浅川健太郎の告白-第9話 2090文字 バロン椿

浅川健太郎の告白-第9話

私、浅川(あさかわ)健太郎(けんたろう)は46歳。会社は中堅だが次長。一応名前の通った私立大学卒だが、自慢する程ではない。
こんな私にも、いくつかの女性遍歴がある。
内緒にして頂くことを条件に、こっそり貴女だけにお話するので、笑わずに最後までお聞き下さい。

作家名:バロン椿
文字数:約2090文字(第9話)
管理番号:k143

プロローグ

陽子は「あ……」と声を上げ、体を捩ったが、おっぱいを揉み上げると、力が抜けていった。裸にしたら、水着の跡だけが白く、股間には陰毛が黒々と輝いていた。
明美さんとしたのは3年前。童貞じゃないといったって、同じようなもの。じっくり愛撫したりする余裕はなく、性器を見たら何も分からなくなり、そこを弄り、濡れてきたので、もう十分と思い挿入。すると、陽子が「あ、いや、い、痛っ……」と悲鳴のような声を出した。処女だった。
こうして、私と陽子は深い仲になったが、会えば、「ホテルに行こう」と体だけを求めるようになった。
「有栖川公園って行ってみたい」
「あ、う、うん……」
渋谷駅で待ち合わせしても生返事ばかりで、足は道玄坂のラブホテル街に向かっている。「違うわよ」と言っても、聞く耳を持たない。そんな私に陽子は嫌気が差し、「会うのはこれきりにして下さい」と別れを告げられた。

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そんなことで初恋の終わった私は、その後、合コンに誘われても、乗り気にはなれなかった。もっぱら学業に専念し、2年生、3年生を過ごした。性欲処理?それは家庭教師のアルバイトで貯めたお金で、ソープなどのフウゾクで処理・・・
ところが、大学4年の春、経済学部事務職員の木村(きむら)茜(あかね)さんと偶然知り合った。
「ここ、空いてますか?」
「ええ、どうぞ」
その日、自分で作った弁当を大学キャンパスのベンチで食べていたら、彼女から声を掛けてきた。同じ経済学部、4年生と職員だから顔を見たことはあったが、話すのは初めて。
「お母さんのお弁当ですか?」
「いえ、今日は自分で作りました」
「へえ、男の人がお弁当を作るんだあ。美味しそうね」
「あ、いや、そんな。昨日の残り物だけですよ」
出会いとは、本当に不思議。翌日から、そこで一緒に弁当を食べるのが日課となり、そのうち一緒にお茶を飲んだり、映画を観に行ったりするようになった。当時、私はまだ21歳、彼女は35歳。短めの髪、化粧は薄く、女優の真木ようこさんに似ていたが、いつも地味なスーツを着た清潔感たっぷりの女性だった。

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一方で、4年生だから就職活動も頑張らなければならない。茜さんとの会話も、
「就職はどうするの?」
「まあ、銀行か商社を考えているんだけど」
「君は成績がいいけど、話が上手だから、銀行より商社かな」
「商社か」
「でも、商社も甘くないわよ」
こんなことが増えた。
だが、私はまだまだ世の中を知らない。同じゼミでも「OBとの面談も2回目だよ」、「次は役員面談だ」など、皆が大詰めだが、私はOBとの面談にもたどり着かないほどに出遅れ、尻に火が付いてしまった。でも、そこは経済学部職員として就職状況に詳しい茜さん。「浅川君、東西商事に皆川さんがいるから、アポ取ってあげる」とサポートしてもらい、何とか内定を取り付けることができた。
「まったく世話を焼かせるんだから」
就職部に報告に行った時、茜さんはこう言って、おでこをピンと弾くと、「お祝いでもしましょうか」と飲みに誘ってくれた。
私たちが男女の仲になったのは、その帰り道のこと。
午後6時、待ち合わせの新宿駅東口に現れた茜さんは黑のブラウスに裾絞りパンツ。ショートカットの髪に良く似合っていた。思わず「きれいだ」と言うと、「嬉しい、ありがとう」と素敵な笑顔を返してくれた。
歌舞伎町のハブで食事をしながら水割りなど飲み、同じ雑居ビル内のカラオケボックスに移動した。
「私、テレサ・テン」
「僕はスマップ」
なんて、それぞれが歌ってからデュエットに。流行った「都会の天使たち」やしっとりした「恋の街札幌」など、肩どころか頬を寄せるようにして歌った。

午後10時を少し過ぎた頃、夜風にあたろうと外に出た私は屋外階段にいた。そこに支払いを済ませた茜さんが「いい風」と寄ってきたので、私はそのまま抱き寄せ、唇を合わせた。茜さんもごく自然にそれに応じてくれた。他の客も出てきたが、歌舞伎町の雑居ビルではよくあることなのか、「あら」と言う者もいたが、気にする者は少なく、ほとんどが黙って通り過ぎて行った。
ビルを出た私たちは「急ぎましょう」と駅に向かう人達とは違う方向に手を繋いで歩いていった。茜さんは何も喋らないが、足は自然と「休憩5000円、ご宿泊10000円」なんて看板の目立つラブホテル街に向かった。どちらとも無く、早歩きになり、「HOTEL」と書かれたネオンサインが見えてくると、私が茜さんの手をギュッと握り、ホテルの前まで来ると、引っ張り込むようにして、その門を潜った。
他のお客がいたかどうか、そんなことは覚えていない。鍵を受け取って、エレベーターに乗り込むと、静かな音を立てて上がっていく。その間、私は一言も言葉を交わさず、呼吸の音までも聞こえそうな密閉感の中、茜さんも階を示すランプを見る目が細かく宙をさまよっていた。
だが、部屋に入れば、茜さんは35歳の女。処女だった加藤陽子の時とは違う。
抱き合ってキスをしたものの、私がそのままベッドに押し倒すと、「待って、服を脱ぐから」とやんわりと私を制して体を起こすと、ブラウスのボタンを外し始めた。

(続く)

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