国際部の君と-第4話 3140文字 ステファニー

国際部の君と-第4話

人気漫画雑誌『週刊少年ジャンボ』編集者の井崎と国際部所属のキャリアウーマン美香のラブストーリー、続編。

作家名:ステファニー
文字数:約3140文字(第4話)
管理番号:k076

埃っぽい匂いが美香の鼻孔をついた。美香は顔をしかめぬよう、歯を食いしばった。
「先生、麻宮美香さんは世界中を飛び回って、有名な芸能人を取材されてます」
美香はカバンに手を入れ、スマートフォンを取り出した。
「主に英米の歌手を取材してます」
スマホの画面を美香は藤林に見せた。藤林は食い入るように見入った。
「これがテイラー・スウィフトです。あと、これはレディ・ガガですね」
音楽受賞式の出入り待ちで世界各国のパパラッチに紛れて撮った写真が、こんなところで活躍するとは思ってもいなかった。

「これはケイティ・ペリーで、こっちはビリー・アイリッシュです」
「へぇ、どれもボクはみんな知らないや。そんなに有名な人たちなわけ?」
「まぁ…、売れている歌手の方々ですが」
「そんじゃあ、井崎さんはこの人たち知ってるの?」
藤林は本当に知らないのだろう。日本人にとって、これらの海外セレブの顔と名前が一致することは必ずしも常識ではない。
「そうだね、有名な人たちだよ」
「へぇ」
藤林は面白くなさそうな、またなんとなく疑っているような表情をした。

「私は音楽の受賞式やファッションショーといったイベントに足を運んで、有名人の衣装を撮影します。それを女性ファッション誌に買い取ってもらってます」
「ふーん、じゃあ、その有名人を見ても一緒に写真撮ったり、握手したりはしないんだ」
「そうですね。あくまで遠巻きに眺めるだけですね。こちらは黒いリクルートスーツで、目立たないようにしてます。主役はあちら様ですので」
「へぇ、それって楽しいの?」
「はい、とっても」
美香は満面の笑顔を藤林に見せた。
「ふーん、ボクにはよくわかんないや。まあ、別にいいけど」
そう言うと藤林はそっぽを向いた。すると井崎は口を挟んだ。
「先生、もう大丈夫そうですか?原稿、やれますか?」

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「だから、やんないってさっき言ったばっかりじゃん。しつこいな、もうっ」
「わかりました。ではお待ちしています。お疲れ様でした」
井崎は玄関扉を閉めた。ガチャリと音がしたのを確認してから、井崎と美香は踵を返し、藤林邸をあとにした。
「あんなモノで良かったんですか?全く手応えは感じませんでしたが」
美香は横目で井崎を見ながら呟いた。
「うん、上出来だよ。ありがとう。お疲れ様」
「でも、あれで藤林先生は原稿を本当にやるんですか?」
「やるんだ。あの人はそういう人なんだ」
そう言う井崎の目は真剣だ。それまで美香が見たことのない、仕事上の眼差しだった。

夕焼けで空が茜色に染まる頃、美香と井崎は池袋駅に着いた。地下鉄に乗り換え、帰社しようと丸の内線の改札をくぐろうとしたその時、井崎は美香の袖を引いた。
「ちょっとお茶でもしてから帰ろうよ。今日のお礼ってことで」
「もうその手には乗りません。私は帰社しますので、おひとりでどうぞ」
美香は井崎の手を振り払い、Suicaを打ちつけようとした。
「なんでわかんないの。あんな所に戻る必要なんかないのに」
井崎は美香の手首を掴んだ。そして美香を改札の外へと引き戻し、駅の支柱に追い込んだ。
「あの国際部の連中が、美香さんのこと、どう思ってるか、知らないの?」

「知りません。どう思われていたって、私は構いません」
「美香さんが良くても、俺は良くないね。我慢できない」
「もう、私に構わないでください」
「いやだね」
そう言うと、井崎は美香の腕を引き、東口方面へ向かい出した。
美香は何度も振り払おうとした。だが、井崎の力は強く、ほどくことはできなかった。
「雪本が言ってたんだ。美香さんは国際部の中で気が散る存在だと思われてるって」
「なんですか、それ?」
美香は国際部の面々とあまり深い付き合いをしていない。そのため、彼らの自分への評価も知らなかった。

