合宿の夜は眠れない-第3話
大学2年生の尾崎幸雄はサッカースクールの夏合宿に臨時コーチとして参加したが、そこで思いがけず、初体験の相手、太田咲江と再会した。
会うのは2年振り。早くも、股間が疼くが、合宿参加者は小学生やその付き添いの母親、そして、スクールのコーチ陣など、総勢70名。
そんな大勢いる中で、密会するのはヒヤヒヤものだが、その分だけ燃える。しかし、そこには思わぬ落とし穴が……
作家名:バロン椿
文字数:約3130文字(第3話)
管理番号:k093
初めてのセックス
あんなきれいな人が、僕のチンチンを口で……フェラチオの衝撃は凄く、
幸雄は出し尽くしたと思える程に射精してしまった。しかし、興奮は少しも覚めず、体こそぐったりしているものの、ペニスは勃起したままだった。
一方、咲江も「うぇっ、うぇっ……」と喉の奥まで絡みついた精液をティッシュに吐き出していたが、変な気を起こして悪戯を仕掛けたのは自分。とても、こんなことではもやもやした気持ちは鎮まらない。
そんなことだから、幸雄のピクピクしているペニスを見たら欲情の火は真っ赤に燃え上がってしまう。迷うことなくパンティを脱ぎ捨てると、「これからなのよ!」と幸雄を押し倒し、チュッパッ、チュッパッ……と唇を奪い、そのまま、布団の上を転がる。
17歳の幸雄と37歳の咲江、年齢差は20もあるが、もはや男と女。
体を弄り合い、性器にも触れ合う。体を弄り合い、幸雄の指がジョリジョリした陰毛を掻き分け、指先がしっとりして、くねくねと柔らかい性器に触れた。
アソコだと思った幸雄はそこに指を突き立てた。ヌルッとして生温かく、奥深くまで入る……カアッと首筋から後頭部が熱くなり、夢中で掻き回すと、「ああ、いい、いいわよ、そう、そこよ……」と咲江が喘ぎ、中からヌルヌルした微温湯のようなものが湧き出してきた。更に無茶苦茶に指を動かすと、ヌルヌルを通り越し、ビチャビチャと音を立てて辺りに飛び散り、「あっ、あっ、あ、あ、あああああ……」と咲江は体を捩って暴れ出し、「もうダメ、ダメ、ダメ、入れて、入れて……」とせがんできた。
どうすればなんて知らないが、入れればいいだけだ……そう思った幸雄は性器から指を抜くと、膝立ちになって咲江の両脚の間に進む。
いよいよ、その時。腰を前に出して勃起して反り返るペニスを性器に近付けると、咲江がそれを掴んで、亀頭の先を性器の割れ目に挿し込んだ。そして、「来て」の声。幸雄は咲江に覆い被さった。その瞬間、亀頭はヌルっとした輪っかを通り抜け、幸雄は「あっ」と声が出て、ペニス全体は生温かい膣の中に入った。
しかし、オナニーのような搾り出される感じがなく、物足りない感じがした。だが、「あぅ……はあぁ……」と変な息を漏らす咲江の膣がペニスを締め付けてくると、急にあやしくなって、咲江の腰が動くと、擦られて激しい射精感が押し寄せてくる。
幸雄は腰に力を入れて我慢しようとしたが、またも精液がペニスの管を登ってくるから、どうしようもない。
「あ、あ、で、出る、出る、出ちゃう……」と呻いて咲江にしがみつき、「まだ、まだよ」と咲江も腰の動きを止めたが、「はぁっ……」と息を吐くと同時に腰がガクガクと崩れ、「あっ!あっ!あっ!……」と咲江の膣の中で激しく射精してしまった。
これがセックスなのか……咲江の上に重なったままの幸雄は、「はあ、はあ、はあ……」と息がまだ整わないが、初めての悦びに浸っていた。
付き合いは続いたが……
幸雄とのセックスは衝動的なものだったが、咲江の心は燃え上がっていた。だから、「一夜限りの恋」どころか、東京に戻ると、その関係はより濃密になり、日曜日になると、「幸雄ちゃん」、「咲江さん」と自宅から3駅も離れたコンビニの前で待ち合わせては、その近くのラブホテルに通うようになった。
そして、今日も、「待った?」、「フフフ、早く来すぎちゃった」と約束は午後2時なのに、咲江は1時半に来てしまい、近くのマックでコーヒーを飲み、照れ隠しにダブルマックまで買っていた。
「早く、早く……」
「うん」
