女豹の如く ファイナル-第1話 2820文字 ステファニー

女豹の如く ファイナル-第1話

二十歳を迎えたひろみに、数々の試練が降りかかる。

作家名:ステファニー
文字数:約2820文字(第1話)
管理番号:k115

ブーン、という電子音が静けさを打ち破る。
「ああああああああぁぁぁ……」
ベッドの上に仰向けになり、M字開脚をした富近ひろみは、思わず官能に顔を歪めた。
「おお、いい。そうじゃ、そう。感じ続けるんじゃ」

バイブレーターをひろみの膣孔に押し当てた田中は、ひろみの悶絶する様を見てニヤついている。湧き上がる愛液を確認すると、さらに深くへと侵攻させた。
「いやぁぁぁぁ、ああああああああぁぁぁ…」
「どうじゃ、感じるか?言ってみろ」

「…かっ…、……感じ……ます……」
「オーホッホッホ、そうか、そうか」
ご満悦、といった感じで田中は高笑いした。
「それでは今日はこの辺で勘弁しようかの」

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全裸で寝そべっているひろみは、思わずふぅと、ため息をついた。田中はそそくさと帰り支度を始めた。
「お代はいつもの口座に振り込んどくと、あの女に伝えといとくれ。じゃあな」
屹立したひろみの乳首を突っつき、田中は部屋を後にした。ガチャリとドアが閉まる音がした時、ひろみは下唇を噛んだ。

肌に衣服がまとわりつくような湿った風が心地悪い。まだ昼間だというのに、グレーな梅雨空が、さらに気分をどんよりさせる。弱い雨が振る中、ひろみは傘もささずに、宛もなく歌舞伎町を歩き回った。

ひろみが新宿にやって来てから一年と少しが経った。仕事は軌道に乗り、最近ではアリサと並んで売り上げトップクラスにランクインするまでになった。また先月には成人し、いちご企画のメンバーから祝福を受けた。

それでもひろみの心は晴れなかった。どころか日に日に影は深みを増し、笑うことが減っていった。それは全て、ひろみの顧客となった田中のせいだった。
半年前、田中は初めてひろみを店で指名した。若く華麗なひろみを田中は甚く気に入り、以降、ほぼ毎日のように通ってくるようになった。

常連になって1ヶ月後、田中はひろみに個人サービスをして欲しいと要求してきた。ひろみが勤める店には、地下に個室があり、特別料金を支払えば、指名として個別パフォーマンスを実施している。壁越しではないスキンシップが可能になるため、金に糸目をつけない客には好評だ。

サービス内容は、建て前上は合法の範囲内で、と謳っているが、客の求めるままにというのが実態である。性交は普通に行なわれているし、排泄などのハードプレイにも応じている。但し、ひろみが属するいちご企画は、山下が客との窓口となり、プレイの許容範囲を交渉している。

そのため、客は自らが求めた対価を山下の言い値で支払っている。各部屋には防犯カメラが設置されているため、言い逃れもできないようになっている。この山下の機転により、客からの悪質な要求は免れている。

一方で、金銭面に関しては、なんとも言い難い曖昧な対応をされていると言えた。客との料金のやり取りも山下を通して行なわれているためだ。ひろみは現在、田中から指名が入ると、サービスを行った数日後に山下から手渡しで指名料を受け取っている。渡される額は、行ったプレイによっても異なるが、おおよそ一回につき10万前後だ。山下は店にもマージンを入れているはずだ。その差し引きを加味しても、実際に一体いくらを田中から受け取っているのかを、ひろみは知らなかった。

田中からのオーダーは週に2、3回入る。ひろみは生理中でない限り、必ず応じている。これが苦痛だった。田中は70をとうに過ぎた嗄れた爺さんであることはもちろん、素性の知れない危険な男であるからだ。何度かの性交の際に見てしまったのだが、背には龍の刺青が入っている。

怒らせたら殺されるのではないか、とひろみはいつも気が気でない。おまけにとてつもなくエロじじいと来ている。陰部を何度も撮影されたし、陰毛は何本も引っこ抜かれた。過激なランジェリーも何種類も身につけさせられたし、挙句の果てに、尿をワインボトルの中にさせられたりもした。

加齢臭と口臭がきつい田中に抱かれるのは、ひろみにとってほとんど拷問に等しい。細く張りのない田中の男根を見ても、全然興奮しないし、むしろこんな男で感じたくない、との思いが募るばかりだ。

そんなひろみを支えるのは、ヒカルの存在だ。田中と寝なくてはならない時、ひろみはヒカルとの熱かった行為を脳裏に過ぎらせる。自分を守るために。お金を手にするために。ひろみは頑張る。とはいえ、いつまで田中の相手をしなくてはならないのか。ひろみは将来を思うと、暗澹たる気分になる。

山下の事務所を出た時には弱かった雨だったが、今は雨粒が大きくなり、本降りになりつつあった。いつの間にかザーという音に街一帯が包まれている。傘のないひろみは、もはや全身ずぶ濡れだ。これが今の私の心なんだろう、と自虐的になってしまう。

新宿区役所を通り過ぎ、大久保に差し掛かると、周囲はホストクラブが立ち並ぶ。一年以上が経過しているが、ひろみはまだこの界隈に足を踏み入れたことはなかった。まだ昼間のため、ネオンはついていない。それでも煌びやかな雰囲気を感じ取れた。すごいな。テレビでしか観たことのなかった所に、今、私は立ってるんだ。雨足が強まる中、ひろみはぼんやりとビルを見上げた。

「あれ、凜音さん」
ひろみは振り返った。夢か、幻か。そこにはスーツ姿でビニール傘を手にしたヒカルがいた。
「これ使っていいから、頭と身体、拭きなよ」
ヒカルは店の奥から白いバスタオルを持ってきて、ひろみに渡した。タオルからはハーブの匂いがふわりと薫った。

「ありがとうございます」
「駄目だよ。いくら夏場とはいえ、雨の中を傘もささずに歩いちゃ。風邪ひくよ」
店内中央に置かれた牛革の真っ白なソファに、ヒカルはひろみを座らせた。頭上にはお城のようなシャンデリアが光っている。

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「すいません。考え事をしてしまっていて…」
ピカピカに磨かれた大理石の床がひろみの目についた。花柄のミニワンピースに木製サンダル姿のひろみは気恥しくなった。
「そっか。誰にでもぼんやりしてしまう時はあるからね。それはしょうがない。でも次からは気をつけないと」

「はい。すいません。ありがとうございます」
「ううん。わかればいいんだよ」
紅グレーのスーツを着込んだヒカルは、それまで目にしてきたヒカルとはまるで別人だった。紫色のネクタイを締めたヒカルは、より一層、異世界の生物のように感じてしまう。ただでさえ昨夏以来の再会に戸惑っていたひろみは、身に起きている事態を呑み込めずにいた。

「あのっ、私、ここにいていいんですか?」
ひろみの左隣に座るヒカルは、ほのかに微笑んだ。
「大丈夫。まだ開店前だから。少しゆっくりしていっていいよ」
「ありがとうございます」

ホストクラブシンデレラ、それがこの店の名前だ。店名の通り、おとぎ話のようにファンタジックな造りをしている。店内の内装とインテリアは白を基調としており、机上に置かれる小物はピンクや薄紫でハートやユニコーンといった可愛らしい柄で彩られている。
「あれ、ヒカルさん、もう来てるんですか?」

(続く)

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