加奈子さん-第4話
「あら、やっぱり洋一さんね。お久しぶり」と、私は6年振りに荻原加奈子と再会しました。
彼女は交通事故で亡くなった高校の一年後輩の荻原健太郎の母、いや、私の初体験の相手と言った方が正しいでしょう。
思い出しても、股間が硬くなるほど、狂った夏。堪えられなくなった私は、「あ、あの、時間に遅れるとまずいので」と、その場から逃げ出してしまいました。
作家名:バロン椿
文字数:約2430文字(第4話)
管理番号:k118
狂った夏
一線を越えてしまった私たちは歯止めが効かなくなりました。
翌日、加奈子さんは「気持ちの整理がつかないから」とスナックを閉めてしまいました。私も悲しくて、「お線香をあげてくる」と毎日のように加奈子さんのところに通いました。
「ありがとうね、こんなにしてくれて」
笑顔で迎えてくれる加奈子さんはすっかり元気になったように思えましたが、お茶を飲みながら荻原のことを話していると、突然、肩が震え、「もうダメ、ダメなのよ……」と泣き出しては、私に「抱いて、抱いてよ」と涙で濡れた顔ですがってきます。
頭がおかしくなったのではと思われると思いますが、結局、私たちはきっかけを探していたのです。
だから、そのまま抱き合い、キス、キス、キス……そして、競い合うようにして、互いに服を脱ぎ捨て、素っ裸になると、そのまま布団に倒れ込み、それから体を弄り合いました。
午後4時過ぎ、誰かが訪ねて来るかも知れないのに、そんなことは全く気にせず、私はおっぱいにむしゃぶりつき、揉んで、乳首をしゃぶり、加奈子さんは「ああ、ああ、いい、いいわよ、洋一……」と喘ぎながら私を押し下げ、太腿で私の頭を挟み、顔を性器に押し付けました。陰毛に鼻が埋まりますが、改めてその性器を見ると、恥丘がこんもり盛り上がり、小陰唇は赤黒く、長く伸びていました。
成熟した女のオマン●です。指で小陰唇を軽く摘んで開くと、内側はベットリと愛液で濡れていました。だから、軽く舐めただけで、加奈子さんは「はぁはぁぁっ」と悩ましい息を吐いて、体を捩りました。続けて下からペロペロと舐め上げると、小陰唇が開き、瑞々しい赤い肉が見えました。すぐさま、舌をつぼめて挿し込み、掻き回すと、「あっ、あぁぁぁ……」と喉の奥から振り絞るような声が出てきました。
初めて聞く声です。もう止まりません。夢中で掻き回し、舐め上げると、加奈子さんは「よ、洋一っ、洋一……あっ、あっ、あ、い、いっ、逝くっ……」と叫び、体を大きく捩って暴れ出しました。頃合いなんか知りませんから、引き戻して、舐め続けると、「逝っちゃ、逝っちゃう……」と凄い力で性器に顔を押し付けられ、「もういいから、いいから、入れて、早く……」とせがまれました。
迷うことなく体を起こした私は太腿を抱え、反り返ったペニスを掴んで小陰唇の割れ目にあてがうと、両手を広げて迎える加奈子さんに乗りました。その瞬間、亀頭が滑りながら温かい肉襞に包まれた膣の中に入りました。
加奈子さんは、「洋一、洋一っ……」と私の名前を呼びながら体を強く抱き締め、私も「お、おばさん……」としがみついていました。
エアコンは効いていますが、暑くて汗が滲んできました。しかし、余裕があったのは、今度もそこまでです。加奈子さんが腰を持ち上げるようにうねらせてくると、ペニスが膣の肉襞と擦れ合い、急にあやしくなった私は「あ、あ、ああ、あああ……」と呻きましたが、加奈子さんは腰のうねりを止めません。
もはや堪えようがありません。腰の奥の方から動き出した精液の塊が一気にペニスの中を駆け登り、「あ、あ、で、出る……」と叫んだまま射精してしまいましたが、それを加奈子さんは「ああ、洋一……ああ、いい、いわよ……」と抱き止めてくれました。
熱が冷め、それっきり
狂った夏と言っていい日々でした。コンドームも無しに、毎日毎日、セックス、セックス。よく妊娠しなかったと思います。
しかし、9月、私は新学期が始まり、加奈子さんもカオルさんが戻ってスナックを開けることになると、日曜日にしか、そういうことをする時間が取れなくなり、加えて、夏期講習に集中しなかったつけは、成績の低下となって現れ、尻に火が付いた私は、それどころではなくなっていました。
「あ、あの、今日は勉強しなくちゃ」と電話すると、「そうなの」と素っ気ない声。未練たらしく、「あ、いや、来週はきっと」と言ったものの、「じゃあね」と切られてしまいました。
加奈子さんにとっても、いい別れ時だったのでしょう。
こうして、互いに熱が冷め、いつの間にかそれっきりとなってしまった。
6月、再び
突然の再会から2週間ほど過ぎた土曜日、私は札幌市内のデパートへ買い物に出掛けました。季節は6月。夏物のポロシャツでも買おうかと探していた時、「あら、洋一さん」と加奈子さんから声を掛けられました。
「あ、先日はどうも失礼しました」と挨拶しましたが、すぐさま「嬉しいわ、今日もお会いできるなんて」と手を握られ、「じゃあ、これで」と、そのまま立ち去ることも出来なくなってしまいました。
そして、「お買い物?」と寄り添ってくる加奈子さんは今日も着物。先日のような華やかな物ではなく、地味な着物でしたが、それが反ってとても艶めかしく、私は「え、まあ」と返事をしたものの、何だかドギマギして、落ち着かなくなってきました。
そんな私の心を見透かしたかのように、加奈子さんが「お茶でも如何ですか?」と誘ってきました。断ることなんかできません。誘われるまま、彼女に付き従い7階にあるティールームに行きました。
「どちらにお勤めなの?」
「はい、○○○会社です」
「あら、凄いわね」
6年経ってしまいましたが、この間の出来事を語り合う加奈子さんはとても若々しく、「ふふふ、洋一さんったら」と微笑む顔は30代前半のようで、「あの」とオーダーを聞きに来たウエイトレスには親子とも思えない私たちがどのように映ったのか……
それはともかく、話は途切れることなく続き、小一時間程経った時、チューとストローでアイスコーヒーを啜った加奈子さんが、「ねえ、久し振りにうちにいらしてよ」と言いました。私も荻原の仏前にお線香をあげたいと思っていましたので、ありがたいことでしたが、あらぬことを考え、「あ、いや、でも」と躊躇っていると、チュチュゥ……とアイスコーヒーを飲み干した加奈子さんは「カオルさんはもういないし、今日はお店、休みなの」と頬を赤くしたように感じました。
(続く)
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