バス停で待つ女たちの心には同じことが浮かぶが、定刻通りにバスが現れ、「元気でな」と夫たちは東京行きのバスに乗り込み、村を離れていった。
「お父ちゃん、行っちゃった」
「ああ、行っちゃったね」

見送る牧子は子供の手を握り締めていた。
「お父ちゃん、いつ帰ってくるの?」
子供たちは直ぐに聞いてきた。
「大晦日よ」

さみしいのは子供だけではない。でも、それは口には出せない。
「おじいちゃん、おばあちゃんが待っているから、帰ろう」
牧子は子供たちの手を引いて家に帰っていった。

短い正月休み

待ち遠しかった12月31日、大晦日。夫は北村源蔵ら仲間と一緒に帰ってきた。
「お父ちゃん!」
「お父ちゃん!」
「孝文、郁代、いい子にしてたか?」
「うん」
「はい」

お土産としてもらったおもちゃを手に、子供たちは夫の傍を離れない。
「お父ちゃん、お母ちゃん、少しばかりだが」
「孝雄、ありがとう」
いつもは口やかましい夫の両親も息子に正月の小遣いをもらい、機嫌がいい。

「でも、体には気を付けろよ」
「酒を飲みすぎちゃダメだよ」
「ああ、分かってる」
ラジオから流れてくる紅白歌合戦を聞き、除夜の鐘が鳴る頃、一家揃って氏神様への初詣に向かう。

「おめでとうございます」
「今年もよろしくお願いします」
挨拶を交わす家々、どこも主の戻った喜びに表情は明るかった。
「牧子……」
「あんた……」

牧子だって甘えたい。毎晩、夫に抱かれた。隣の部屋には両親と子供たちが寝ているが、疼く体は抑えられない。
乳房を揉まれている時は、声が出そうになるのを、はあ、はあと吐息を吐いて我慢していたが、性器に触れられると、堪えきれず、とうとう「あ、あ、あああ、あっ、あっ、あああ」と声が出てしまった。

はち切れそうなくらい硬くなったペニスが、ヌルヌルになった膣口から入ってくると、「あ、あああ」と呻き、腰が動いて、抜き差しされると、寝間着を口に咥えて抑えようとしても、「あんた、あんた、あっ、あっ、あっ、あ、あああーー」と大きな声が出てしまう。

翌朝、牧子は義母の顔をまともに見れなかった。
だが、正月休みは短い。3日早朝、翌日からの仕事に備え、「春には帰ってくる」と夫は仲間と一緒に東京に戻って行った。

(続く)

※本サイト内の全てのページの画像および文章の無断複製・無断転載・無断引用などは固くお断りします。
リンクは基本的に自由にしていただいて結構です。

▼セクシーランジェリー通販サイト
インナージュエリー
ベビードール
セクシーショーツ
セクシーブラ&ショーツ
セクシーコスプレ
セクシーテディ
網タイツ・ストッキング
ボディストッキング
ガーターベルト
無料で読める官能小説一覧