リゾート地でカミングアウトする女達-その1 2440文字 淫夢

リゾート地でカミングアウトする女達-その1

珊瑚礁の島に移住した男がはじめた小さなショットバー。
そこに立ち寄る女が旅の解放感からか、赤裸々なセックスをカミングアウトする。

作家名:淫夢
文字数:約2440文字

深夜の海辺で全裸になって「してして」

珊瑚礁の島に移住して3年、メイン通りの外れに5席のカウンターのショットバーをやっている。
常連の酒飲みども以外に時々フリーの客が来るが、大抵開店から閉店まで独りで飲むのが日課である。
元々金儲けしようと企んで始めたわけではなく、親しくなった近所の酒飲みどもに、安く飲める場所が欲しいからと、無理矢理やらされたスペースである。

他の観光地などでもそうなのかも知れないが、“癒しの島”と口コミで伝わるこの島に独り旅で来るほとんどの女性が、恋愛、大抵セックスの悩みを抱えていたり、失恋して傷心の癒しを求めていたりする事が多い。

何もなければ、人の多い観光地に独りで旅に来たりはしないだろう。
彼女達は観光客らしからず、地味な服装で口数も少なく、だが、少し酔いが回った頃、私が仕向けてもいないのに驚くようなカミングアウトを自らする。

晶子が来たのは、10時を回ってからだった。
ドアを開けてカウンターに座るまでの振る舞いを見たら明らかに酔っていた。
「焼酎のロック下さい」

白の短パンに白のタンクトップ、ブラジャーで抑え込まれた巨乳が胸元からはみ出していて、ビキニ水着かと思えるようなカラフルな下着が、薄暗い照明でも透けて観える。
ブラウンに染めたストレートの長い髪を一本に纏め、化粧はそれ程濃くはない。

はっきり言って美人ではない。
従って好みでもない。
「どっかで飲んで来たのか?」
「〇〇で晩ご飯食べてたら若い男の子達が一緒に飲もうってご馳走してくれた」

「その内のカッコ良い誰かと飲みに行かなかったのか?」
「三人相手にセックスしても良かったけど、ガキっぽくて話が合わないから、ホテルに帰るって別れた」
三人相手にセックス?
そこまで訊いてない。

「ガキ?って君は幾つだ」
「21歳」
「ガキじゃないか」
「私は大人よ」
「はいはい」

晶子が焼酎を空にしたので、お代わりを作ってやる。
「そんなに飲んで大丈夫か?」
「私、強いのよ。それより、マスターって、最近いやらしいセックスってどんな事した?」
21歳の女の子が最初に切り出すテーマじゃないだろう。

「いやらしいも何も、10年くらいセックスしてない」
「うそ。信じられない。もう精液枯れちゃった?それか、オナニーしてるの?」
21歳の女の子がそういうあからさまな発言はしないで欲しい。
「勝手に想像してくれ」

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「私ね、アナル舐め、得意よ」
こらこら。
「ち〇ぽ扱きながらアナル舐めてあげるの。みんな気持ち良いって言うわ」
「ん?みんな?って?」
「ひと月前に彼氏と別れて、それから誘って来る男5人とセックスした。だって寂しいじゃない?」

唖然。
「マスター、された事ないの?」
「幸か不幸か、ない」
されてみたい?
かな?

「してあげようか?」
して欲しい?
かな?
晶子の表情を窺いながら、彼女が私にフェラチオしたり、アナル舐めしたりするのをイメージしてみる。

やはり、好みのタイプではない。
「いや、あんまり興味ない」
「気持ち良いのに。それだけでイクのもいたわ。そのままフェラして飲んであげるのよ」
旅で来た女の子は、当たり前だが、得体が知れない。

まして、いきなりセックスする展開に持ち込もうとする女は猶更だ。
「おれは、もう年だから、そんなに簡単にはイカないよ」
ふと、晶子が壁に貼っている天の川の写真を指差した。
「あれってこの島の?」

「そう。明後日が新月だから今日もあれに近いかな」
「わー。観たい。連れてって」
11時頃以降に来る客は、何時もの酒飲みども以外にはいない。
一応、やつらが来ても、勝手に飲めるように入口のロックはしないでおく。

晶子を連れて歩いて5分ほどのビーチへ行く。
ふらつく晶子が乳房を圧し付けるように腰にしがみ付いて来た。
「私、フラれちゃったの」
泣いている?

声が震えていた。
メイン通りでも街灯などほとんどなく、港の先端の灯台の灯りだけ、ビーチも真っ暗だ。
「ホント!すっごいねー」
晶子が星空を観上げて叫び、よろけて砂浜に仰向けになった。

波打ち際まで歩いて膝まで海に浸かって天の川を眺めていると、晶子が背後からいきなり抱き付いて来た。
「して。して」
勢いで海に倒れてしまい、ポケットのスマフォが!海水に浸かった。
まさか!

いつの間にか晶子は全裸になっていた。
私に抱き付いてふらつく晶子の裸身を支えながら、ポケットのスマフォを取り出して操作するが画面は真っ暗だ。
「ねえ、してよ。して」
その間にも晶子が私に必死で抱き付いて来る。

酷く酔っているから、浅瀬でも溺れるかも知れない。
スマフォを一時忘れてポケットにしまい、海中に沈みそうになる晶子の裸身を支える。
酔って淫乱になる女性は過去にいたが、ここまでとは。
晶子が短パンを履いた私の太腿を両太腿で挟んで、女性器を頻りに擦り付けて来る。

柔らかい恥毛と女性器の感触が、永年引き籠もっていた性衝動を湧き起こす。
しても良いか。
しかし、いくら真っ暗闇でもここでは出来ない。
もう一度沈みそうになる晶子を抱き寄せようとしたら、いきなり吐いた。

セックスどころじゃないな。
吐き続ける晶子の背中を擦り、お腹を圧迫してやる。
暫くして吐き気の収まった晶子に短パンとタンクトップだけを着せ、砂塗れの下着を持ち、晶子を抱えるように部屋まで戻り、シャワーで身体を洗い流してやる。

「寂しいの。したいの」
うわごとのように繰り返す晶子の乳房と女性器を軽く愛撫してみたが、先刻湧き起こった衝動は消えていた。
晶子も私の愛撫に反応しない。
もう良いか。

ぐったりとなった晶子の身体を拭いてやってベッドに寝かせ、シャワーを浴びてから全裸のまま、既に寝息を立てている晶子を抱いて横になる。
心の中の悪魔の囁きに誘われ、もう一度乳房と女性器を軽く愛撫してみたが、やはり晶子はぴくりともしないで寝息を立て、私の男根も晶子の尻肉に触れているのに萎えたままだ。

朝、眼が醒めると晶子の姿はなく、テーブルの上に私のスマフォが濡れて光っていた。
画面が真っ黒なスマフォを手にして電源を操作するが、インジケーターも点灯しない。どうしてくれるんだ。
ちくしょう!

(続く)

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