「みんなただエロい目線でしか美香さんのこと見てないんだ」
二人は地上に出た。辺りはすっかり暗くなっていた。
「会議中は美香さんの脚や胸ばっかり見てるらしいよ。だから連中は集中できずに困ってるって」
平日の夕方だが、すでに大学生は休みに入っている時期だ。楽しげな雰囲気で歩き回る若者の姿が目についた。
美香は井崎と手が繋がったままだ。その状態に高揚していた。
先程、井崎に壁ドンされた時、美香は気づいてしまった。私はまだまだこの人と深い仲になる、と。
さらに井崎の目を見て、ある予感が美香の脳裏を過ぎった。自分は井崎と結婚するのだろう、と。

「美香さんを幸せにする気もないのに、性の捌け口の対象として見てるなんて、そんな所に美香さんがこれ以上居て欲しくない。俺と一緒に逃げよう」
そう言うと井崎は美香を引っ張り、走り出した。サンシャイン通りに入る交差点を渡り、サンリオギフトゲートやJTBを過ぎたところで右に曲がった。
「ちょっと、どこ行くつもりですか?」
井崎はその質問には答えなかった。
雑居ビルが立ち並び、中華屋や焼肉屋の看板が軒先を飾るその奥へと井崎は美香を誘導した。
そこは美香が足を踏み入れたことのない空間だった。まるでテーマパークのように洒落た外観をしてはいるが、造りは裏寂れている。
その中の一軒の敷居を井崎は美香と跨いだ。
「あの、私、こんな所、イヤです」

美香は井崎の手を離そうとした。もちろん、井崎はそれを許さなかった。
「美香さん、いつまでそんなにプライド高いままでいるつもりなの?藤林に見せてたわけわかんないセレブを知ってるからってそんなに偉いわけ?もう少女じゃないでしょ。立派にオンナなんだよ」
オンナになった。
その言葉が美香に重く響いた。昨日の今はまだ違ったのかと思うと、遠い昔のように感じる。
「でも、まだ勤務時間ですよ。こんな所に入るのはちょっと…」
「とっくに5時過ぎてるよ」
井崎はタッチパネルで部屋を選択し、鍵を受け取った。そして美香の腕を掴んだまま、エレベーターに乗り込んだ。
どうしよう。またしちゃうのかな。

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美香は頭が混乱した。一体、何がどうなって、自分はこんな目に遭っているのか。この後、どうなってしまうのか。
そうこうしているうちにエレベーターのドアが開き、井崎は美香の手を引きながら薄暗い廊下を進んだ。目的の部屋に着くと、カード式の鍵を解錠し、オレンジ色の灯りがともる部屋へと二人は入った。
「……いや、……いや…、お願い、もう、許して……」
美香は壁に左肩を張り付け、瞳を閉じて、背を丸めた。
「美香さん、どうしたの?さっき言った国際部の話、そんなにショックだったの?」
それは別に大してショックではなかった。本当かどうかもわからないからだ。それでも、美香は思わず、頷いてしまった。
「そっか。そうだよね。でも、もう美香さんは悩む必要なんかないから。美香さんは国際部とはお別れになるからね」
「……えっ?……」
「美香さんは退職するんだよ。そして結婚して井崎美香になるの」

やっぱりそれが自分の運命なんだ。とはいえ美香はどう反応していいかわからなかった。
「大丈夫。俺、収入はたっぷりあるから。さっきの藤林、あれがかなり頑張ってるおかげでね」
藤林はあんな男だったが、大量のカネを産み出しているのかと思うと、空恐ろしくなる。
「だから美香さん、俺と結婚しようね」
井崎は美香の背を抱き寄せた。その手は優しく美香の背骨をなぞった。コートとセーター越しではあるが、美香の背筋に電流が走る。
「……あっ………!!!」
美香はもう抗えなかった。井崎の指は美香のコートのボタンを素早く外し、勢いよくセーターの下に潜り込んだ。美香の素肌をなぞり、肩甲骨脇にかかるストラップをずらした。
「……だっ、ダメ……!!」
「どうして?こんなに反応してるのに?」
ホックを外された美香のバストは外気に晒されても上を向いている。井崎はその先端をつついている。柔らかな突起物はみるみるうちに硬くなった。

(続く)

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