浅川健太郎の告白-第8話 2070文字 バロン椿

浅川健太郎の告白-第8話

私、浅川(あさかわ)健太郎(けんたろう)は46歳。会社は中堅だが次長。一応名前の通った私立大学卒だが、自慢する程ではない。
こんな私にも、いくつかの女性遍歴がある。
内緒にして頂くことを条件に、こっそり貴女だけにお話するので、笑わずに最後までお聞き下さい。

作家名:バロン椿
文字数:約2070文字(第8話)
管理番号:k143

プロローグ

明美さんとのことがあまりにも凄く、東京に帰っても勉強が手に付かず、オナニーばかりしていた。
しかし、高校2年の二学期。毎日、「健太郎、勉強しなさい!」と母親の叱咤する声が聞こえてきて、ぼやぼやしてはいられなかった。
そのお陰もあってか、私はその後の高校生生活を乗り切り、第一志望ではなかったが、ある程度名の通った私立大学の経済学部に現役で合格することができた。
「健太郎、おめでとう」
両親は喜び、入学祝いにスーツなどを作ってくれたが、本音では、「もう少し頑張ってくれたらなあ」と、第一志望校に合格できなかったことを残念に思っていたようだ。

大人への歩みだし

「色恋」を無理矢理封じ込め、何とか大学に合格した私だが、町を歩けば、雑誌、映画のポスターなどに「セックス」などの文字が溢れ、新宿、渋谷などにはラブホテルがあり、同年代のカップルがそこに出入りしている。
俺だって明美さんと・・・性欲が湧き、猛烈にガールフレンドが欲しくなった。
こうなると手っ取り早いのが、大学に入って誰もが経験する合コンだ。
「おい、行くぞ」と言われ、皆勤賞のように合コンに参加し、5回目くらいにバレーボールをやっていたという、165センチとちょっと背の高い女の子を見つけた。
「牧場でアルバイトしたことがあるんだ」と積極的に話しかけると、「えっ、凄い。どこの牧場」と会話が弾み、「群馬だよ」と答えると、「ウッソー、私、群馬県出身なの」ときっかけはこんなことだったが、話していると、しっくりして楽しい。顔は前田敦子さんに似ていたかな。名前は「加藤(かとう)陽子(ようこ)」。さっそく電話番号を聞き出し、翌週、二人で石神井公園に出掛けた。

陽子は「最初のデートは原宿、表参道かな」と夢見ていたようで、不満そうだったが、「町中にいると空気が悪くて、息が詰まらないか?僕はこういうところが好きだな」と言うと、「群馬は空が青くて、山が見えて、空気をいっぱいに吸うと気持ちいいのよ」とふっきれたようで、両手を上にぐーと伸ばした。だから「東京の空だって捨てたもんじゃない」とその手を握ってしまった。彼女は赤くなっていた。
秋になると高尾山に登り、手を繋ぎ肩を寄せ合って山道を歩いた。
「え、そうなの?」
「そうだよ、バカみたいだろう。ははは」
何の話題だったか覚えていないが、ただ二人でいればいい、そんな感じだった。
午後3時を過ぎ、日が傾いてきたので、他のハイカーたちは下りのケーブルカー乗り場に向かっていたが、私はそちらに向かわず、陽子の手を引き、脇道に入っていった。彼女も予感していたようだが、「どこに行くの?」と立ち止まり、私を不安そうな目で見ていた。でも、ここで止められない。グッと引き寄せ、「あ、いや……」ともがく彼女を抱き締め、強引に唇を合わせてしまった。

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誰かに見られている、そんなことを考える余裕なんか無い。ただ、高尾山の森の中で抱き合い、唇を合わせたことだけは、はっきりと覚えている。
そんな訳で、クリスマスパーティは手を繋いで参加し、「おい、彼女かよ」と聞かれると、「まあな」と答えていた。
しかし、なかなか、あれまではいかなかった。
2年生になっても、きっかけをつかめぬまま、前期試験も終わり、来週には彼女が群馬に帰省するという時、「海に行こう」と茨城県に海水浴に出掛けた帰りのこと。浜辺では手を繋いでいたが、肌を寄せ合ったり、中には人目も気にせずにキスしているカップルまでいた。そんなものを一日中見せつけられたこともあって、並んで座っていても、何だかモヤモヤしていた。
「焼けたね」
「ヒリヒリして痛いの」
「僕もそうだよ」
そんな会話を交わしていても、私の頭の中は、あれをすることで一杯だった。
そんな時、「間もなく上野、上野です。お忘れものなど無いように……」と車内アナウンスが流れてきて、「うぅぅー……着くか」、「疲れたなあ」と車内では、立ち上がって網棚からバッグを下ろしたり、降車準備が慌ただしくなっていた。

今を逃したら、9月まで会えない、いや、9月まで、いやいや、いつになったらできるか分からない・・・私は陽子の手をギュッと握った。彼女を見ると、私と同じような気持ちでいたのか、下を向いたが手を握り返した。
OKだ。よし、行くぞと、上野駅に着くと、近くのラブホテルに飛び込んだが、勝手が分からない。受付カウンターの磨りガラスの向こうから「2時間5千円」と言われ、お金を払うと、「302号室」と鍵を渡された。
他にもカップルがいたようだが、緊張していたからはっきりとは覚えていない。エレベーターを降り、302号室に鍵を差し込み、カチャと音がして、ドアを開けると、小さな応接セットがあり、奥に大きなダブルベッドが見えた。急いで中に入り、ドアを閉めると、エアコンの音しか聞こえない、本当に二人だけの世界になった。
ドキドキして、しばらく入口に立っていたが、陽子の手を引いてベッドに倒れ込んだ。チュッ、チュッ、チュッ……と最初はおとなしい口づけだったが、気持ちが高まっているから、すぐに体を弄った。

(続く)

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