足早に前を歩く咲江はコートの襟を立て、2メートル程離れてついていく幸雄もダウンジャケットに顔を埋めるように下を向いている。誰が見ているか分からない。ホテルに入るまではこんな具合だが、中に入れば、全てを脱ぎ捨て、抱き合う。
「幸雄ちゃん、凄い……あ、あ、いい、いい、いいわよ……」
「さ、咲江さん、僕、好きだ……」
性器の弄り合いも、加減を覚え、幸雄を一方的に逝かしてしまうことがなくなり、その分だけ咲江が受ける幸雄の指の愛撫からの悦びも大きい。
「あ、あ、僕、僕……」と危なくなった幸雄がしがみついて来る時には、
「わ、私も、い、逝っちゃう……」と喘ぐ咲江の性器も濡れに濡れ、「オチンチン、オチンチン、入れて、早く、早く、オチンチン……」とはしたない言葉まで口にしてしまうまでになっていた。
幸雄は17歳、肉体は疲れることを知らず、37歳の咲江も女盛りだから、これだけでは終わらない。一度果てても、二度、三度と、二人は休みなしにセックスに励み、上になったり、下になったり、前から、後ろから、口で、アナルで、ありとあらゆる体位やプレイを楽しんだ。
だから、幸雄は咲江の体のことなら何でも知っていた。例えば、乳房が右の方がほんの僅かだが大きいことや陰毛が濃いけれど、咲江自身は気に入っていること、更に尖がった乳首が右も左も外に向くこと、クリトリスが弱くて、皮を剥いたら舌でペロンとするだけで狂ってしまうこと、それから、これは本当に内緒だが、皺皺のアナルに黒子が3つあることも。
しかし、幸雄が高校3年の夏休みを迎えると、さすがに受験勉強に尻に火がつき、
「あ、ごめんなさい。夏期講習なんだ」という他、
「『このままだったら、どこの大学にも行けないぞ!』って叱られちゃったから」
等々、出掛けることも儘ならなくなってしまい、更に咲江が転居したことも重なり、二人の関係は自然に途絶えてしまった。
手紙
「後でゆっくりね」と咲江は言ったが、今はサッカースクールの夏合宿。スキーの時のような少人数ではない上に、コーチはコーチで子供たちの練習を、付き添いのお母さんはお母さんで、それぞれ子供たちの面倒を見るのに忙しく、とても二人きりで話をする時間もチャンスもほとんど無い。
ところが、大広間で夕食の後片付けを手伝っていると、咲江の方から「幸雄クーン!」と手を振りながら近寄ってきた。
幸雄は小さく手をあげて応えたものの、皆が見ている。「そんなに親しくされたら、まずいよ」とひやひやしていたが、咲江は平気な顔で、隣にいたお母さんに「幾子さん、彼よ、長男が小学校の時に教えてもらった尾崎幸雄君なの」と言い出した。
ウソだよ、長男なんか知らないよ……慌てた幸雄は「あの、いや、教えたというより、近所だったので、一緒に遊んだだけですけど」としどろもどろになったが、咲江は「母親からすれば、それも教えてもらったことになるのよ」と笑っている。それどころか、「紹介するわ。山本(やまもと)幾子(いくこ)さん、健治君のお母さん」と顔も見たことがないお母さんまで紹介する。
そのお母さんは背丈が咲江より少し高く、髪は肩まで、顔は美人の部類だが、黒縁のメガネを掛けて、まるで小学校の先生のようで、幸雄の苦手なタイプ。嬉しくないどころか、何を考えているんだよ、とイラつく幸雄は「あ、どうも、尾崎幸雄です」とペコンと頭を下げ、「じゃあ、僕は」と他のコーチのところに行こうとすると、相手は「山本です」と深々と頭を下げる丁寧な挨拶。その上、「健治をよろしくお願いします」と頼まれてしまった。
だから嫌なんだよ、めんどくさいことになってと、咲江を睨むと、咲江は「ゴメンね」と言いながらも、「これ、子供から預かってきた手紙なのよ。後で読んでね」と封筒を押し付けてきた。
2年振りに再会したばかりなのに、「子供からの手紙」なんかある筈がない。
封を切ろうとしたら、やはり「尾崎、コーチ会議は午後7時からだぞ」と金子コーチから叱られた。全く気が抜けない。
「はい、今、行きます!」と幸雄はその封筒をズボンのポケットに入れると、休憩する間もなく、コーチ会議の準備に取り掛かった。
(続く)
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