浅川健太郎の告白-第1話 2160文字 バロン椿

浅川健太郎の告白-第1話

私、浅川(あさかわ)健太郎(けんたろう)は46歳。会社は中堅だが次長。一応名前の通った私立大学卒だが、自慢する程ではない。
こんな私にも、いくつかの女性遍歴がある。
内緒にして頂くことを条件に、こっそり貴女だけにお話するので、笑わずに最後までお聞き下さい。

作家名:バロン椿
文字数:約2160文字(第1話)
管理番号:k143

第一回、社内不倫

自己紹介

「はい、OKだ。次」
東西商事の食料品事業部。月曜日の午後は定例の進捗会議。
私、浅川(あさかわ)健太郎(けんたろう)は46歳。会社は中堅だが次長。部下を見渡してみると、東京大学は勿論、名だたる国立大学、私立大学卒がわんさかいる。
私にはそんな学歴は無く、思い起こしてみたら、仕事の失敗は数え切れないほど。でも、あと一歩で部長のところまできたのは幸せか。
「ハイ、次はどなた?」
会議は私の右腕、チーフの花田香織さんが取り仕切っているから何も心配はないが、時々、「おい」なんて部長が覗きにくるから、メモ書きは忘れない。
まあ、こんな私だが、女性関係も危ないものも含め、多々あるので、貴女だけにこっそり教えてあげよう。
まずは、もっとも新しい社内不倫から。

相手は、女傑の花田香織

「小池さん、進捗は?」
「東西食品との会合が3日ほどずれ込んでいますが、ほぼ計画通りです」
「ずれ込みの原因は?」
「先方社長の病気です」
「見舞いは?」
「はい、先週末に行っております」
会議を仕切るチーフの花田(はなだ)香織(かおり)が要点を押さえており、問題はなさそうだ。時計を見ると、会議が始まって既に1時間を過ぎ、大方の報告が終わっている。
そろそろ切り上げてもいいかなと、「じゃあ、これでいいかな?」と彼女に目を向けると、あに図らんや、「次長、もう少しお時間下さい」とまだ会議資料を捲っている。

優しい名前の彼女だが、元は柔道の国体選手。身長は165センチくらいか、ショートカットと言うより短髪と言った方がよく、私よりも2つ年下の44歳なのに、今もトレーニングでもしているのか、現役選手のように引き締まり、取引相手の男も一歩退いてしまうような強面。美人や醜女などといった範疇を超え、強そうという印象を誰もが持つであろう女傑。だから、妥協は一切無い。
これは、あと1時間は続くか……まあ、仕方ない。
「そうか、香織さん。で、どこだね?」と問い掛けると、「はい、木村君の担当箇所で・・・」と、中堅社員、木村誠一を指差した。
木村君は30歳で、取引先の評判もよく、当部の次期エースと目されている社員だが、花田香織に迫られると、「あ、そ、それは……」と、まるで〝蛇に睨まれた蛙〟のようにびくついている。
香織、もっと優しく聞いてあげないとと言いたいところだが、頼れる右腕。まあ、任せるよと、私はカップに残ったコーヒーを啜ると、先週末の出来事を思い浮かべていた。

セクシーランジェリーショップ03

週末の飲み会、思わぬことに

「酔ったね」
「ええ、ちょっと飲み過ぎ」
「公園でも歩くか」
「ええ、そうしましょう」
私と花田香織は長年食品事業に携わり、今は次長とチーフの関係だが、まあ、長い付き合いで、一緒に何度もプロジェクトを成功させるなど、戦友と言ってもいい仲。だから、月に1、2度、週末になると一緒に飲み歩く。といっても、香織はこざっぱりした性格で、ガタイを含め男と付き合っているようで、恋愛感情など湧かないし、互いに既婚だから、勿論、肉体関係などない。
だが、酔い醒ましに公園を歩くと、あちらこちらにカップルが肩を寄せ合い、中にはキスをしている二人も。当てられた訳ではないが、年甲斐もなく、急にもやもやしてきて、半ば冗談がてらに「抱きたいなあ」と言ってしまった。すると、チラッと私を見た香織は睨むどころか、驚くことに体を寄せてしなだれ掛かってきたのだ。

なんだこれはとギョッとしたが、「いいの?」と肩を抱くと、「ハイ」と小さく頷く。
え、ええぇ、こんなことあるのかと思いつつも、行きがかり上、やるしかない。抱き寄せ、唇を合わせると、「あ、ああ……」と彼女の方から吸い付いてきた。いいのか、いいのか、こんなことしてと躊躇うが、ここで止めたら、からかったことになる。腹を括った私は傍のベンチに倒れ込み、舌を絡め、手で胸を弄ると、彼女は拒まず、それどころか体から力が抜けていく。脇を通った20代のカップルが私たちの行為に驚いていたが、所詮、他人だ。かまいやしない。それより、こうなったら、もう行くしかない。彼女を抱き起こすと、タクシーを捕まえ、ホテルに向かった。

女傑の面影はいずこへ

彼女の旦那さんとは数回だが会ったことがある。
年は同じ、背丈は私よりも大きく、大学ではテニス部で活躍していたらしく、香織とは運動部同士の付き合いから親しくなったと言っていた。
タクシーで隣に座る彼女を見ていると、旦那さんの顔が浮かび、申し訳ないと、思わず頭をさげてしまった。
そうこうするうちに、繁華街を抜けたタクシーが「HOTEL」とネオンサインの灯る前で停まった。
ラブホテルなんて何年振りか、いや、それどころか、セックス自体、ここ2年ほどご無沙汰。私は年甲斐もなく、ホテルの門を潜るとき、膝が少し震えていたが、香織の方も、私の腕にしがみつき、ブルブル震えていた。後で聞いたら、旦那が病気で不能になってしまって、もう15年くらいセックスをしていないということだった。
そんな訳だから、部屋に入ってからも、彼女はまるで処女のように身を硬くして、「浅川さん、浅川さん……」と私にしがみついてくる。強面の女傑の面影などない。
浮気は何度かしているし、風俗遊びもしている私だが、こんな姿を見せられては、私も心の底から燃え立ち、「香織っ!」とベッドに押し倒してしまった。

(続く)

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