熟女フェチ-第1話
アラフォー目前で、女としての自信が揺らぎ始めたリカが、熟女を愛でる会員制SNSの主宰者Ｓと出会い、熟女としての魅力を開花させられていくお話になります。
作家名：こざくらいおり
文字数：約2830文字（第1話）
管理番号：k101
SEX AND THE lingerie～熟女のめざめと
第一章 熟女×会員制SNS【半熟果実】
【一番美しく、そしていやらしく見える角度は自分が一番よく知っている――。自分の官能を自由自在に操れる大人の女性たちが今宵もあなたの熱視線を待っています。
男性からの賞賛のまなざし、息づかいが熟女を輝かせる一番の美容液だと、我々運営は確信しております。】
リカのスマートフォンには黒字に深い赤の文字のサイトが表示されている。
このサイトは【半熟果実】という古風な名前の熟女愛好専門会員制のSNSである。
この会員制SNSの参加条件には、画像投稿者は（自分が熟女だという自覚のある女性）というものがある。
リカはどんな検索キーワードでこの会員制SNSにたどり着いたのか、思い出せない。
見つけたのは半年くらい前だったと思う。
実際に入会するまで、中身を覗けないこのSNSの入り口を訪れてトップ画面を眺めるだけ、という行為を繰り返していた。
Page.1【入会】
観覧者は「紳士であること。熟女女性を愛でる精神の持ち主。若く青い果実女性よりも成熟した果実を愛する者。情熱的かつ品のある褒め言葉を詩のように伝えられる男性に限る」
自身の淫靡な姿を投稿する女性は“ミューズ”と呼ばれるという。
半熟果実のミューズ応募の条件は「自分が熟女だという自覚と誇りのある女性」とある。
半熟果実は暴言コメントを書くような輩はあらかじめ参加できないことになっている。
礼儀があり、常識があり、社交性のある紳士的な男性——熟した女性に魅力を感じるという選ばれた男性たちだけが、熟女を自覚した女性たちの魅惑の写メールを見ることが出来るという。
その安心感があってこそ、参加している熟女たちは安心して自分の淫靡な姿を見せることが出来るのだろう。
参加してみたい。
そういう気持ちはあった。
でも、リカは自分のなかの「熟女性」と向き合えずにいた。
自分は熟女なのか、どうか。
お世辞かも知れないが、男性はリカを20代にしか見えないという。
実年齢は40代に向かっている。これは事実。
でも、見た目年齢が若いのなら、アラフォーということを忘れてもいいのかも。
リカは【半熟果実】に入ったら最後、自分の熟女性を認めなくてはいけない、そう思うとどうしても入会審査を受ける勇気がもてなかった。
【半熟果実】を知ってから、リカは積極的に熟女について調べるようになっていた。
風間ゆみという熟女のAV女優はファンたちに愛されている。確かに美しいし色気がすごい。リカは風間ゆみのAVを観た。
若い女優にない魅力がある、そこまでは女のリカにもわかった。
熟女の魅力はなに？体のどこがどのように変化したら熟女なの？知りたい。
リカは「投稿者審査」のボタンをクリックした。
ニックネーム、プロフィール、写メールの添付。
そして最後に、【半熟果実】の観覧者に向けた「自己紹介」の文章入力。
リカはスマホで文章を打った。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
はじめまして。
Rと申します。
私は自分のなかの熟女性と向き合えずに生きてきました。
つい昨日まで。
いえ、この文章を書くちょっと前まで。
若く見られたい。
年をとってはいけない。
加齢は悪。
老けたらダメ、ふくよかになったらダメ、若さを失ったらダメ。
そんなのはもう女じゃない。
そういう強迫観念のなかで生きてきました。
周囲の男性からもそのように見られて、無言のまま責められてきました。
ですが、【半熟果実】の会員さんのように成熟した感性の持ち主もいると知り、励まされ、そして…濡れました。
私の体、見て頂けますか？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
翌日【半熟果実】からメッセージが届いていた。
【半熟果実のドアの鍵をお渡しします】
と書かれていた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Rさま
はじめまして。
半熟果実を運営しているSと申します。
Rさんの素敵な肢体を拝見しました。
Rさん、あなたは素晴らしい女性です。
とても美しい。
熟女として、まだ困惑している肉体と精神。
確かに、熟女としてはまだ青い。
Rさんの肢体は確かにまだ若い女性を脱し切れていません。
ですから、まだ、若い女性ゾーンに留まろうとする気持ちもよく理解できました。
ですので、Rさん。
あなたがこれから完熟を目指して、熟女となっていく決心をもたれたらぜひ、入会して、半熟果実のミューズとなってください。
Rさんの決意をお待ちしております。
S
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
リカは迷わなかった。
女性として、ここまでスマートにエスコートされたことはない。
画面の向こうで手を差し伸べてくれているＳの姿が目に浮かんできた。
リカは半熟果実の鍵というパスワードを入力し、自分だけの管理画面にプロフィールとプロフィール画像を投稿した。
リカのページには、紳士的な会員たちの優しく情熱的なコメントが寄せられた。
次から次へと丁寧に称賛してくれるコメントが届くのが楽しくて、何度も何度も半熟果実のマイページを開いた。
そして、Ｓとのやりとりは胸が躍った。
日々の心の潤いになっている。
ＳはＲことリカよりも年上なのか、年下なのか、わからない。
でも、やりとりが楽しかった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Ｓさん
何歳から熟女なのでしょう？
30代でしょうか？
40代でしょうか？
Ｒより
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Ｒさん
熟女は肉体的なものだけでなく「精神性」も重要です。
３０代、４０代以降の女性でも、“熟女”になる人とならない人がいます。
そのことは女性が自分自身で決められると、僕は思っています。
いつまでも“女の子”“女子”を貫くと決めている女性はいくつになっても女の子であり、女子です。
自分は熟した大人の女になると決めた女性だけが、“熟女”なのです。
自分の肉体の変化を愛し、運命を受け止める女性が熟女です。
Ｓ
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
リカは半熟果実のミューズになってから、日々の楽しみが明らかに増えていた。
熟しつつある肉体に自信がもてるように、リカは体を彩るランジェリーに興味をもつようになっていた。
昔から、確かに下着には凝ってきた。
ただ、胸を盛ることばかりを意識した下着選びをしてきた。
でも今は違った。
柔らかで垂れつつある乳房の柔らかさをそのまま演出できるランジェリーを。
ハリをなくしつつあるヒップの柔らかさをそのまま演出できるランジェリーを、と。
通販で購入したセクシーなブラジャーから弾け出した乳房、少し色素沈着がある乳首、そして柔肉の乗ったウエスト――。
赤と黒、バラの刺繍模様があるランジェリーと、甘くとろけてかたちが崩れ始めた肉体の相性は自分でも不思議に思うほど、よかった。
成熟した大人の女性の匂いがする。
写真越しにも自分の体臭と香水が入り混じったメスの香りが伝わってくる。
以前のリカなら、このような写真は加工した。
でも今は半熟果実のミューズとして、このままの写真のほうが称賛されることを知っている。
ありのまま。
素のままを愛してくれる会員たち。
（続く）
※本サイト内の全てのページの画像および文章の無断複製・無断転載・無断引用などは固くお断りします。
リンクは基本的に自由にしていただいて結構です。
▼セクシーランジェリー通販サイト
